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ページID:44786更新日:2023年3月30日
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近年、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢が起こるが、軽症で終わる事例が報告されています。このうち、国が行った調査の結果、ヒラメを生食した事例について、寄生虫であるKudoaseptempunctata(クドア・セプテンプンクタータ)が関与していることが強く示唆されました。
クドア・セプテンプンクタータは魚の筋肉に寄生する寄生虫で、ゴカイ等の環形動物と魚類の間を行ったりきたりして寄生していると言われています。ヒトには寄生しませんが、クドアの一種はヒラメに寄生することが知られています。
食後数時間程度(4~8時間程度)で下痢、嘔吐、胃部の不快感などがみとめられます。症状は軽度であり、速やかに回復します。発症した本人以外に家族などから二次感染は報告されておらず、研究成果からも感染の可能性はありません。
なお、これまでの事例から、クドア・セプテンプンクタータが寄生した食品を生で食べても、必ず発症するものではないことがわかっています。多数摂取した場合にのみ発症するのではないかと考えられています。
これまでの調査結果から、詳細はわかっていませんが、養殖されたヒラメへの感染が確認されており、天然では感染する可能性は低いと考えられます。また、養殖であっても、寄生しているヒラメの率は低いとされています。
現時点では、一定の条件で凍結(-15℃から-20℃で4時間以上保管)または加熱(中心温度75℃で5分以上)することにより病原性を示さなくなることが確認されています。
また、冷蔵条件での死滅効果や、養殖場における対応なども研究が進められています。
クドアによる食中毒について(厚生労働省ホームページ)
生食用生鮮食品による原因不明有症事例について(厚生労働省ホームページ)
ヒラメを介したクドアの一種による食中毒Q&A(農林水産省ホームページ)