トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0050石器
ページID:4314更新日:2017年5月8日
ここから本文です。
北杜市の遺跡
|
いろいろな形をした石匙 [写真]天神遺跡出土石匙 天神遺跡から出土している石匙が全て三角形をしている訳ではありません。写真の様に幅広形(左)や縦長形(右)もあります。日本全国にはいろいろな形の石匙があることから、これらの形は他地域の影響を受けている可能性があります。
下図をご覧下さい。福井県鳥浜貝塚の石匙は二等辺三角形に近い形であり、天神遺跡と影響を与え合ったことが分かります。これに対して、青森県の熊沢遺跡では縦長形がたくさん出土しています。石匙という同じ道具でありながら、地域により形が異なっていますね。
場所によって形が異なる理由は、石器の作り方についての伝統が異なるという点や使いやすい形に合わせて石器を作ったなどいくつかの要因が考えられます。 時代を特徴づける石器石匙は縄文時代を通じて使用されますが、最も頻繁に使用されたのが前期と中期です。その中でも、天神遺跡から出土した石匙はその形から時代が推定できるくらい、一つの時期のみ使用された道具であると言えます。
縄文時代の遺跡から出土した石器で、時代を特徴づけているものは天神遺跡から出土した石匙だけではありません。 玉川金山遺跡出土礫器都留市玉川にある玉川金山遺跡からは、礫器が出土しています。礫器とは縄文時代早期に多く出土する石器で、獲物を解体する時や木を削る時などに使用されたと考えられている石器です。都留市内で採取される緑色凝灰岩を使用しているものもあります。 [写真]玉川金山遺跡出土礫器 玉川金山遺跡の調査情報はこちらに掲載されております。 桂野遺跡出土掻器笛吹市御坂町にある桂野遺跡の縄文時代中期初頭の遺構からは、先端が尖った非常に特徴的な掻器が出土しています。掻器とは皮をなめすための道具ですが、桂野遺跡の掻器は他の時期にはない変わった形をもつ石器だと言えます。 [写真]桂野遺跡出土掻器 |