ページID:102215更新日:2024年3月29日
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1.循環器病とは
2.山梨県での対策について
(1)山梨県の現状
(2)循環器病のサイン
(3)山梨県循環器病対策推進計画
3.関連リンク集
がんについで県民の死因の大きな割合を占めているのが、循環器疾患です。主に脳や心臓、血管などに生じる病気のことで、我が国の主要な死亡原因にもなっています。
《主な循環器病》
脳の病気:虚血性脳卒中(脳梗塞)、出血性脳卒中(脳出血、くも膜下出血など)、一過性脳虚血性発作
心臓の病気:虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)、心不全、不整脈、弁膜症(大動脈弁狭窄症、僧帽弁逆流症)
その他の病気:大動脈疾患(大動脈解離、大動脈瘤など)末梢血管疾患、肺血栓塞栓症
○脳血管疾患(脳卒中)
一般に「脳卒中」と呼ばれる「脳血管疾患」は、脳の血管が急に破れたり、詰まったりして脳の血管の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気です。
脳卒中は、血管が破れる脳出血と血管が詰まる脳梗塞とに大別されます。脳出血は、脳の組織自体に出血が起こる実質内出血と、脳動脈瘤が破裂することが主な原因となって、脳の表面であるクモ膜下腔に出血が起こるクモ膜下出血に分けられます。脳梗塞は血管が詰まる原因から、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他の脳梗塞という臨床病型に分類されます。
○虚血性心疾患
虚血性心疾患とは、冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなること(心筋虚血)で起こる疾患です。
動脈硬化とは、老化によって血管が硬くなったり、血管の壁に脂肪などの固まり(プラーク)が蓄積して血管の壁の一部が盛り上がり、血管の内腔が狭くなっている状態です。
冠動脈が動脈硬化などで狭くなると、血流が悪くなって心筋に必要な血液が不足し、胸が痛くなります。これが狭心症です。
さらに動脈硬化が進み、何かの原因で血管内のプラークが破れて冠動脈の血管内に血栓ができ、完全に詰まって心筋に血液が行かなくなった状態が心筋梗塞です。
心筋に血液が行かないと、その部分が壊死してしまい、壊死の部分が大きくなると心臓の収縮・拡張ができなくなるため、命にかかわる危険な状態となり、緊急の治療が必要です。最近は、狭心症の中でも心筋梗塞に移行しやすい不安定狭心症と、心筋梗塞を合わせ、急性冠症候群と呼んで原因や病態、治療について研究されています。
なお、心筋虚血により心筋の収縮力が弱まると心不全状態になります(虚血性心不全)。また心筋虚血により心室細動など致命的な不整脈を引き起こすことがあります。
これらの病態を総称して虚血性心疾患あるいは冠動脈性心疾患と呼ばれています。(日本心臓財団より)
令和3年の人口動態統計によると、心疾患は本県の死亡原因の第2位、脳血管疾患は本県の死亡原因の第4位であり、両者を合わせた循環器病は、悪性新生物(がん)に次ぐ死亡原因となっています。
本県における脳血管疾患の年齢調整死亡率は、年々減少傾向にありますが、令和2年において男性が104.3(全国93.8)、女性が56.4(全国56.4)となっており、男性は全国平均より高くなっています。
本県における心疾患の年齢調整死亡率は、令和2年において男性が170.9(全国190.1)、女性が99.0(全国109.2)となっており、男女ともに全国平均を下回っていますが、急性心筋梗塞の年齢調整死亡率は、令和2年において男性が33.4(全国32.5)、女性が13.6(全国14.0)となっており、男女ともに前回(平成27年)より低下していますが、男性は全国平均より高くなっています。
循環病の多くは、運動不足、不適切な食生活、喫煙等の生活習慣や肥満等が関連して発症しますが、先天性疾患、遺伝性疾患、感染性疾患、加齢など生活習慣にかかわらず発症する場合もあります。
特に「肥満」「高血圧」「脂質代謝異常」「飲酒」「喫煙」などは脳卒中や心血管疾患の危険因子に関連しています。
循環器病は生活習慣に配慮していても加齢等を原因として誰もが罹患する可能性があります。そのため、定期的に健康状態に変化がないか確認する必要があります。
循環器病(心疾患、脳血管疾患)は急激に発症し、数分から数時間の単位で生命に関わる重大な事態に陥ることも多いのが特徴です。循環器病の治療に関しては、近年技術的な進歩が著しく、発症後早急に適切な処置を行うことで、予後の改善につながる可能性が高まることから、急性期には早急に適切な治療を開始する必要があります。
あなたの「気づき」が、あなた自身や家族、周囲の方々の大切ないのちを守ります。そのためにも、心臓病、脳血管疾患の前兆や初期にはどのような症状が現れるのか、また、症状が現れた時にどのような対応をすればよいか、あらかじめ知っておくことがとても大切です。
心疾患【狭心症・心筋梗塞】
◆突然の激しい胸痛が5分以上継続(冷や汗、嘔吐を伴う場合もあり)
➡速やかに救急要請し治療を受ける必要がある。
※早期の治療により救命及び予後の向上につながる可能性が高まる。夜中であっても朝まで我慢する必要はない。
●胸痛、胸を締め付けられるような圧迫感
⚫肩、腕、顎、歯などの痛み(関連痛)
⚫動悸
➡安静にして5~15分以内に症状が治まったとしても、医療機関の受診が必要。
※心筋梗塞の場合、その半数程度が発作を起こす前に上の症状(⚫の部分)を感じており、症状が治まっても医療機関を受診
することで発作の予防が可能。
脳血管疾患【脳卒中】
◆顔半分の麻痺(特に口角が下がったり左右非対称になる)・しびれ
◆片方の手足に麻痺(片方だけあがらない・力が入らない)・しびれ
◆ろれつがまわらない、言葉が出ない・理解できない
◆力があるのに立てない、歩けない、フラフラする
◆片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠ける
◆経験したことのない激しい頭痛がする
➡速やかに救急要請し治療を受ける必要がある。重症の時は意識がなくなることもある。
※発症してから限られた時間内にしかできない治療があり、早期の治療により救命及び予後の向上につながる可能性が高まる。
※夜中であっても朝まで我慢する必要はない。
脳卒中や心疾患などの循環器病は、県民の疾病による死亡の原因の主要なものとなっているなど、県民の生命及び健康にとって重大な問題となっています。
こうした現状に鑑み、県では、健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(平成30年法律第105号)及び同法第9条に規定する国の循環器病対策推進基本計画に基づき、本県の循環器病対策を総合的かつ計画的に推進するため、「山梨県循環器病対策推進計画」(令和4年度~令和5年度)を策定し、循環病対策の推進に取り組んできました。
この度、政府において、同法第9条第7項に基づき、「循環器病対策推進基本計画」(以下「基本計画」という。)の変更について、令和5年3月28日に閣議決定されたことを踏まえ、県では、同法第11条第4項に基づき、第1期の計画を見直し、「第2期山梨県循環器病対策推進計画」(令和6年度~令和11年度)を策定しました。
令和5年 9月 第1回山梨県循環器病対策推進計画策定協議会
令和5年11月 第2回山梨県循環器病対策推進計画策定協議会
令和6年 2月 第3回山梨県循環器病対策推進計画策定協議会
令和6年 2月 パブリックコメントの実施
第2期山梨県循環器病対策推進計画の概要(PDF:199KB)
循環器病や予防について、もっと詳しく知りたい方は関連リンクを御活用ください。
⚫国立循環器病研究センター(外部ページに移動します)
⚫一般財団法人日本循環器協会(外部ページに移動します)
⚫公益社団法人日本脳卒中協会(外部ページに移動します)
⚫公益社団法人日本心臓財団(外部ページに移動します)
⚫心臓弁膜症サイト(外部ページに移動します)
1.食事に気をつけましょう。~塩分を取り過ぎないようにしましょう~
県の基準を満たしたバランスのとれたメニューです。
⚫食育の推進(農林水産省) (外部ページに移動します)
2.節酒・禁煙に努めましょう。
3.十分な睡眠をとり、ストレスをためないことも大切です。
4.高血圧やその他の基礎疾患はきちんと治療・管理しましょう。