ページID:25515更新日:2024年6月7日
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使用者(会社、経営者)が雇用する労働者の代表から団体交渉の申し入れがなされた場合、使用者(会社、経営者)はこれを受けないと、労働組合法第7条第2号の不当労働行為になります(団体交渉拒否)。
団体交渉の申し入れ時点で、労働組合が結成されていなくても、労働者の代表者からの申し入れであれば、申し入れを受ける義務があります。
日本国憲法では、労働者が団結する権利(団結権)及び労働者が使用者と交渉する権利(団体交渉権)、労働者が団体で行動する権利(団体行動権)を保障しています。
労働者は、一人では経済的弱者であるため会社と対等に労働条件等について交渉することが困難です。そこで、憲法では、労働者同士の団結する権利を認め、団体で使用者と交渉する権利を認めています。
この場合の労働者は、会社内の労働者だけに限られていません。日本の労働組合は、企業内組合がこれまで一般的でしたが、会社の枠を超えて地域別、業種別で組織される合同労働組合があり、会社内に労働組合がない労働者や、会社内労働組合の加入対象者となっていない非正規労働者などが加入しています。
こういった合同労組からの団体交渉申し入れについても、団体交渉の内容が使用者(会社、経営者)の雇用する労働者(従業員)に関する内容であるのならば、使用者(会社、経営者)はこれを受けなければなりません。
労働組合からの団体交渉の申し入れに対し、組合員名簿の提出を労働組合に求めることは構いませんが、組合員名簿の提出がないことを理由に団体交渉は拒否できません。
何らかの形で、使用者(会社、経営者)の雇用する労働者(従業員)がその労働組合に加入していることさえ確認できれば、団体交渉に応じる義務があります。
使用者(会社、経営者)が団体交渉に応じても、交渉内容に関する権限のある者(あるいは委任を受けた者)が出席しなかったり、交渉内容に係る事実(例えば、賃下げなど)の具体的な理由を説明しないような場合には、不誠実な対応として不当労働行為となる可能性があります。
ただし、組合側の要求に譲歩しなければ不誠実な対応になるというわけではありません。使用者(会社、経営者)の行為に正当な理由がある場合には、誠実にその理由を説明しなければならないということです。
使用者(会社、経営者)と個々の労働者(従業員)との間で、賃金、退職金、解雇、配置転換などの労働条件に関するトラブルが発生して、当事者だけでは解決できない場合には、労働委員会が間に入って、トラブル解決のお手伝いをします。
あっせんは、中立の立場のあっせん員、労働者の立場のあっせん員、使用者の立場のあっせん員の計3名のあっせん員が行います。
訴訟外の紛争解決方法として労働委員会のあっせん制度を御利用ください。
詳細については、個別的労使紛争のあっせん制度に関するページを参照してください。
使用者(会社、経営者)と労働組合との間で、労働条件や労使関係に関する話し合いが進まず、自主的な解決がどうしても困難な場合には、労働委員会が間に入って、トラブル解決のお手伝いをします。
あっせんは、個別的労使紛争のあっせん制度と同様に、中立の立場のあっせん員、労働者の立場のあっせん員、使用者の立場のあっせん員の計3名のあっせん員が行います。
訴訟外の紛争解決方法として労働委員会のあっせん制度を御利用ください。
詳細については、労働争議の調整制度に関するページを参照してください。
使用者(会社、経営者)には労働関連法を遵守した適切な労務管理が求められます。
労働関連法に関するQ&A(厚生労働省のホームページ)も参考にしてください。