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ページID:61958更新日:2017年6月13日
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酒呑場遺跡の国指定重要文化財~豊かな縄文時代中期文化を代表する683点の出土品~遺跡の特徴八ヶ岳南麓の標高710メートル前後の中腹にある小高い丘の上にあり、東西約150メートル、南北約300メートルの巨大な遺跡です。発掘調査は、山梨県酪農試験場増・改築工事に際して実施され、1994年(H6)から2001年(H13)までに合計10400平方メートルを4次にわたり実施しました。 調査の結果、遺跡北半には直径約150メートルもの縄文時代中期前半(5500~5000年前頃)の大形環状集落が確認され、その東半部分が調査されました。遺跡の東側には縄文時代前期後半(6000年前頃)を中心とした住居群が重複していました。また、遺跡南側には縄文時代中期後半(5000~4500年前頃)の集落があり、調査された住居跡は231軒におよび、土坑5850基、中期後半の配石9基などが検出されました。出土遺物は、コンテナ約3000箱もあります。 所在地山梨県北杜市長坂町長坂上条(県酪農試験場内) 時代縄文時代前・中期 報告書 山梨県埋蔵文化財センター調査報告第135集1997(H9)刊行 山梨県埋蔵文化財センター調査報告第136集1997(H9)刊行 山梨県埋蔵文化財センター調査報告第169集1998(H10)刊行 山梨県埋蔵文化財センター調査報告第209集2003(H15)刊行 山梨県埋蔵文化財センター調査報告第216集2005(H17)刊行 調査機関山梨県教育委員会・山梨県埋蔵文化財センター 様々な表情の土偶(中央の最大品が長さ19cm) 豊かな表現の土器や土製品指定品は、縄文時代中期を中心とした土器12種類262点と土製品7種類201点、石器12種類186点と石製品34点の合計683点です。目を引くのが豊富な土器群です。朝顔形、樽形といった多様な深鉢形土器や、淺鉢形、有孔鍔付といった豊富な種類がみられます。文様は、楕円文や三角文、J字文などを連続させて文様の帯を作り、何段かに重ねて表現されています。さらにはサンショウウオ状の文様や立体的な装飾などがみられます。また、縄文ダイズを粘土の中に入れ込んだ土器が注目され、縄文中期における植物栽培の存在を示す貴重な資料も含まれます。さらに、土製品には縄文中期に発達する表情豊かな土偶のほか、土鈴や耳飾りなどがあります。 写真左:小形石器(上段から石鏃、石錐、石匙。右下端が長さ6cm) 写真右:大形石器(上段左端石台、石棒、下段石皿、右上端が長さ47cm) 生きる知恵が結集された生活用具の数々さまざまな技術をこらした石器は、石鏃・石匙・石錐などの小形石器、打製石斧・磨製石斧・クボミ石などの中形石器、石皿・石棒などの大形石器など多彩であり、自然から食糧を確保する生活の知恵の奥深さが示されています。縄文人の心の中をうかがわせる神秘に満ちた石製装飾品も豊富にあります。 これら土器・土製品、石器・石製品は、中部地方における縄文中期文化の奥深さを知る上で重要な資料であり、学術的価値は極めて高いと評価されました。 石製装飾品 (ペンダントや耳飾りなど。左上端が長さ4cm)
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