美酒美県やまなし > やまなしの美酒探訪09「養老酒造」
更新日:2024年2月22日
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やまなしの美酒を深く知っていただくための企画「やまなしの美酒探訪」。
今回は、2月12日(月・祝)に開催された山梨市にある酒蔵「養老酒造」の蔵開きに参加しました。
養老酒造は、1849年(嘉永2年)創業の歴史ある酒蔵で、現在では山梨市唯一の酒蔵です。
当日は天気も良く、地元のお店が出店する蔵元市も同時開催され、多くのお客様で賑わっていました。
酒蔵の入口に飾られている大きな茶色の玉は杉の葉(穂先)でできた「杉玉」。
杉玉は毎年この時期に新しいものに付け替えられます。
作られたばかりの頃は杉の葉本来の緑色をしており、酒蔵の軒先に緑の杉玉が吊り下がると、「新酒ができた」という目印。
杉の葉が枯れていくにつれて、杉玉の色は緑から茶色へと変化していき、その変化は、時間の経過による熟成具合と重なり、茶色くなるほどお酒も熟成が進んだことを表しているそうです。
なんと養老酒造では、この杉玉作りに参加することができます。
杉には抗菌作用があり、酒蔵に細菌が混入しないように願掛けの意味もあるそうです。
蔵の中にも30年物の大きな杉玉がありました。
酒造りを見守ってくれているようです。
次はいよいよ酒蔵の中へ。
蔵をご案内してくださったのは、6代目蔵元兼杜氏の窪田裕光さん。
まずは、日本酒の基本工程をわかりやすく説明していただきました。
【酒造りの基本工程】
① 蒸米に麹菌を振って麹をつくる
② 麹に蒸米と水と酵母を加えて、酛(もと)=酒母をつくる
③ 酛に蒸米と水と麹を加え、発酵させて醪(もろみ)をつくる
④ 醪を搾ったものが日本酒となる
今回は、工程④で使用する搾り機を見せていただきました。
養老酒造では、現在でも槽(ふね)と呼ばれる大きな木枠の中に醪を入れた酒袋を積んでいく昔ながらの手法でゆっくりと搾っています。
機械搾りに比べて時間はかかるけれど、雑味のないまろやかな味わいに仕上がるそうです。
こちらが槽(ふね)です。
醪を搾った後に出た酒粕。
搾りたての酒粕は洋梨のような甘美な香りがしました。蔵開き当日は販売も行っていて、大人気商品なのだとか。
また、養老酒造では生原酒にこだわっているそう。
生原酒は、水を加えないため、搾られたそのままの味を味わうことができます。
商品の中でも一番人気は「櫂(かい) 本醸造生原酒」。
真冬の仕込みを思わせるような力強さが感じられる辛口の味わいです。
見学の後は、酒蔵の1階を改装した隠れ家バー「Cafe&Bar KARDIA(カルディア)」で乾杯。
バーの発案者で代表の渡部拓夢さんにご案内いただきました。
バーでは、「櫂(かい) 本醸造生原酒」」をソーダで割ってスダチを搾った「櫂ソーダ」をいただきました。
力強い「櫂」の風味を感じつつもスダチのさわやかな香りが加わり、思わずおかわりしたくなる1杯でした。
乾杯の後は、蔵の2階にある「酒蔵ごはん&カフェ酒蔵 櫂」にて新酒と合わせたお食事タイム。
出来たての新酒と香り高い酒粕を使用した粕汁で心も体もぽかぽかに。
とても楽しいひとときを過ごすことができました。
美味しいお酒が育まれる豊かな自然の中で出来たての新酒をいただくことができるのは産地ならではの贅沢だと感じました。
来年もぜひ訪れたいと思います。
養老酒造株式会社
住所:山梨県山梨市北567
電話番号:0553-22-4047
URL:sakagura-kai.jp
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