ページID:115171更新日:2024年5月16日
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10月1日より、山梨交通路線バスの大幅減便と路線廃止が決まってしまいました。今春には、富士急バスも同様に少なくとも甲府方面を行き来するものの大幅減便を行っています。長い時間をかけて、路線バスの利用者は減少を続けていましたが、昨年来のコロナ禍で、利用者減に歯止めがかからずバス事業者ではかかえられなくなった・・それは、毎日路線バスを使っているからこそ、誰よりもよく分かっていますが、病気の後遺症から杖で歩行し、夜間の車の運転ができないがためにバス通勤を選択してきた私にとっては、その事情に合わせてただ納得するわけにはいきません。
これまでも、県の公共交通機関についてのパブリックコメントに、使っている者の立場と視点から、その都度考えを伝えてきました。コロナ禍において、厳しい状況なのは医療分野だけではありません。時短や休業要請の出た飲食業やサービス業の他、日々の生活を支えてきた公共交通機関も同様です。
これまでは、公共交通機関(路線バス)の利用促進に、県でも努力していたのかもしれませんが、この状況下で、何も手だてなくバス路線が廃止・減便されてしまいます。
一度失われたものを元に戻すことは現状ではできません。長い時間をかけて考える広域バス路線よりも、今、動いている路線バスをまず維持する方向に動いていただけないと‥代替の交通手段がとれない私のような生活を送る人には、それ自体成り立たなくなります。バス事業者任せでは維持できないことが、今回の大幅減便と路線廃止を見ていただければわかると思います。県立博物館線を廃止にしてしまうなんて・・県立の施設への乗り入れだったのに、県では何もお考えにならなかったのでしょうか。私自身、職場からもよりのバス停が平成25年に廃止となってから、バスを降車後に職場まで約30分の道のりを杖歩行で往復する毎日を送っており、今回のバス改編により帰りのバスが減便・廃止対象となりました。バス通勤を維持することがかなり厳しい状況になっています。
バス事業者や乗客頼みにせず、しっかり支える仕組みを早急に作っていただきたい、路線維持のための補助金等も検討をしていただきたいです。次に減便や廃止に踏み切られれば、現在の職場に安定して通勤できなくなると思われ、勤務を続けることも考えなければならない、私にも生活がかかることになります。
この件、できれば回答を望みます。文書回答にとどまらず、是非具体的な公共交通機関の維持に繋げていただきたいと思います。
いただいた「公共交通機関(路線バス)の路線維持について」の件につきまして、交通政策課からお答えします。
まず、制度についてご説明いたします。
バス路線の廃止手続きについては、事業者が路線を廃止する予定日の6月前までに、運輸局(国)に届出することとなっております。国では、事業者からの届出を受理した後、関係市町村等に対して、路線の廃止が利用者の利便性を阻害しないことについての意見を聴き取りのうえ、市町村の同意を得て、路線廃止の手続きを行います。事業者が路線廃止予定日の6月以内に届出をする場合には、県が事務局となる地域協議会において、国、関係市町村との協議(合意)手続きが必要となっております。
このように、いずれも関係市町村の同意を得た上で、廃止を行うことになります。
ただし、路線廃止に関しては、路線がある市町村のみならず、広く県民の交通手段にも影響することになります。そのため、県としては、県内バスネットワークの維持を図る観点から、今回廃止予定の「敷島営業所~県立博物館線」をはじめとする減便等路線については、事業者に対し、善後策の検討をおこなう中で、関係市町村等と合意の下、実施するよう、要望してきたところであります。
一方、バス事業者は利用者の伸び悩み、燃料費の高騰、車両メンテナンス費用の上昇等の様々な要因により、赤字が続き、今後も改善の見込みを立てるのが難しい、また、長期化するコロナ禍で路線バスの利用が低迷する中、経営に深刻な影響を及ぼしている、としており、今回の減便・路線廃止は事業者にとっても厳しい選択だったと承知しています。
しかし、●●様のおっしゃるとおり、公共交通機関は県民生活になくてはならない存在です。そこで、今ある路線をこれからも維持していけるよう、県では、次の三つの補助制度を設けております。
一つ目は、バス事業者による広域的・幹線的なバス路線の運行で生じた赤字額に対し、国とともに補助する「赤字バス路線対策費補助金」、
二つ目は、広域的・幹線的なバス路線に準じる路線に対し、2年間に限り補助する「生活バス路線維持費補助金」、
三つ目は、バス事業者の運行が廃止された路線に対し市町村が当該路線を引き続き運行する場合(コミュニティバス、デマンド交通等)に、費用の一部を助成する「市町村自主運営バス補助金」であります。
加えて、県では事業者と協力しながら、公共交通に関する県民の関心を高め、少しでも多くの方にバスをご活用いただけるよう、利用促進に向けた取り組みも行っております。具体的には、割引運賃により路線バスに誘導することで、通勤・通学手段としてバスを意識し、目を向ける契機とする「エコ通勤・エコ通学トライアルウイーク」の実施や、バス利用の普及啓発として、公共交通のPRイベント「やまなし公共交通フェスティバル」等を実施しております。
また、昨年度は、県からの助成金を上乗せした利用チケットを発行する「地域公共交通利用促進キャンペーン」を展開してきたところであります。
更に、今後は、利用者の減少によりバス事業の赤字が拡大している事業者への支援ができるよう、補助制度の要件緩和にも取り組んで参りたいと考えております。
今後もバス路線の維持を図るため、地域公共交通の課題把握に努め、その解決に向けて取り組むとともに、高齢者等交通弱者の移動手段の確保について、市町村と連携を図りながら、地域の実情に応じた交通サービスの導入に向けた、調査・研究を進めて参りたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。