トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 遺跡トピックスNo.449十五所遺跡 > 遺跡トピックスNo.451一の沢遺跡の土偶いっちゃん2
ページID:75628更新日:2016年10月31日
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笛吹市の遺跡
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山梨県立考古博物館のキャラクターとなっている一の沢遺跡の土偶。山梨を代表する縄文時代の土偶として遺跡トピックスNo.0350で紹介したところでもあります。平成6年にキャラクターとしてデザインされ、こんにちまで愛され続けています。この土偶は、平成11年に一の沢遺跡の出土品176点とともに国の重要文化財に指定されています。ふだんは山梨県立考古博物館で展示されていますのでご覧になった方も多いでしょう。
一の沢遺跡の土偶、実は縄文時代の中期における山梨を中心とした中部地方で典型的な立像土偶です。この頃の土偶はみな同じような顔つきで愛くるしい表情をしています。島田まげのような髪型に吊り上ったアーモンドアイ、丸い口、両手を広げて大きくはったお腹と短い脚をもつ立像形が特徴になります。しかし、これほどの大型品はなく、胴体を欠損していますが全高20cmをこえるものと推定されています。通常は10cm程のもので、たいていはバラバラに壊れています。上半身だけでもこれほど残っているのは実はとても珍しいのです。土偶には大型優品と小型粗製品があり、後者がほとんどで、千点を超える出土を誇る釈迦堂遺跡の土偶でさえほとんどが小型粗製品なのです。大型優品はとても少なく土偶信仰の中でも頂点に君臨した女王といえるでしょう。土偶は円錐形をした体の鋳物師屋遺跡や、肩が盛り上がる黒駒型、壺抱き形などいろいろありますがかたち以外に大きさでもいろいろな役割があったと考えられます。一の沢遺跡の土偶は立像形の女王様といえるでしょう。
山梨県立考古博物館においでのさい、道路標識としてもおなじみですが、最近知らないうちにそのデザインが少し変わりました。新しいのは黒地に白丸の中に白くかかれています。いつかわったんだろ?
甲府南IC前にあるのは青地に黄色で、これはむかしのデザインです
ところで山梨の土偶はさいきん全国でも有名になってきています。南アルプス市鋳物師屋遺跡の土偶キャラクター「ラヴィ」は昨年「全国どぐうキャラ総選挙FINAL」でグランプリ獲得、今年は「ミュージアムキャラクターアワード2016」で、全国第2位の栄冠に輝きました。 土偶キャラ「ラヴィ」とそのモデルになった土偶(南アルプス市HPより)
JYOMON美土偶グランプリでは、韮崎市石之坪遺跡の土偶が全国2位、南アルプス市の鋳物師屋遺跡土偶が全国3位と上位を山梨県の土偶が占めました。 韮崎市石之坪遺跡の土偶全国2位!
じつは一の沢遺跡の土偶「いっちゃん」は2012年ミュージアムキャラクターアワードに参加しているのです。結果は?・・・51件中なんと24票獲得し38位でした。ちなみに1位は2674票の「あずきさん」でした。トホホ。
でもこの「いっちゃん」のデザインは平成6年につくられたので、もう20年以上親しまれているのです。いろんなところで見かけるとおもいますけど、応援してね。ふだんモデルとなった土偶は山梨県立考古博物館で常設展示されています。見に来てね。
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