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山岳遭難の傾向として、中高年層による遭難者が多くを占めています。
特に、60歳以上による滑落や転倒、体調不良といった態様が目立ちます。また、低山では、照明具を持たず日没になったり、地図を持たずルートを見失ったりして、道に迷う態様が多くなっています。
登山の前には、事前に万全の準備をした上で登山計画書を提出してください。また、準備運動や体調管理を万全にするとともに、決して無理をしないよう安全登山を心掛けてください。
最新の山岳遭難状況は「山岳遭難ファイル」に掲載されています。
令和5年中の山岳遭難は、発生145件、遭難者数157人(死亡18人、負傷73人、無事救助64人、行方不明2人)となり、前年と比べ、発生10件、遭難者17人の減少となりました。(内訳は下記の表を参照してください。)
発生件数 | 遭難者数 | 死亡 | 負傷 | 無事救助 | 行方不明 | |
令和5年 | 145件 | 157人 | 18人 | 73人 | 64人 | 2人 |
令和4年 | 155件 | 174人 | 19人 | 69人 | 85人 | 1人 |
前年比 | -10件 | -17人 | -1人 | +4人 | -21人 | +1人 |
山系別では、南アルプス山系が46件と最も多く発生し、次いで大菩薩・道志山系が39件となりました。
態様別では滑落が41件と最多となり、次いで転倒が35件、道迷いが26件となりました。前年と比べ転倒が10件増加し、道迷いが12件減少しました。
年齢別では50代の遭難者が39人と最多となりました。40歳以上の中高年者は、121人と全体の約77%となり、遭難者の8割近くを占めています。
県外居住者が146人(約93%)、関東居住者は101人(64%)となっています。また、都道府県別でみると東京都が45人(29%)、埼玉が22人(14%)、神奈川が19人(12%)となります。
令和5年秋山期間(9月から11月)中における山岳遭難発生状況は、発生50件、遭難者数56人(死亡4人、負傷25人、無事救助27人)でした。(内訳は下記の表を参照してください。)
山系別では、南アルプス山系が16件16人と最も多く、次いで大菩薩・道志山系が12件14人でした。態様別では、道迷いが14件と最も多く、次いで転倒が13件でした。
年齢別では、60歳以上が26人で46%、40歳以上が47人で84%を占めています。
発生件数 | 遭難者数 | 死亡 | 負傷 | 無事救助 | 行方不明 | |
令和5年 | 50件 | 56人 | 4人 | 25人 | 27人 | 0人 |
令和4年 | 55件 | 65人 | 8人 | 21人 | 36人 | 0人 |
前年比 | -5件 | -9人 | -4人 | +4人 | -9人 | ±0人 |
令和5年夏山期間(7月、8月)中における山岳遭難発生状況は、発生42件、遭難者数45人(死亡4人、負傷22人、無事救助19人)でした。(内訳は下記の表を参照してください。)
山系別では、南アルプス山系が19件19人と最も多く、次いで大菩薩・道志山系が7件7人でした。態様別では、転倒が15件と最も多く、滑落、転倒等の負傷を伴いやすい態様での遭難が22件と半数以上を占めています。
年齢別では60歳以上が20人で44%、40歳以上が34人で76%を占めています。
発生件数 | 遭難者数 | 死亡 | 負傷 | 無事救助 | 行方不明 | |
令和5年 | 42件 | 45人 | 4人 | 22人 | 19人 | 0人 |
令和4年 | 43件 | 44人 | 5人 | 21人 | 17人 | 1人 |
前年比 | -1件 | +1人 | -1人 | +1人 | +2人 | -1人 |
令和5年春山期間(4月~6月)中における山岳遭難発生状況は、発生28件、遭難者数28人(死亡5人、負傷13人、無事救助9人、行方不明1人)でした。(内訳は下記の表を参照してください。)
山系別では、大菩薩・道志山系が11件11人と最も多く、態様別では、滑落が12件と最も多い状況でした。
発生件数 | 遭難者数 | 死亡 | 負傷 | 無事救助 | 行方不明 | |
令和5年 | 28件 | 28人 | 5人 | 13人 | 9人 | 1人 |
令和4年 | 31件 | 38人 | 1人 | 15人 | 22人 | 0人 |
前年比 | -3件 | -10人 | +4人 | -2人 | -13人 | +1人 |
令和4年度冬山期間(令和4年12月~令和5年3月)中における山岳遭難発生状況は、発生26件、遭難者数28人(死亡5人、負傷16人、無事救助7人)でした。(内訳は下記の表を参照してください。)
山系別では、大菩薩・道志山系が9件9人と最も多く、態様別では滑落が10件と最も多く、次いで転倒が7件でした。
発生件数 | 遭難者数 | 死亡 | 負傷 | 無事救助 | 行方不明 | |
令和4年度 | 26件 | 28人 | 5人 | 16人 | 7人 | 0人 |
令和3年度 | 26件 | 30人 | 7人 | 9人 | 14人 | 0人 |
前年比 | ±0件 | -2人 | -2人 | +7人 | -7人 | ±0人 |
発生日 |
場所 |
態様 |
性別 |
年齢 |
負傷状況 |
概要 |
10日 日曜 |
富士山 |
その他 |
男 |
20歳 |
なし |
単独で登山中、寒さにより行動不能となり救助要請。(県警ヘリ「はやて」が救助) |
15日 金曜 |
大菩薩・道志山系 (甲州市大和町地内) |
滑落 |
男 |
34歳 |
負傷 |
狩猟体験ツアーを終え下山中、バランスを崩し滑落し胸部を負傷したことから救助要請。(県防災ヘリ「あかふじ」が救助) |
16日 土曜 |
御坂山系 (竜ヶ岳) |
転倒 | 男 | 48歳 | 負傷 | 下山中、足を滑らせ転倒し、右足首等を負傷したことから救助要請。(県防災ヘリ「あかふじ」が救助) |
16日 土曜 |
南アルプス山系 (大古森沢) |
転倒 | 男 | 25歳 | 負傷 | 渓流釣りを終え下山中、足を滑らせ転倒し頭部を負傷したことから救助要請。(県防災ヘリ「あかふじ」が救助) |
20日 水曜 |
大菩薩・道志山系 (天神山) |
発病 | 男 | 77歳 | なし | 登頂後、胸の痛みを訴えたことから救助要請。(県防災ヘリ「あかふじ」が救助) |
23日 土曜 |
富士山 | その他 | 男 | 27歳 | なし | 登山中、寒さにより行動不能となり救助要請。(地上救助隊が救助) |
27日 水曜 |
大菩薩・道志山系 (倉岳山) |
滑落 | 男 | 64歳 | 負傷 | 下山中、足を滑らせ滑落し頭部等を負傷したことから救助要請。(県防災ヘリ「あかふじ」が救助) |
30日 土曜 |
御坂山系 (三方分山) |
滑落 | 女 | 56歳 | なし |
登山中、足を滑らせ滑落し、怪我はないものの急斜面を登り返せず救助要請。 (県警ヘリ「はやて」が救助) |
30日 土曜 |
大菩薩・道志山系 (岩殿山) |
転落 | 男 | 50歳 | 死亡 | 山頂から何らかの原因により転落。家族からの届出により、捜索したところ登山道上で発見。(地上救助隊が救助) |
31日 日曜 |
大菩薩・道志山系 (倉岳山) |
道迷い |
女 女 |
77歳 79歳 |
なし なし |
下山中、道に迷い崖に行き着き行動不能となり救助要請。(地上救助隊が救助) |
掲載されている発生状況は、山梨県で発生した全ての山岳遭難ではありません。
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