ページID:52218更新日:2023年3月7日
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<対象法人>
<報酬給与額>
<純支払利子>
<純支払賃借料>
Q1
外形標準課税の対象となるのはどのような法人ですか。
A1
事業年度終了日の資本金又は出資金の金が1億円を超える法人(所得課税法人に限るものとし、公益法人等、特別法人、人格のない社団等を除く)が対象となります。
Q2
報酬給与額とはどのようなものですか。
A2
報酬給与額は雇用関係又はこれに準ずる関係に基づいて提供される労務の提供の対価として支払われるものが対象であり、定期、非定期、業績比例等問わず、また、給料、手当、賞与等その名称も問いません。
対象者は雇用関係又はこれに準ずる関係に基づいて労務の提供を行う者であり、役員、非常勤役員、契約社員、パートタイマー、アルバイト等すべての者が含まれます。
Q3
通勤手当は報酬給与額の対象となりますか。
A3
通勤手当については、基本的に実費弁償の性格が強いため、所得税法上非課税とされていますので対象外となります。
ただし、一定額を超える部分については、非課税の対象から外れる(所得税の課税対象)ため、その部分は報酬給与額の対象となります。
Q4
顧問税理士、弁護士等への報酬は報酬給与額の対象となりますか。
A4
顧問税理士、弁護士等へ支払う報酬は所得税の課税対象となっていますが、事業所得として取り扱われます。事業所得は報酬給与額の対象としないと定められています。
ただし、法人が従業員として雇用し、税理士、弁護士の仕事をさせている場合の報酬は報酬給与額の対象となります。
Q5
報酬給与額に該当する給与であるかどうかは、どのように判定するのですか。
A5
法人が従業員等に対して支給する金銭等が報酬給与額に該当するか否かの具体的な判定は、当該金銭等が所得税においてどの所得に区分されるかによります。原則として、所得税において給与所得又は退職所得とされるものを報酬給与額とし、所得税において事業所得、一時所得、雑所得又は非課税所得とされるものは報酬給与額とはしないこととされています。(一部例外あり)
・事業所得・・・顧問税理士、弁護士等へ支払う報酬など・
・雑所得 ・・・公的年金等、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税など
・賞金や懸賞当選金、競馬や競輪の払戻金、法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除く)
Q6
休業手当は報酬給与額の対象となりますか。
A6
休業手当は使用者の責めに帰すべき理由によって休業させるときに、支払わなければならない手当であり、この手当は所得税法上給与所得として課税されるため報酬給与額の対象となります。
Q7
休業補償は報酬給与額の対象となりますか。
A7
休業補償は業務上の負傷や療養のために仕事ができず、給与を受け取ることができない場合に支払わなければならないものです。
この補償金は所得税法上非課税となるため、報酬給与額の対象となりません。
Q8
慶弔金、弔慰金は報酬給与額の対象となりますか。
A8
慶弔金、弔慰金は社会一般的な金額であれば、所得税法上非課税であるため報酬給与額の対象となりません。
しかし、弔慰金については、弔慰金という名目であっても退職金や給与の性質を有するものとして支給している場合には所得税法上非課税であったとしても報酬給与額の対象となります。
Q9
通勤手当を消費税込みで計上している場合、消費税分も報酬給与額の対象となりますか。
A9
消費税は報酬給与額の対象外となりますので、積算するときは税抜き金額で積算してください。
なお、通勤手当については、所得税法の非課税限度額を超えて支払われる部分が報酬給与額の対象となります。
Q10
請負契約、委託契約に基づき支払っている費用は報酬給与額の対象となりますか。
A10
請負契約(委託契約)は労務の対価への報酬ではなく、仕事の完成に対する対価の報酬であるため報酬給与額の対象となりません。
しかし、名目上は請負契約をしているが、雇用関係が出向者と同じ扱いをしている場合(いわゆる名目上の請負、偽装請負)は対象となります。
対象となるか否かについては、指揮命令権がどちらにあるか(本来請負契約であるならば指揮命令権は請け負う側にある)、支給方法の形態(時給、日給、月給払いは労務の提供の対価として判断できる)等詳細に確認した上で個別に判断することとなりますので、不明な点がある場合は、お問い合わせ下さい。
Q11
従業員に現物支給をした場合は報酬給与額の対象となりますか。
A11
所得税法上給与所得又は退職所得として課税され、かつ、法人税法上損金とされている場合は報酬給与額の対象となります。
Q12
建設仮勘定、仕掛品等に資産計上している給与は報酬給与額に含まれますか。
A12
これらの給与も報酬給与額に含まれます。
資産計上している勘定科目(給与含む)は完成、もしくは事業の用に供した事業年度から損金算入されることとなりますが、報酬給与への算入は実際に給与として支払を行った事業年度の課税標準に算入することとなります。
Q13
非常勤顧問に対する給与も報酬給与額の対象となりますか。
A13
OBなどを非常勤顧問として雇い報酬を払っている場合は、所得税において給与所得又は退職所得として課税され、かつ、法人税の所得の計算上損金の額に算入される場合には報酬給与額の対象となります。
しかし、利益処分として役員賞与扱いで支払っている場合は、法人税別表4で損金不算入処理がされるため報酬給与額の対象となりません。
また、非常勤顧問が独立して事務所を持っている場合は支払う費用は事業所得として見られるため、報酬給与額の対象となりません。
Q14
福利厚生費は報酬給与額の対象となりますか。
A14
福利厚生費は従業員の福利厚生目的で支出した費用を管理するための勘定科目であり、科目の中で所得税法上、給与所得又は退職所得として課税されるものは報酬給与額の対象となります。
例:持株奨励金、報奨金、食事代補助(課税分)、永年勤続記念品(金銭)等
Q15
利益処分により支払った役員賞与、役員報酬は報酬給与額の対象となりますか。
A15
利益処分により支払をした役員賞与、報酬については、基本的には法人税別表4加算項目にて損金不算入扱いされますが、この場合は法人税で損金となっていないため報酬給与額の対象となりません。
Q16
残業代等を当月に未払計上し、翌月支払っている場合、期末分の残業代は当期と翌期のどちらの報酬給与額に含めるのですか。
A16
報酬給与額が帰属する時期については、原則として、法人税の所得の計算上損金の額に算入した事業年度と一致することとなります。
設問の場合には、一般的には期末分の残業代は、法人税の計算上、当期の損金の額に算入されることとなりますので、当期の報酬給与額とすることとなります。
Q17
出向者の給与等は報酬給与額ではどのように取り扱われますか。
A17
出向があった場合には、退職給与以外の給与等は実質的負担者の報酬給与額とし、退職給与等については形式的支払者の報酬給与額となります。
つまり、退職給与以外の給与等は最終的にどちらの法人の費用となっているかで判断することとなります。
例えば、AからBに出向者を出し、Aが出向者に給与の支払いを行いBに給与分を請求している場合は…
Aは給与を支払っているため、給与勘定で費用計上されますが、Bから請求分を受け取っているため差し引き0となります。
一方BはAに請求された金額を支払費用として計上していますので、Bの報酬給与額に含めることとなります。
ただし、退職給与は形式的支払者(直接従業員に支払っている者)の報酬給与額に含めることとされているためAとなります。
しかしながら、全ての契約が上記のような単純な契約とは限らないため、どのような支払形態をとっているか、その都度確認させていただいています。
Q18
保証料は支払利子の対象となりますか。
A18
保証料は、支払利息の性質を有するものを除き、支払利子に該当しません。
保証料は計上科目として「支払利息」に計上されることが多いため、決算額をそのまま計上している場合は申告額に含まないように注意してください。
Q19
利子税、延滞金は支払利子の対象となりますか。
A19
利子税は申告期限の延長により発生する延滞金のことです。
地方税の延滞金の場合は申告期限の延長に係る延滞金かつ法人税において損金算入されている場合のみ支払利子の対象となります。
また、納期限納付、修正申告に係る延滞金は対象になりません。
なお、“利子割”と勘違いしないように注意してください。
Q20
還付加算金は受取利子の対象となりますか。
A20
還付加算金は経済的な性質が利子に準じるため受取利子に該当します。
計上科目は「雑収入」に計上されることが多いため、申告漏れのケースが多く見られますので、ご注意下さい。
Q21
受取配当金は受取利子の対象となりますか。
A21
受取配当金は市場動向や資金の運用次第で受取額が変動することから、約定利息の性質を有していません。
したがって、受取利子には該当しません。
Q22
どのようなものが純支払賃借料の対象となりますか。
A22
対象となる賃借料は、賃借権、地上権などの土地又は家屋の使用又は収益を目的とする権利の対価の額とされています。
したがって、家屋や土地と一体となっている看板なども対象となります。
また、その土地を使用した対価として生じた自動販売機設置手数料、公衆電話設置料、電線の線下補償料なども対象となります。
Q23
機械のリース料は支払賃借料の対象となりますか。
A23
機械のリース料は機械を使用したことに対する使用料として支払うものであり、実際にその場所を使用したために支払う対価ではありません。
したがって、支払賃借料には該当しません。
Q24
一日のみ会議室を借りた場合は支払賃借料の対象となりますか。
A24
支払賃借料に該当するのは連続して1月以上の使用に対するものが対象となるため該当しません。
Q25
違約金は支払い賃借料の対象となりますか。
A25
延滞や契約違反により支払う違約金(土地又は家屋の賃借権等の対価としての性質を有するものに限る。)は、賃貸契約に基づき契約期間に応じて支払うものであるため、土地、家屋の使用の対価と考えられ、支払賃借料に該当します。