トップ > くらし > 男女共同参画・共生社会 > 男女共同参画 > 女性のチャレンジインタビュー
ページID:103270更新日:2023年3月14日
ここから本文です。
山梨県ではこれから様々な活動にチャレンジしようとする女性に「やまなし女性の応援サイト」を通して必要とする講座や支援機関の情報提供を行うとともに、チャレンジに対する意欲や具体的なイメージを持てるよう、現在活躍されている女性のロールモデルを紹介し、女性のチャレンジを支援しています。
Vol.1~62は「やまなし女性の応援サイト」に掲載しています。ぜひご覧ください!
今回のゲスト
竜王小学校 大村 琴美さん
~大村さんのこれまで~
今年度(令和4年度)、女性として初めて全国高校サッカー選手権山梨県大会の審判を務めた大村琴美さん。現在は、県内の小学校で教員として働きつつ、サッカー審判として活躍しています。
サッカーとの出会いは、小学校1年生のとき。「女の子1人じゃ寂しいから」と友人に誘われて、当時は男子しかいなかった地元・静岡県のサッカースポーツ少年団に入団しました。そこからはサッカーにのめり込む日々で、中学校は女子サッカー部が新設されるという学校に入学し、無事に入部を果たします。しかし、入部1年目は部員が5人しかおらず、結局男子サッカー部と合同で練習をしていたそうです。
男子と一緒に練習し、レギュラーになれるだけの技術力をつけても、女子の人数が少なかったために公式試合には出られないという辛さを味わった大村さん。
また、「女子は着替えがあるから面倒だ」と言われるなど、審判として活動している今を含め、「女性は気を遣う存在」として扱われていることにも違和感を覚えたと言います。
「女性だから、と大切にされるのはありがたいけれど、男女の区別なく接してもらえれば嬉しいです。逆に言えば男子にもしっかり更衣室を用意するなど配慮すべきだなと思うし、誰かに特別に配慮するとかではなく、皆が同じフィールドでやれるようになってくれればいいなと思います。」
そんな中学校1年生の逆境とも言える経験を大村さんは次のように語ります。
「男子が多い中で女子が何かをすることは、逆の場合でも居づらい、やりづらい部分はどうしてもあります。同性の中に入っていくときでもそういうことは当然あると思います。ただ、マイナスの側面以上に得るものの方が多いのかなと思っています。
中学1年生の時に男子の中に入っていったからこそ自分だけが経験できたものがあったので、自分だけができる、学べるという環境があるのであれば、踏み込んでいくと自分で自分の可能性を広げられるかなと。そして、その選択ができる状況であれば、難しい道を選ぶということは大切なことなのかなと思います。」
中学校での経験ののち、大村さんは高校で女子サッカー部に入り、サッカーに打ち込みます。そして、高校3年生の夏の準優勝を経て、冬にはついに全国優勝を果たしました。
「そこでやめる選択肢もなくはなかったのですが、続けたことで『審判』という世界に新しく足を踏み入れていくことができたのかなと思います。」
高校時代のケガの影響などでプロの道は断念しましたが、 進学先の山梨大学で教員を目指し勉強をする傍ら、女子サッカー部でサッカーを続けます。そこでは、審判が足りず試合ができるかどうかという瀬戸際に立たされたことも。この経験により、審判という存在の大切さに気付くことができたと言います。
そして大学卒業が迫る中、サッカーをやめる決心がつかずにいたとき、大学時代の苦い経験と、かつての友人の父が審判に力を入れており、「審判」が選択肢の一つとして頭の中にあったことから、審判として活動することを決めます。
「サッカーが基本的には好きなので、関わっていたいなというのがあって。サッカーの指導をすることも考えましたが、自分にはプレイヤーや審判の方が向いていると思いました。」
そして現在、大村さんはサッカーの2級審判員(※)の資格を取得し、様々な試合で審判として活躍しています。
(※)地域サッカー協会が主催する試合を担当することができる資格。(JFA(公益財団法人日本サッカー協会)サイトより)
「誰よりも1番良い場所で試合を観られることが審判をしていて楽しいことですね。県内のリーグや選手権の舞台などに改めて入っていくことができるのは審判の特権で、プレイヤーとしてサッカーをしていた当時の気持ちを思い出せます。」
審判の楽しさをこのように語る大村さんの今後の目標は、「女子1級審判(※)に合格すること」です。ただ、今は就職して1年目ということもあり、教員という仕事を大切にしているそうです。
教員としての目標は、「誰もに安心してもらえる存在になること」。大好きなサッカーは教え子たちとの距離を縮めることに大いに貢献しています。
「子ども達とサッカーをしていて、たまに『絶対ボール取られないから!』とむきになることも(笑)。まだ教員になって1年目なので手探りですが、教員とサッカーの両立も頑張っていきたいです。」
(※)JFAが主催・管轄する女子サッカー競技、もしくは2種・3種・4種の試合を担当することができる資格。(JFAサイトより)
「これからジェンダーに関わらずどんどん生きやすい世の中になっていく中で、自分が先陣切って経験していくのもいいのではないかなと思います。
やってみないと始まらない。まずは一歩踏み出す。やってみることが大切かなと思います。」