トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0265桂野遺跡
ページID:34416更新日:2017年5月15日
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笛吹市の遺跡
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桂野遺跡とは…★桂野遺跡の調査風景と渦巻文がある深鉢 桂野遺跡がある、御坂山のなだらかな斜面地は、桃などの果樹園として利用されています。この辺りは昔から縄文時代の土器などが見つかる場所だったので、遺跡として知られてきた地域です。発掘調査地には現在は国道137号線(上黒駒バイパス)がはしっています。 上の写真中の土器は、昭和30年に、桂野遺跡がある上黒駒地区で農道工事の際に発見されたもので、土器の上の部分は欠けていますが、もとは80cmくらいの高さがあったのでは…と推定されています。土器全面には見事な渦巻が描かれていますが、このような文様の土器は他に例がありません。 このように桂野遺跡は古くから知られた縄文時代の遺跡です。今回は、この遺跡から発見された土器の物語について紹介したいと思います! 所在地笛吹市御坂町上黒駒 時代縄文時代 報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第172集「桂野遺跡(第1~3次)・西馬鞭遺跡」 ★過去のトピックスもご覧下さい★ No.0019桂野遺跡-石皿・磨石 No.0100桂野遺跡-陥し穴 No.0111桂野遺跡-前期土偶 No.0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡 土器に描かれた物語この桂野遺跡から見つかった土器、何が描かれているように見えますか?… 左を向いた、‘お魚’がいるように見えませんか? この土器は縄文時代中期初頭(約4,800年前)のもので、家の中にある炉として使われていたものです。掘り出された時にはこの文様に気付かなかったのですが、発掘調査終了後、破片になった土器をつなぎ合せると…この‘お魚’が現れたのです。 そして‘お魚’が向くその先には、バンザ~イ!する人の姿が… この文様から、例えばこんな物語が見えてきませんか? 1.網を投げて… 2.お魚入ったかな。。。 3.よいしょ、よいしょ引っぱって… 4.わーい、大きい魚がとれた、とれた! ちなみに2.や3.は文様の一番下の小さい丸が人の頭で、網を引く姿を真上から見たところ、と考えました。 こんな風に見ると、縄文人を身近に感じられますね。 いずれにしても、縄文時代の土器に人と魚の文様が一緒に刻まれているのはとても珍しいことです。 いろいろな考え方昔々の人々が使っていた土器や石器など。 実際にはどう使われていたのか、それを使ってどんな生活をしていたのか…それは想像するしかありません。 土器の文様についても同じで、色々な考え方があります。ここに紹介したのは、その中の一例です。 みなさんも、博物館などで土器を見て、様々な物語を見つけてみてはいかがでしょうか。
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