ページID:24347更新日:2015年2月6日
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2月16日(月曜日)、山梨県特用林産協会と山梨県は、特用林産物セミナー「獣害対策~サル害への対応~」を開催しました。一般に獣害というと、農産物への被害が想定されますが、シイタケをはじめとする特用林産物への被害も少なくはありません。そこで、獣害対策の専門家である信州大学農学部准教授の泉山茂之氏と、獣害対策を実践し続けている南アルプス市商工会事務局次長で塩前スモモの里づくりの会長塩谷一郎氏が、講演を行いました。
泉山氏からは、長野県などの例をもとに、獣害対策に特効薬はない、総合防除が必要である、人間とエサを介した関係のサルは噛みつくなど人間に被害を及ぼす可能性が高い、山のサルと里山のサルでは山の方が密度三分の一である、サル対策の4原則など、実例をもとにした理論が展開されました。
塩谷氏からは、南アルプス市でスモモの対策として実際に行っている様々な獣害対策について紹介が行われました。サルに取り付けた発信器による警報システムや花火による追い払い、里守り犬の養成及び実践、改良を重ねた柵の設置、カラスの捕獲檻などの説明がありましたが、獣害に対してはなるべく小さい組合員数で責任をわかりやすくする、やれることは全部やる、などのお話が印象的でした。
両講師の話とも、獣害対策に決めてはなく、いろいろな対策を行い続けることが重要だと、同じ結論に達していました。この講演会が、参加者にとっては、今後の獣害対策の参考になることでしょう。