室内の衛生(衛生薬務課)
室内空気環境の管理
最近の建物(住宅)は、居住性と省エネルギーを重視した、気密性、断熱性の高い構造となっています。
そのため、室内の汚れた空気を換気するなど室内の空気環境を管理するため、次のことに注意して下さい。
室内の空気をきれいに保つための換気
室内空気中の汚染物質(炭酸ガス、一酸化炭素、浮遊粉じん)濃度が高くならないように換気をする必要があります。
換気の方法としては、窓などを開けて行う自然換気と、換気扇等を用いた機械換気がありますが、窓などを開けて行う場合は、対角線上に2か所以上開けて行うのが効果的です。
- 湯沸器、ガスコンロなどの使用時は、常に換気扇を回す。
- 暖房時には、1時間に1回(5分程度)は窓を開ける。特に、開放型の暖房機を使用するときは注意が必要です。
また、冷房時も同様に換気を行う必要があります。
- タバコの煙には有害物質が含まれていますので、喫煙時には煙が室内にこもらないようにする。
- 室内の掃除は、窓を大きく開けて行うようにする。
冷暖房時の室温の目安
部屋の暖めすぎ、冷えすぎにならないように温度計を利用するとともに、カーテンや熱交換型換気扇などを活用して、効率的な冷暖房を行って下さい。
- 暖房は、17~22℃に。
- 暖められた空気は上昇し天井付近にたまり、足下が寒いといった温度差が生じますが、上下温度差は3℃以内に収めるのがよいとされています。
エアコン等の吹き出し口の角度を調整したり、扇風機を利用して空気を攪拌するなどして、室内の温度ムラを小さくするよう心掛けて下さい。
- 部屋と部屋の温度差があまり大きくなると、脳卒中などの引き金になることもあり、室間温度差は5℃以内に収めるのがよいとされています。
- 冷房は、25~28℃に。
- 外気との温度差は7℃以内に収めるのがよいとされています。
湿度の管理
湿度計を使い、湿度は30~60%の間を目安にして、必要な場合は加湿や除湿を行って下さい。
- 加湿器を使用する際、タンク内に繁殖した細菌やカビ等が水滴とともに室内に飛散することがありますので、水は毎日取換え、タンク内は定期的に清掃して下さい。
室内の結露・カビ対策
部屋を閉め切りがちな冬などは、空気中の水分が壁や窓ガラスに水滴となって付着し、アレルギー性疾患の原因の一つであるカビを発生させやすくします。
安全で快適な生活環境を確保するためには、カビなどの発生を防ぐとともに、その原因である結露を防止する必要があります。
結露の防止
結露は、湿度が60%を越えると発生しやすくなります。室内に過剰な湿気を出さないようにするとともに、住宅内の空気の流れをよくして下さい。
- 調理中や炊飯時は、必ず換気扇を回す。
- 浴室の戸は開け放しにしないようにする。入浴後は湿気がこもらないように換気を行う。
- 開放型暖房機の上にやかん等を置き、過度な加湿を行わない。
- 洗濯物は、なるべく室内に干さないようにする。
- 室内には、過度の植物や水槽などを置かないようにする。
- 部屋の隅は空気がよどみ、低温・高湿度になって結露しやすい環境となりやすいので、家具などを置くときは、床や壁との間に空間を設ける。
- 北側の押入れには、床や側壁にスノコを置いて空気の流れをよくする。
- 極端に冷える部屋は結露しやすいので、断熱材による補強や二重窓にするなどの措置を講じる。
室内のカビ対策
カビが好む環境は、温度20~35℃、湿度60%以上の栄養源となる汚れ等があるところです。こうした環境はダニの好む環境とも一致していますので、普段から室内にカビが発生しにくい環境をつくていくことが大切です。
- 浴室はカビの一番発生しやすい場所なので、使用後はよく洗い流す。
- 居間、居室などの壁や天井も、ときどき清掃する。
- エアコン等のエアフィルターを定期的に清掃する。
- 窓などに結露した水はこまめに拭き取るようにし、サッシ下部の排水溝は流れをよくして結露した水を屋外に出すようにする。
注意
カビを除去するために薬剤を用いる際は、薬剤の使用方法に従うなど、取扱には十分注意して下さい。また、直接掃除機をかけると、カビの胞子をまき散らすことになりますので注意して下さい。
問い合わせ先
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