ページID:112948更新日:2024年9月24日
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国民生活や経済を支える重要な社会インフラである物流産業においては、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を示した働き方改革関連法が2024年4月から適用されます。これにより、ドライバーの長時間労働の改善が図られる一方、輸送力の低下による物流の停滞が懸念されています(物流の2024年問題)。持続可能な物流を実現するため、標準的な運賃の届出促進やDXによる生産性の向上、置き配の促進など、物流事業者、荷主企業、消費者それぞれに対する取組が進められています。
県民生活の安定向上及び地域経済の健全な発展に寄与するため、本県では「山梨県物流基盤の強化に関する条例」を制定しています。この条例では、物流機能を持続的に発展させていくため、行政や事業者、消費者である県民が主体的に参画し、社会全体として物流基盤を強化していくことを定めています。
〈条例の内容〉
・物流基盤の強化に関する基本理念
・県、市町村及び物流関連事業者等の責務
・県民の理解と協力について
・物流基盤の強化に関する基本的施策
・物流基盤の強化に関する体制等
フェーズフリーな地域物流インフラの構築に関する協定式(令和6年8月28日)
荷主企業、物流事業者(運送・倉庫等)、一般消費者が協力して物流を支える環境整備を整えるため、国では「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめました。このパッケージでは、今後取り組む施策を「⑴商慣行の見直し」「⑵物流の効率化」「⑶荷主・消費者の行動変容」の3つに分類しています。
上記の政策パッケージに基づく施策の一環として、経済産業省、農林水産省、国土交通省は、発荷主企業・着荷主企業・物流事業者が早急に取り組むべき事項をまとめたガイドラインを策定しました。
(概要版)物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン(PDF:563KB)
(本文)物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン(PDF:374KB)
上記の政策パッケージを受け、より早期に取り組むべき対策を具体化するため、「物流革新緊急パッケージ」が取りまとめられました。
トラック運送事業者と荷主企業・元請事業者間の適正な取引を推進するため、トラックGメンによる監視体制の整備が進められています。
(外部リンク)国土交通省「トラックGメンの創設について」
一般にトラック事業者の荷主に対する交渉力が弱いことや、令和6年度から年間 960 時間の時間外労働の限度時間が設定されること等を踏まえ、運転者の労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持していくために、法令を遵守して持続的に事業を行っていく際の参考となる運賃が示されました。
「標準的な運賃の告示」(R2.4.24)(PDF:326KB)
(外部リンク)国土交通省「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」(R5.8.30)
物流DXの普及に向けては、令和3年度より、物流事業者におけるデジタル化の取組みやデジタルツールの導入事例、業界でのニーズや導入にあたっての課題等調査が行われています。
「中小物流事業者のための物流業務のデジタル化の手引き(PDF:7,456KB)
「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」(PDF:5,941KB)
トラック輸送の生産性向上や女性や60代の運転者等も働きやすい労働環境を実現するため、トラック運送事業者と、荷主企業や納品先企業等の物流の利用者との連携を推進する「ホワイト物流」推進運動が実施されています。
(外部リンク)「ホワイト物流」推進運動ポータルサイト
現在広がりつつある、いわゆる「置き配」について、消費者・宅配事業者・EC事業者が安心して「置き配」を実施できるよう、「置き配検討会」での検討や法曹関係者へのヒアリング等を踏まえた「置き配の現状と実施に向けたポイント」が公開されています。
(外部リンク)国土交通省「置き配検討会」
消費者庁では、持続可能な物流維持の実現のため、消費者の意識改革や行動変容を促すとともに、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されていくよう、意見交換会を実施しました。関係者等の意見を踏まえ、消費者庁の考え方がとりまとめられました。
(外部リンク)消費者庁「物流の『2024年問題』と『送料無料』表示について」
荷主や物流事業者、一般消費者がそれぞれの立場で担うべき役割を再考し、物流産業の人手不足、カーボンニュートラルへの対応、物流効率化など諸課題の解決に向けて取り組み、持続可能な物流の実現につなげるため、有識者、関係団体及び関係省庁からなる「持続可能な物流の実現に向けた検討会」が設置されています。
(外部リンク)国土交通省「持続可能な物流の実現に向けた検討会」