ページID:57021更新日:2015年1月15日
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水資源が豊富な山梨県では、養殖漁業が盛んであり、ニジマスなどマス類の生産量は全国屈指の状況であるとともに、山梨県産のニシキゴイは、全国の品評会において日本一に輝いた実績があります。
しかし、現在なお多発する魚病被害、消費の低迷、肥料及び原油の高騰等による生産コストの増大に対応するため、養殖効率の向上、魚病被害の予防軽減、新品種の作出や養殖魚の品質向上による需要の喚起が求められています。また、近年、安全、安心な食品の生産が消費者から強く求められ、養殖魚も例外ではありません。
河川湖沼においては、富士川や桂川などでのアユやヤマメ等の渓流魚、富士五湖を中心とした湖のワカサギ、フナ、ヒメマス等を主体とした内水面漁業が盛んであります。こうした状況の中で、冷水病によるアユ不漁の防止、カワウによる魚類の食害軽減、生物多様性に配慮した増殖技術開発、外来魚の密放流による生態系への影響防止、治水治山工事に伴う水産生物の生息環境悪化の改善など、河川湖沼の水産動植物の保全と適正な利用管理が求められています。
こうした水産増養殖事業における課題に対応するため、山梨県水産技術センターでは、増養殖に係る試験研究、種苗生産、普及活動を行なっています。
(山梨県水産技術センターの沿革)
山梨県水産技術センターでは、河川や湖沼に生息する魚類の資源管理や漁場環境の保全を図るため、水質、河川形態、産卵生態、生息分布、水産動植物の分布等を調査研究しているほか、健全な魚類を安定して供給するため飼育環境、飼料、採卵などの飼育技術の研究や魚の健康診断、病気の予防や治療方法等を研究しています。
なお、試験・研究課題については、平成13年3月に策定された「山梨県立試験研究機関における評価指針」に基づき外部評価を実施しています。この外部評価は、限られた予算・人材のもと、試験研究活動の活性化、効率化を図ることを目的に、年2回、外部評価委員による試験・研究課題に対する評価を行なっています。
放流時に問題となる病原菌(アユの冷水病やコイヘルペスウィルス病)を保有していないアユやコイの魚苗を民間の養殖業者から入手することは困難であるため、県で生産した健全な種苗を県内の漁業協同組合に供給し、これらが河川等に放流されています。
また、民間での養殖が困難な種苗の卵や稚魚を養殖業者等に供給している。主なものはニジマスの異節卵(特殊な技術で出荷時期を調整した卵)、バイテク卵、(特殊な技術により周年肉質が安定した魚の卵)等のマス類です。
種苗生産に係る事業は、平成24年度に行政評価のアドバイザー評価(外部評価)を受けています(参考ページ「平成24年度行政評価」)。なお、種苗生産に係る事業の山梨県予算における事業名称は「魚苗生産事業」になります。
山梨県水産技術センターでは、試験研究成果や増養殖技術の最新情報等の漁業協同組合、養殖業者、河川工事業者等への提供や普及指導を行なっています。
(最近の普及指導の例)