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ページID:68540更新日:2017年5月15日
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甲州市の遺跡
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安道寺遺跡は甲州市塩山中萩原にある小倉山の南側に張り出した台地上に位置する縄文時代中期(今から約4,500年前)の遺跡で住居跡19軒、土器集積遺構(土器片を集めた跡)1基、土器埋設遺構(土器を埋めた跡)2基がみつかっています。また、近年の調査でも、わずかな面積から大量の土器が出土しており、この一帯には濃厚な密度で遺跡が広がっていると考えられます。 遺跡名:安道寺遺跡(あんどうじいせき) 時代:縄文時代中期 所在地:山梨県甲州市塩山中萩原安道寺 報告書:『安道寺遺跡調査報告書』1978 調査機関:山梨県教育委員会 【関連トピックス】 ★NO.0224安道寺遺跡―動物モチーフ付き土器― ★NO.0260安道寺遺跡―土偶― ★NO.0404安道寺遺跡―不思議な形の土器― 水煙文土器上の写真は、安道寺遺跡から見つかった縄文時代中ごろの土器です。土器の縁から立ち上がる大きな把手や表面にかかれた渦巻や円形文などの模様が舞い上がる水煙をイメージさせることから「水煙文土器(すいえんもんどき)」とよばれています。水煙文土器は山梨県などの中部高地の縄文時代中期の遺跡から出土しています。縄文土器といえば燃え上がる炎を連想させる火炎土器が有名ですが、水煙文土器は火炎土器にも負けない迫力・美しさがあります。 【写真左】水煙文土器の出土状況 【写真右】水煙文土器の下からみつかった深鉢形土器と水煙文把手 この土器は、竪穴住居の中に掘られた穴に、小型の深鉢形土器を取り囲むように4つの水煙文把手をおき、その上を打ち割られた水煙文土器で覆うように埋設されていました。こうした特異な出土状況から、水煙文土器には高い呪術性が込められていたことがうかがわれます。山梨県有形文化財に指定されました!!【写真】水煙文土器とともに出土した深鉢形土器(写真左)と水煙文把手(写真右) 【写真左】有孔鍔付土器 【写真右】イノシシ把手付深鉢形土器 今回紹介しました水煙文土器は、平成27年7月30日に開催された、山梨県文化財保護審議会において、同じ穴から出土した深鉢形土器や水煙文把手、有孔鍔付土器(遺跡トピックスNo.0404にて紹介)、イノシシ把手付深鉢形土器(遺跡トピックスNo.0224)とともに、山梨県指定文化財に相当するとして答申され、平成27年9月14日に、山梨県の有形文化財(考古資料)に指定されました。
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