北杜市須玉町地内産業廃棄物不適正処理事案における行政代執行
行政代執行の実施状況について(事業実施:2018年度~2019年度)
1.行政代執行に至る経緯
- 事案の概要
平成24年2月から平成26年9月の間、産業廃棄物処分業の許可がない(株)バイオ・テック・ジャパン(北杜市須玉町)が、許可業者である(有)オカムラ(静岡県島田市)から、汚泥や動植物性残渣等に廃石膏ボード粉を混合した産業廃棄物の処分委託を受け、山梨県北杜市須玉町地内の2箇所(大蔵地内、東向地内)に野積み、放置(約2万m3)
県の調査により、当該廃棄物内部で4,000ppmを超える硫化水素の発生を確認
平成28年3月22日、両法人及びその代表者に対し、当該廃棄物を全量撤去(約2万m3)するよう措置命令を発出
【履行期限】大蔵地内…平成29年2月21日/東向地内…平成30年3月21日
平成29年3月23日、(有)オカムラへ廃石膏ボード粉を引き渡していた(株)八木建設(静岡県島田市)及び業務責任者に対し、東向地内から廃石膏ボード粉量に相当する3,725m3を撤去するよう措置命令を発出
【履行期限】平成29年12月22日
被命令者らによって一部の廃棄物が撤去されたが、いずれの履行期限内においても履行されなかった。
- 行政代執行の実施
平成30年10月9日、山梨県は、生活環境保全上の支障のおそれを除去するため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8第1項の規定により、必要な措置を講ずることとし、現地において対策工事に着手しました。(大蔵地内の現場において代執行開始宣言)
○行政代執行開始宣言
日時:平成30年10月9日(火曜日)午前9時~
場所:山梨県北杜市須玉町大蔵2062番2付近
環境整備課長による代執行開始宣言後、対策工事に着手
2.行政代執行(対策工事)の内容
被命令者が履行期限内に命令を履行しなかったことから、県では自ら生活環境保全上の支障のおそれを除去するために必要な措置を講ずることとし、当該必要な措置については、廃棄物処理や硫化水素対策等の専門家による「北杜市須玉町地内不適正処理産業廃棄物対策技術検討委員会」において検討を進めました。当該委員会における検討結果を踏まえ、現地に野積みされている産業廃棄物をセメント固化材等と攪拌・混錬し、硫化水素が発生しない性状にした上で現地に盛土・成形する工法(セメント安定化工法)を採用することとしました。
【セメント安定化工法の概要】
3.行政代執行(対策工事)の実施
行政代執行(対策工事)は、平成30年10月に開始し、令和2年1月に完了しました。
行政代執行(対策工事)の総事業費は、747,875,320円です。
- 公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団からの支援金
行政代執行に要した費用のうち、439,628,000円は、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団から支援を受けました。
当該支援は、産業界等の協力による基金を活用して行われています。
4.環境モニタリング調査結果
環境モニタリング調査 測定地点地図
行政代執行前における環境モニタリング調査結果(~R2.1)
行政代執行後における環境モニタリング調査結果(R2.2~)
5.悪臭調査結果