ページID:93730更新日:2020年3月23日
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議第1号
新型コロナウイルス感染症対策に関する意見書
中華人民共和国湖北省武漢市において発生した新型コロナウイルスによる感染症は、国境を越えて拡大し、同国を中心に多数の患者や死者が生じており、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するに至った。
国では、新型コロナウイルスを感染症法上の「指定感染症」に指定し、感染防止拡大に努めているが、既に、国内の複数の地域から、いつ、どこで、誰から感染したかわからない感染例が報告されてきており、国内の感染が急速に拡大しかねない状況にある。今後、仮に、感染の拡大が急速に進むと、患者数の爆発的な増加が懸念され、社会・経済活動の混乱なども深刻化する恐れがある。
県においては、新型コロナウイルス感染症対策会議や専門家会議等の設置などの体制構築、感染症患者を受け入れる医療機関が行う陰圧装置整備への助成、県主催イベントの当面の間の原則中止・延期、県立学校の臨時休業実施及び小中学校等の臨時休業要請、また感染者や濃厚接触者となり、休業を余儀なくされた方への助成制度の創設など、新型コロナウイルス感染症から県民の生命と健康を守り、県民生活への影響を最小限にするための対応を全力で行っているところであり、県議会としても、新型コロナウイルス感染拡大に関し、県執行部と情報共有するための連絡会議を設置したところである。
しかしながら、防止対策は、一つの県あるいは地域だけで達成できるものではない。
よって、国においては、新型コロナウイルス感染症対策の強化等を図るため、次の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。
1.国民、地方自治体に対し、国内における感染状況や対策についての迅速かつ正確な情報提供を行うとともに、国民がデマや真実でない情報に惑わされることなく冷静に対処できるよう広報活動を充実させること。
2.より短時間で多くの方が検査できるような体制を迅速に整備すること。
3.感染拡大の防止に向けたワクチンの開発や治療法の確立に早急に取り組むこと。
4.医薬品・防護用具等、必要な物資の確保に努めること。とりわけ、医療提供体制に支障が生じないよう、医療物資の供給に万全な対策を講じること。
5.観光業や製造業など経済的に影響を受ける事業者等に対し、必要な支援を行うこと。
6.学校の臨時休業に伴う影響を踏まえた対策を実施するとともに、地方自治体が実施する各種対策に対し、国の責任において十分な財政措置を講じるなど機動的な財政出動を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年3月4日
山梨県議会議長
提出先
衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
財務大臣 文部科学大臣
厚生労働大臣 経済産業大臣
提出者 山梨県議会議員
皆川 巖 浅川力三 望月 勝
河西敏郎 白壁賢一 久保田松幸
早川 浩 土橋 亨 飯島 修
議第5号
子どもの歯科矯正に保険適用の拡充を求める意見書
発育期における適切な歯科矯正は、顔の骨格や身体の健康を良好な状態にするだけでなく、精神的な安定や生活習慣の改善にも効果がある。また、咀嚼や口腔機能を維持回復させることは、QOL(生活の質)の向上につながるとともに、健康寿命を延伸し、医療費の抑制にも寄与することが「8020運動」等により実証されている。
一方、歯科矯正治療に係る療養の給付対象は、これまでに範囲の拡大や見直しが行われ、現在52の疾患が保険適用とされている状況であるが、一般的な歯科矯正治療は、保険適用外で費用負担が高額となるため、治療に踏み切れないケースも少なくない。
また、学校で行う定期歯科検診では、子どもたちの歯並びや咬み合わせの状態を検査するが、経済的に困窮なひとり親世帯や低所得世帯等においては、治療の勧告を受けても、保険適応の場合があるにもかかわらず、断念しているのが現状である。
このような状況を踏まえ、子どもたちの適正な歯科矯正治療を可能とするため、国においては、次の事項の実現に向けて、適切な措置を早急に講じられるよう強く要望する。
1.子どもの歯科矯正における保険適用の拡充を図ること。
2.歯科矯正に対する保険適用基準の見直しを実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年3月23日
山梨県議会議長
提出先
衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 財務大臣
厚生労働大臣 文部科学大臣
提出者 山梨県議会議員
皆川 巖 浅川力三 望月 勝
河西敏郎 白壁賢一 久保田松幸
早川 浩 土橋 亨 飯島 修
議第6号
インバウンド観光振興対策の充実を求める意見書
インバウンド観光の急激な拡大を背景に、政府は令和2年の訪日外国人旅行者数の目標を4,000万人と定め、観光立国推進に向けた様々な取り組みを進めている。
本県では、外国人延べ宿泊者数が、平成30年には196万人となり、5年間(平成25年比)で約4倍と急激に増加している。
しかし、観光消費額は伸び悩んでおり、地域的な偏在もある。
加えて、現在、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大により、インバウンド観光は大きな打撃を受けている。
本年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催、また、中部横断自動車道(山梨・静岡間)の開通が予定され、本県の魅力を発信し、多くの観光客を誘致する絶好の機会であり、新型コロナウイルスの感染拡大により落ち込んだ観光需要を回復させるためにも、インバウンド対応にとって正念場となっている。
県では昨年、やまなし観光推進計画を改定し、観光は地域自体が外貨を稼ぐ直接的な手段であり、成長が確実に見込まれる分野であると位置づけ、観光産業の高付加価値化を進めている。
県議会としても、今定例県議会において、県に対し、本県を全国屈指の国際観光県とするために、他県に先駆けたインバウンド戦略を構築することが重要な課題と捉え、インバウンド観光に関しての政策提言を行ったところである。
一方で、インバウンド観光客の多くは大都市圏及び特定有名観光地等に集中している現状があり、今後全国各地に訪日外国人観光客増加の効果を波及させていくためには、各県個別の施策だけでなく、政府主導での諸施策の充実が欠かせない。
よって、国においては、インバウンド観光振興対策を総合的に推進するため、次の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。
1.新型コロナウイルス感染症の発生により影響を受けている観光業の事業者等に対し、必要な支援を行い、経済への影響を最小限とすること。
2.インバウンド観光客が自然災害やテロ等の危難に見舞われた際や、病気になった時に、安心して行動できる受け入れ体制を整備すること。
また、感染症発生時における医療体制の強化を行うこと。
3.長期滞在型観光地としての地位を確立するため、広域観光ルートの設定や日本各地の地域間連携を強化すること。
4.成田空港及び羽田空港から本県の観光圏へ直通する特急列車の運行を実現させること。
5.インバウンド観光客の消費行動を喚起し、事業者や市町村の声を反映した補助制度を創設すること。
6.国際観光旅客税の税収の一定割合を地方自治体に配分すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年3月23日
山梨県議会議長
提出先
衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 内閣官房長官
総務大臣 財務大臣
厚生労働大臣 経済産業大臣
国土交通大臣
提出者 山梨県議会議員
皆川 巖 浅川力三 望月 勝
河西敏郎 白壁賢一 久保田松幸
早川 浩 土橋 亨 飯島 修