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曽根丘陵公園のトピックス
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国指定史跡甲斐銚子塚古墳附丸山塚古墳銚子塚古墳は、約1,600年前に造られた東日本最大級の大きさで、甲府盆地の有力者のお墓です。上から見ると、円と縦長の台形を組み合わせたような形をしていて、前方後円墳と呼ばれています。 銚子塚古墳の大きさは、墳丘の全長が169m、後円部直径92m、後円部の高さ15m、前方部幅68m、前方部の高さ8.5mです。前方部の先端の中央が少しだけ突き出て、剣先状になっているのも、この古墳の特徴です。墳丘の周りには溝があり、これを周溝といいます。周溝は、墳丘を一周するもので、15~20mの幅があります。 銚子塚古墳は、隣接する丸山塚古墳と一緒に、昭和5年(1930年)に国指定史跡に指定されました。 また、丸山塚古墳は五世紀初めに造られた、山梨県では最も大きな円墳です。墳丘は二段築成で、埴輪が立てられていました。銚子塚古墳より少し後に造られ、これに続く有力者の墓と考えられています。 丸山塚古墳の大きさは、墳丘の直径72m、高さ11mです。 古墳を違った側面で見てみよう今回は、古墳の高さではなく、古墳の側面の角度を計算してみました。 その結果、銚子塚古墳の後円部の側面の角度は約18.5度であることが分かりました。この角度であることをどう感じますか?「以外に角度の値が小さい」と思われる方が多いと思います。 しかし、実際の身の回りの角度を考えてみます。例えば、国道の勾配などでかなり急なところ(例えば清里の坂)などで角度は約5度ほどです。さらに、スポーツに目を向けてみると、高梨沙羅さんでおなじみのスキーのジャンプ台の角度が約35度だそうです。そう考えてみると18.5度はかなり急な坂と言うことが分かります。角度を急にするのは、古墳を大きく見せるためだと考えられます。しかし、余り急な角度で古墳を造ることは当時の土木技術では出来なかったのでしょう。 一方、丸山塚古墳を観察してみると意外なことが分かります。古墳の規模自体は銚子塚古墳には及ばないものの、側面の角度は約24.5度となり、銚子塚古墳の側面の角度よりかなり値が大きくなっていることが分かります。 古墳というと大きさや高さに着目しがちですが、角度という所に着目してみると、古墳が物語る意味も少しは変わってくるのではないかと思います。
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