ページID:504更新日:2024年7月31日
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ある森林を保安林にすることを「保安林の指定」といいます。
公益的機能の発揮が特に必要な森林を「保安林」として指定します。
保安林の指定は告示により行います。
保安林の種類によって、農林水産大臣の告示と山梨県知事の告示とがあります。
「告示」とは、行政庁(国や県)が決定した事項を一般に公式に知らせる行為、またはその公示の形式の一種のことです。
また、告示は一般に官報または公報に掲載されます。
保安林は、次の場合に限り、その指定を解除することができます。
1保安林の指定の理由が消滅したとき
2保安林の指定目的に優先する公益上の理由により必要が生じたとき
解除するためには、告示行為が必要です。
告示をせずに解除することはできませんし、自動的に解除されることもありません。
公益のための保安林ですので、簡単に解除できたりすると困りますよね。
保安林内においては、指定の目的を達成するため、立木の伐採や土地の形質を変更する行為等を行うためには、許可又は届出が必要になります。
土地の形質を変更する行為等には
などがあります。
行為の内容 |
必要な手続き |
手続きの時期 |
受付機関 |
様式 |
||
立木の伐採 |
皆伐 |
伐期齢以上の木を0.05ha以上まとめて伐採する場合 |
許可 |
2月、6月、9月、12月の各月初めから30日以内に申請する。 | 各林務環境事務所 | 立木伐採許可申請書(ワード:37KB) |
択伐 |
伐期齢以上の木を抜き切り、または、0.05ha未満まとめて 伐採する場合 |
伐採開始日の30日前までに申請する。 | ||||
〃 |
届出 |
伐採開始日の90~20日前までに届け出る。 | 択伐届出書(ワード:34KB) | |||
間伐 |
森林の手入れのため |
間伐届出書(ワード:34KB) | ||||
その他 |
除伐、倒木、枯死木を |
手続き不要 |
||||
土地の形質の変更など |
許可 |
随時 (継続する場合は、 更新手続きが必要) |
○○許可申請書(ワード:33KB) | |||
危険木の伐採など |
届出 |
伐採開始日の2週間前までに届け出る。 |
立木伐採届出書(ワード:35KB) |
国有林野の活用についてはこちら(林野庁ホームページ)、林地開発許可制度についてはこちら(森林整備課のページ)をご確認下さい。
保安林に指定されたときに、その森林が保安林としての働きを果たすために必要最低限守らなければならない森林の取り扱い方法が定められています。これを「指定施業要件」といいます。
「指定施業要件」については、次のとおりです。
伐採には、「主伐」と「間伐」という方法があります。
「指定施業要件」ではどんな伐採ができるのかを定めています。
主伐における伐採の方式(伐採種)は次のとおりです。
木の種類ごとに、切るのにもっとも適した年齢があります。
これを「標準伐期齢」といいます。
保安林では、「皆伐」や「択伐」という方法で木を切るとき、「標準伐期齢」に満たない木を切ることができません。
ちなみに、標準伐期齢は、木を切る人が決めることはできません。
それぞれの市町村で定めています。
また、これらの方法で伐採するときには許可を受けたり、届け出たりしなければなりません。
なお、許可と届出の方法についてはお近くの林務環境事務所にお問い合わせください。
皆伐
木を、広くまとめて切ることを、「皆伐」といいます。
それぞれの保安林で木を切ることができる広さの限度が定められています。
択伐
1本1本選んで切ったり、植えた列ごとに細長く切ることを「択伐」といいます。
保安林によって、その森林にある木の30%または40%まで択伐をすることができます。
天然林の保安林を択伐する場合は許可が、人工林の保安林を択伐する場合は届出が必要となります。
詳しくは、お近くの林務環境事務所にお問い合わせください。
禁伐
木を切ったりできないよう「指定施業要件」で定めている保安林があります。
これを、「禁伐」といいます。
木を切ってしまうととても危ないところなどを禁伐としています。
ただし、その保安林によって間伐ができる場合もありますので、お近くの林務環境事務所にお問い合わせください。
森林は、木が混みあっていると、枝がじゃまをして、うまく育たないことがあります。
木が育たないと森林の役割が十分に果たせません。
そこで、ちょうどよい本数に減らすために木を切ることを「間伐」といいます。
間伐は保安林によって、その森林の20~35%を切ることができます。
ただし、5年くらいの間に切ったときと同じくらい回復させなければなりません。
間伐をする場合、届出が必要です。
立木を伐採したあと、木を植えなければもとの森林の状態に回復しない場合には、伐採した跡地への植栽が義務づけられています。
また、保安林の役割を十分に果たすことができるよう木の種類が定められています。
また、植える本数が少ないと森林に戻りませんので、1ヘクタール(100メートル×100メートル)あたりの本数が定められています。
さらに「植栽」しなければならない期間も定められています。
保安林で、指定施業要件に違反した場合や、無許可の伐採、無許可の土地の形質の変更等、あるいは植栽の義務の違反などがあった場合、その行為者、あるいは不作為者に対し、
など、復旧に必要な命令を行います。これを「監督処分」といいます。
さらに、程度が悪質なものや、上記の命令に従わないものについては、森林法により処罰されます。
~どこが保安林か?という疑問に~
保安林の管理は、「保安林台帳」とその「台帳附図」で行っています。どこが保安林かは、保安林台帳を閲覧することにより確認することができます。保安林台帳は、お近くの林務環境事務所又は山梨県庁治山林道課に備え付けてありますので、閲覧等を希望される方は「保安林台帳利用請求書」をご提出ください。
保安林であることを、表示するための看板や標柱を「保安林標識」といいます。一般に黄色の菱形のもので、里山や道路沿いなど、生活範囲に近い箇所に重点的に設置しています。
ある山林の地番すべてが保安林である場合、不動産登記簿に反映され、地目が「保安林」となります。(ただし、一筆の全域を指定する場合に限る。)また、市町村役場の課税台帳にも反映されます。
ある山林が保安林であるかどうかは、不動産登記簿や保安林標識等でも確認できますが、正確に把握するためには、保安林台帳で確認する必要があります。
固定資産税や不動産取得税などの税金が免除されます。
相続税や贈与税なども保安林の制限の内容によって減額されます。
控除割合は、次表のとおりです。
伐採制限の種類 |
控除割合 |
一部皆伐 |
0.3 |
択伐 |
0.5 |
単木選伐 |
0.7 |
禁伐 |
0.8 |
公益性及び緊急性等の観点から助成上の優遇措置を講じている造林関係事業があります。
一定の条件を満たしている場合には、「伐採調整資金」など日本政策金融公庫から長期で低利の資金を借りることができます。
以下の全ての条件に該当する保安林については、立木資産の凍結について「損失の補償」が受けられる場合があります。
1禁伐又は択伐が定められている。
2森林所有者が地方公共団体等ではない。
3標準伐期齢以上の立木がある。
4過去に治山事業等が行われたことがない。
保安林の中では、山が崩れたり、土が流れ出すのを防いだりする工事や、緑化や森林を整えるようなことを行うことができます。
これらを「治山事業」といいます。
この「治山事業」は全額、国や県の予算で行います。