ページID:28272更新日:2015年2月12日
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平成21年11月26日から27日に宮城県刈田郡蔵王町及び柴田町において、「コンテナ苗木生産と低コスト造林植栽試験地の成果発表会」が開催され、当所の研究員と普及指導員が参加しました。コンテナ苗木とは、マルチ・キャビティ・コンテナを用いて生産される培地付きの苗木のことで、季節を問わず植え付けができ、初期成長がよく、ハウスによる大量生産が可能であり、造林コストの削減に寄与するといわれています。
宮城県農林種苗農業協同組合が取り組んだコンテナ苗生産技術モデル事業は、平成21年度広域連携・先駆的育苗技術導入事業として、全国山林種苗協同組合連合会から委託された事業で、東北などの寒冷地域でのコンテナ苗生産技術を確立するために実施されています。現在、培地用土、植え付け密度、追肥方法、挿し木苗・実生苗などの生育試験を行いコンテナ苗木の成長を調べるとともに、ハウスでの高温障害や根腐れなど栽培時に生じる問題点の解決を検討しています。
宮城県大河原地方振興事務所などでは、低コスト造林植栽試験地を設け、コンテナ苗、2年生大苗、3年生苗などを植栽し、苗の種類ごとに、樹高・根元径の成長や植栽・下刈りなどの作業量について調査を行っています。現状では、苗の種類ごとに成長量の大きな差はまだみられないので、今後も継続的に調査を続けていくとのことです。植栽作業時間に関しては、独自の植栽器具を用いるコンテナ苗木の植栽が最も短いものでした。
現地検討会では、林木育種センターの職員から、コンテナ苗木は直根が未発達なので通常より深く植える必要があるなどの意見が出されました。
普及指導部では、今後の調査結果を見守りながら、情報提供と技術指導を行っていきます。