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H31年度発掘調査速報一覧発掘調査資料普及活動展示会・イベントなどQ&A・用語集・その他 |
北畑南遺跡の発掘調査が終了しました(令和2年4月21日)前回の発掘調査情報では、北畑南遺跡の中世の生活面について報告しましたが、その1m下で確認された古墳時代と平安時代の生活面についての調査が3月16日に終了しました。 調査の結果、古墳時代の竪穴住居跡8軒、溝2条、平安時代の竪穴住居跡1軒、土坑1基、溝1条が見つかりました。古墳時代の竪穴住居跡は、前期~中期(1750~1500年前)頃のものと考えられます。いくつかのものは重なり合ってみつかったことから、微妙に時期を違えて集落が営まれたと推測されます。 壺が中に入れられた土器 ある住居からは、完全な形のままの土器が、一カ所からまとまって出土しました。古墳時代の人たちが、壊れていない土器を捨てたとも考えにくいですし、中には「置いたそのままの状態」のものもあることから、オマツリに使われた土器たちなのではないかと考えています。
山梨県内で古墳時代中期の集落跡は調査事例が少なく、謎に包まれていましたが、今回の調査をきっかけに、甲府盆地の地表深くから、同様の遺跡が見つかる可能性が考えられるようになりました。出土した遺物の種類も他の遺跡よりも多様なことからも、今後は、整理作業を通して北畑南遺跡について考えていき、山梨県の古墳時代の解明に取り組んでいきたいです。今年度は整理作業の様子について、埋蔵文化財センターHP上でお知らせいたします。どうぞ楽しみにお待ちください!
北畑南遺跡の発掘調査を実施しています(令和2年2月5日)埋蔵文化財センターでは、令和元年11月から、笛吹市石和町東油川字北畑において発掘調査を始めました。 北畑の土地では、これまで遺跡が確認されていませんでしたが、今年度の6月、7月に試掘調査を行ったところ、遺構や遺物が見つかり、新たに「北畑南(きたばたみなみ)遺跡」と命名しました。 遺跡の場所は平等川と笛吹川が合流する付近にあるため、湧水が非常に多い地域です。現在の地面より下層には河川由来の川砂が厚く堆積しており、遺跡は地上から4m下まで埋もれていました。遺跡調査のためにかなり深いところに降りなければならず、調査区の中は常に水が湧き、今でになく調査が難しい現場です。 遺跡には古墳時代の生活面と中世の生活面が存在し、それぞれの時期に人々がいたことが試掘調査でわかっています。現在、中世の生活面の調査が終了し、その結果、溝状遺構が14条、土坑が2基見つかりました。これらは畑の跡や区画を示す溝である可能性があります。
※発掘調査区内は掘削深度が深く、大変危険です。関係者以外の立ち入りはできませんのでご了承下さい。 発掘調査の状況については、随時こちらのページでお知らせします。
馬場平遺跡の調査日誌<2頁目>(令和元年9月25日)1区では、縄文時代の遺物包含層(土器や石器が含まれる土層)内から、遺物と遺構(土坑)が見つかってきています。特に石器を作る際に出る破片が多く出土しています。その中でも水晶の破片が圧倒的に多く、大小合わせて300点以上の破片が1つの地点から集中的に出土しました。 旧地形の高い部分に水晶片の集中区があり、流れ込みではなく、当時の人が意図的にこの場所で廃棄したものと考えられます。柳沢峠を越えた山奥でも、縄文人が生活した痕跡があり、驚きますね。当時の人はここで石器を作り狩りをしていたのでしょうか?それとも石器を用いた交易をしていたのでしょうか?謎は深まるばかりです。これからの調査で徐々に遺跡の内容がわかっていくことでしょう。 現在、ドローンやラジコンヘリを使った航空写真撮影に向けて、調査を進めています。どうやって写真を撮るかは次回をお楽しみに。 写真1 水晶集中地点(柱上と竹串のところに水晶片があります)
発掘調査区域は斜面地および工事中により大変危険なため、関係者以外の立ち入りはできませんのでご了承下さい。 発掘調査の状況については、随時こちらのページでお知らせします。
馬場平遺跡の発掘調査が始まりました(令和元年9月17日) 埋蔵文化財センターでは、一般国道411号御屋敷拡幅工事に先立ち、令和元年8月22日から、甲州市塩山上萩原において発掘調査を始めました。 遺跡は甲府盆地から柳沢峠を越え、やや下った標高1,250m前後に位置しています。盆地内と比べると(今のところは)涼しく、10℃前後の気温差があります。現地にきてみると、なぜこんなところに縄文人の人が住んでいたんだ!?と不思議に思うほど、山の奥地に位置していることが分かります。 現在の調査状況ですが、縄文時代の遺物が出土する土を人力で掘り下げており、住居跡や土坑などの遺構があるかどうか探しているところです。土の中からは遺物が出土しており、特に水晶の破片が目立ちます。これからどんな遺構や遺物が発見されるか楽しみです。
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