トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0350一の沢遺跡
ページID:46501更新日:2017年5月8日
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笛吹市の遺跡0014経塚古墳-復元古墳-0217経塚古墳-内部構造-0251経塚古墳-石室の石積み-0280経塚古墳-列石-0396経塚古墳-八角形の意味-0019桂野遺跡-石皿・磨石-0100桂野遺跡-陥し穴-0111桂野遺跡-前期土偶-0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-0020四ツ塚古墳群-玉類-0235四ツ塚古墳群-装身具-0022狐原遺跡-墨書土器-0059平林2号墳-副葬品-0079平林2号墳-青銅鏡-0102平林2号墳-ガラス玉-0202平林2号墳-馬具類や装身具類-0240平林2号墳-勾玉-0337平林2号墳-勾玉-0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-0406花鳥山遺跡-耳飾り-0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2-0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3-0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器-0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-0307一の沢遺跡-縄文土器-0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-0150稲山遺跡-発掘調査速報-0160稲山遺跡-発掘調査速報2-0170稲山遺跡-発掘調査速報3-0209稲山遺跡-常滑甕-0229稲山遺跡-すり鉢-0288稲山遺跡-かわらけ-0151三光遺跡-発掘調査速報-0166三光遺跡-発掘調査速報5-0171三光遺跡-発掘調査速報6-0186三光遺跡-耳飾り他-0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-0284二之宮遺跡-置きカマド-0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-0371太鼓畑遺跡-調査概要-0382六ッ長遺跡-調査概要- |
笛吹市境川町にある一の沢遺跡は、昭和58年秋の発掘調査で縄文時代中期の豪華な土器が出土し、山梨の特徴をよく示すものとして重要文化財に指定されています。これまでこのトピックスでも紹介されてきました。土器の他に大型土偶は縄文時代中期の中部地方を代表するすぐれたもので、その愛らしさからキャラクターがいろいろつくられています。今回はこの土偶を紹介します。 関連トピックス 一の沢遺跡出土の土偶は、下半身を欠損し、上半身のみですが、縄文時代のものとしてもやや大型でつくりがしっかりした優品といえるものです。高さは現高で14cmですがもともと20cm以上はあったでしょう。また両手の間では13.6cmになります。頭部は中空になっており、目をくりぬいているので黒い瞳のように見えます。髪形は島田髷のように見え、後ろで束ねて巻き付けているようです。目は切れ長で、弧状の眉毛が表現されています。目の下には涙のように線が引かれ、お化粧のようです。口は丸く、くり抜かれています。手は横に広げているようで、左手側には何か模様があります。重要文化財となった豪華な土器とともに住居跡の床面から出土しました。 一の沢遺跡の土偶(重要文化財)住居跡の床面上かたうつ伏せで出土した 縄文時代中期の土偶縄文時代の土偶は、最初は人間の体のみを表現した小さな板状の土製品でした。中期になると顔の表現が明確になり、足がついて立像化します。大きさは15cm程のものが一般的ですが、次第に大型のものもみられるようになります。そして立像形のもののほかに、円錐形や座ったかたちのもの、土器に貼り付いて表現されるものなど多くの種類がつくられ、土偶は多様化します。一の沢遺跡の土偶はこの多様化が進んだ頃の大型土偶です。中期後半になると土偶は立像形のみとなり、次第に小型化して数も少なくなっていきます。そして後期には全く造られなくなってしまい、断絶します。後期の土偶にはハート形土偶やミミズク形土偶などがありますが、これらは東北地方からの系譜をもつもので、中部地方の土偶とはまったく異なるものです。一の沢遺跡の土偶は、縄文時代中期に繁栄した中部地方の土偶を代表するものなのです。 一の沢遺跡から出土した様々な土偶と土器に付いた人面(重要文化財) キャラクターとなった土偶考古博物館開館が10周年を迎えた平成4年の時には、記念品の文鎮のモチーフとしてこの土偶が使われました。その後、考古博物館でも販売しており、埋蔵文化財センターの整理室でもよく見かけましたが、早くに絶版となってしまいました。 現存する記念品一の沢土偶の文鎮 一の沢遺跡の土偶は、平成6年考古博物館でイベントの景品として作ったバッジのデザインとしてキャラクター化しました。このバッジは考古博物館でオリジナルバッジとして現在も販売されています(200円)。土偶キャラクターはいろいろなところで使われるようになりました。現在、考古博物館で使用している公用の封筒にもこのキャラクターがあります。この土偶キャラクターは、一の沢遺跡にちなんでいつしか「いっちゃん」と呼ばれるようになりました。 考古博物館オリジナルバッジ考古博物館の封筒 そして、考古博物館前を走る国道358号で、甲府から来て笛吹川にかかる下曽根橋を渡ったところの交差点信号(笛南中北)の手前の案内標識にもこの土偶のシンボルマークが使われています。皆様は気づいていたでしょうか?もうひとつ、中道橋を渡って考古博物館の東側から来るときの交差点手前にも同じく案内標識があります。考古博物館前の標識には残念ながらこのシンボルマークは使われていません。おそらく設置時期が異なるのでしょう。埋蔵文化財センターは、考古博物館と同じところにあるのですが、シンボルマークのかわりに「山梨県」マークとなっています。 国道に設置された案内(笛南中北交差点手前)に土偶キャラクターが使われています 拡大してみるとなるほど「いっちゃん」がいます 考古博物館入口の案内にはない考古博物館東交差点付近の案内にもあるよ さあ、どこにあるのか、探してみよう。すぐにみつかると思います。そして考古博物館を訪ねて本物を見ていって下さい。重要文化財です。考古博物館夏季企画展「土偶のねがい縄文の母たちからのメッセージ」にて県内のたくさんの土偶と共に展示されています。見られるのは平成24年8月31日までですので夏休み中に見ていって下さい。無料です。詳しくはこちら→http://www.pref.yamanashi.jp/kouko-hak/index.html 「夏季企画展土偶のねがい」にならぶ一の沢遺跡の土偶 緊急!告知みんな、いっちゃんを応援してね!この平成24年、夏、「ミュージアムキャラクターアワード2012」というのがあり、ミュージアムキャラクターの日本一を決める催しが行われています。ここに一の沢遺跡の土偶をモデルにした「いっちゃん」が参加中です(インターネットミュージアムhttp://www.museum.or.jp)。51館の各館自慢のキャラクターがエントリーしてチャンピオンを競っています。皆様、是非とも1票と応援メッセージをお願いします。エントリーNo.37の「いっちゃん」がそうです。投票季刊は平成24年8月28日10時00分まで、残り期間がわずかです。応援よろしくお願いします。日本中に山梨の誇る土偶キャラクター「いっちゃん」が知れわたるといいですね。 投票は終了いたしました。皆様の応援ありがとうございました。
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