ページID:107263更新日:2023年1月5日
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防災新館401,402会議室 13時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
明けましておめでとうございます。
皆様それぞれご家族とともに、大変良い穏やかな年の始まりをお迎えになったのではないかと思います。
旧年中、県民の皆様におかれましては、新型コロナへの対応をはじめ、それぞれのお立場から、山梨の発展、前進のために、大変大きなお力添えを賜りました。この場をお借りいたしまして心から御礼を申し上げる次第であります。
まず、初めに年末年始における新型コロナの感染状況について申し上げます。
年末年始の間も、連日、大変多くの新規感染者が発生しておりまして、昨日時点の病床使用率は45.7%となりました。
この病床使用率ですが、年末から徐々に上昇しておりまして、今後50%近くまで上昇することが考えられます。
この上昇の要因は、年末年始で退院、或いは転院が進まないなどの影響もありますので、しばらく状況を注視する必要がありますが、決して予断が許されるような状況ではないと考えております。
また、年末年始におきましては、一昨年の、つまり前年の約2倍規模の300を超えるクリニック、或いは病院で診療に当たっていただきましたが、一部の医療機関では、多くの発熱患者さんが来院し、非常に厳しい状況だったとも聞いております。
ご協力をいただきました医療関係者の皆様には、改めて感謝を申し上げます。
今後、年末年始の人流活発化の影響、或いは特に学校が再開します冬休み明け以降におきましては、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの感染拡大が懸念されるところであります。
直近のインフルエンザの流行状況につきましては、6日の公表となりますが、感染が急拡大し、発熱外来の逼迫度合いが深刻な状況となった場合には、改めて状況をお伝えし、発熱外来の受診を重症化リスクの高い方に重点化する体制へと移行したいと思います。
県民の皆様におかれましては、引き続き、基本的感染防止対策を徹底していただくとともに、新型コロナ及びインフルエンザのワクチン接種を積極的にご検討いただきますよう、お願い申し上げます。
県といたしましては、本年も県民の皆様の命と健康を守り抜くため、組織の総力を挙げて、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期して参りたいと考えております。
話題は変わりますが、私が知事に就任してから、もうすぐ4年目任期満了を迎えます。
これまで、多くの県民の皆様の御理解と御協力のもと、「感染症や災害に対する強靱化」「産業の高付加価値化」「誰一人取り残さない社会の基礎条件の充実」など、県政の各分野において目に見える成果が上がってきたのではないかと考えております。
この良い流れを更に太く、そして速いものとし、今年を山梨の発展・飛躍の加速の年とすべく、引き続き全力を尽くして参りたいと考えております。
例年、この記者会見におきましては、今年1年間の県政全般の方針をお話しするわけですが、現任期が残り少ない中ですので、多くを申し上げることは差し控え、次期県政において貫きたい根本原則のみ申し述べさせていただきたいと思います。
まず、何よりも優先されるべき筋道というものは、「県政の成果のすべては、県民全体の豊かさと幸福に還元されるべきものである」、この1点でございます。
この「当たり前」を貫徹し、民主主義の根幹をなす価値を健全に保ち続けること。
まずは、このことを県政の根底に据え、すべての行動の基といたします。
その上で、政策推進の基本方向とすべきは、まず、第一に、県の内外・国の内外を問わず、あらゆる可能性を取り込み、そして豊かさの基となる価値が創出される、すべての人に開かれた「開の国」、開くという字を書く「開の国」を目指していくこと。
二つ目は、人々が安心して高水準の豊かさ、そして幸せを追求することが可能な、しなやかで機能的な社会へと進化する「ふるさと強靱化」を果たしていくこと。
そして、三つ目は、これらの上に、一人ひとりの県民の皆様に豊かさがもれなく届けられる仕組みを持った「豊かさ共創社会」を築き上げること、こうした方向に針路をとって参りたいと考えております。
この4年間、県民の皆様と共に、山梨発展の基盤を作りあげて参りました。
この基盤の上に立ち、私とすべての県庁職員は、県民の「豊かさ・幸せ」を増進する強い意志を持って、今年1年全力を傾け、取り組んで参りたいと考えます。
今年の干支であります「癸卯」には、「これまでの努力が実を結び、ウサギのように勢いよく跳躍をし、そして成長すること」、そういう意味があるとのことであります。
ぜひとも、この干支の縁起の良さに似つかわしい年にして参りたいと思いますので、皆様方のなお一層のお力添えを改めてお願いし、新年の御挨拶とさせていただきます。
今年1年どうぞよろしくお願いいたします。
知事
かねてから申し上げておりますとおり、少人数教育の推進は、私の重要公約の一つでありまして、未来の山梨を支える原動力となります子どもたちの力を最大限に引き伸ばせる教育環境を整備することこそ、山梨再生の原点であると、このように考えております。
近年ですが、家庭の経済格差が大きな社会問題となっており、家庭の経済格差が教育格差を生み、子ども自身の努力では解消できなくなるほどの学力格差に繋がっている、こういうことが言われているわけであります。
一方で、そのような負の連鎖、これを断ち切ることができるのも、また教育の力であると私は信ずる次第でございます。
ここ山梨におきましては、いかなる家庭環境の子どもであっても、希望を失わず、学び続けられるように、或いは子どもの可能性を追求し続けられるように、しっかりと、それを支えるべき公教育というものを充実をさせ、教育本来の力を発揮をしていくような環境を整えて参りたいと思います。
この意味から、少人数教育の推進というのは極めて重要な意味を持つものでありまして、私としては、その実現に向け、様々な面、単に教育だけを整えればいいというわけでは決してなくて、それを支える財源、これをどうやって確保していくのか、しかもそれは永続性のあるものでなければならない。
こういう様々な状況の中で、総合的に少人数教育を実現をしていくために、もろもろ取り組んできた次第でございます。
おかげさまをもちまして今年度までに小学校1年生、小学校2年生まで全国の水準をはるかに上回る25人学級、これを実現して参りました。
そして、小学校3年生以降ですが、先般、専門家の皆様から構成される少人数教育推進検討委員会におきまして、小学校一年生、二年生の25人学級の導入効果を検証していただきながら、検討を重ねていただき、先月26日に報告書の提出をいただいたところであります。
この報告書におきましては、25人学級・30人学級いずれも効果があるが、可能であれば25人学級の推進が望まれると、そういう方向性が示されているわけですので、私といたしましては、しっかり検討の上、来年度から小学校3年生については25人学級を、再来年度からは小学校4年生まで25人学級、これらを実現して参りたいということで決定をさせていただいたところであります。
この25人学級ですが、まさに子ども一人一人に先生の目が行き届きやすい、或いは先生の負担が減り、子どもに接する時間が確保できる。さらにはこれは先般、その関係の皆様とも議論する中でいただいたお話ですが、不登校という事態に対しましても、しっかりと、子どもに寄り添った指導ができるということで、この少人数教育、特に25人学級の効果に対する確信と、さらなる期待というのは大変大きいわけでありまして、是非とも、私としては、この25人学級を来年度からは3年生、そして再来年度からは4年生まで拡大するということで進めて参りたいと考える次第でございます。
また、アクティブクラスに関しましても、報告書の方向性に沿いまして、教員を午前に加え、午後にも配置できるよう改善を図り、一人一人の児童により向き合える、きめ細かな教育を実現して参ります。
ただいま説明をいたしました少人数学級の充実、そしてアクティブクラスの運用改善に必要な経費は、年間で最大9億円程度でありまして、この9億円程度、これが児童数の減少によりまして、徐々に減っていくと想定しております。
そして、この財源ですが、まず、「教育環境・介護基盤整備基金」の既存の収入の一部を充てますとともに、令和6年度以降におきましては、電気事業会計からの繰入金を2億円増額することといたします。
これらを踏まえて、なお52億円が不足いたしますが、うち46億円につきましては、私が任期中に確保いたしましたプラスアルファの財源のうち、これまで活用していない資金を充てることといたします。
この46億円は、私が知事就任から4年間、中部横断自動車道の県費負担の163億円削減をはじめ、その他、財源確保によりまして、積み上げてきたものであります。
この財源を活用いたしまして、新型コロナや物価高騰への対策、さらには、山梨への投資に繋がる数々の施策に、積極的に取り組んできたわけですが、それでもなお、今年度末の主要基金の残高は、4年前と比較いたしまして実質的に46億円増加する見込みであります。
この46億円全額、子どもの教育のために投資をいたします。残る6億円の残額につきましては、今後、県有資産の高度活用、或いは、予算の効率的な活用を含めて、あらゆる努力を傾注し、この6億円を確保して参りたいと考えており、2月議会におきまして必要な経費を盛り込んだ予算を提出し、議会でご審議をいただきたいと考えております。
繰り返しとなりますが、山梨の最大の可能性はまさに子どもたちであろうと思っております。その子どもたちに、最大限、それぞれの可能性を追求していただくべく、この山梨におきましては、いかなる家庭環境の元であっても、しっかりと自分の可能性を追求できる公教育の体制を確立する、この努力をする、しっかりとこれからも取り組んでいきたいと、こう考える次第であります。
記者
少人数教育の関係で、アクティブ(クラス)も午後に配置できるようにというのと、あと少人数も拡大していくということなんですが、教員の質をいかに担保していくかというところも大事だと思うのですけれども、教員確保をどのように進めていくかが今の段階であるのかどうか。
知事
まずは、新たに教員になりたいと思う母数を広げていくことが極めて重要なことだろうと考えています。そういう意味からも、先般も高校3年生の皆さんに、進路を決定するに当たり教員、教職の魅力というものにも、ぜひ目を向けていただきたいと、こういうことをお願いをしているわけで、お手紙を出してお伝えをさせていただきましたし、また、その子たちに、教員、教職もすてきだなと思っていただくには、何よりもまず現職の先生方が、その誇りを持って、或いはプライドを持ってしっかり仕事に向き合っていただく。このことが何よりも大切ですので、私たち県としても、教員の先生方の取り組みに対してしっかりと感謝をし、我々はその感謝の気持ちを伝えて、それがモチベーションの向上につながっていくであろうということで、そういう取り組みも行っているところでありますし、またアクティブクラス、もう一つは実際退職された先生も多くいらっしゃるわけでありますが、それはアクティブクラスというものを弾力的に活用していくことによりまして、バラエティーに富んだ働き方に対応できるような、職場としての教育の現場、こういうものも現場の皆さんと一緒に議論をしながら作っていきたいと思います。
より多くの、教員資格をお持ちで、実際、様々なご都合で教育の現場を離れられた方も多くいらっしゃるわけですし、そのうちの多くの方が、都合さえ合えば教育にまた戻りたい、こう思ってくださる方も多くいらっしゃると思いますので、そういう皆さんに戻っていただきやすくしていきたいと思います。
またさらには、現状非正規で働かれている先生方も多くいらっしゃるわけですが、そういう先生方にはなるべくその正規の職員、多様な働き方の中での正規の職員として頑張っていただく。こういうことは市町村と共に取り組みを進めていきたいと思っています。
こういう形で全体数をより多くの皆さんに教員、教職を志望していただけるようにしていきながら、なおかつその先生方に対する様々なブラッシュアップの自己研鑽というか、そういう機会というものも、キャリアアップユニバーシティという、今、豊かさ共創会議の方でも議論をしておりますが、そのうちの一つ重要な柱は、先生方に対する研修の機会の提供、こういうのもしっかり力を入れていきたいと思っています。
もともと子ども教育に対して情熱をお持ちくださっていた方々に、今、現在進行形でもお持ちくださっている方々に、行政として最大限の機会を提供することで、研鑽をしていただき、そしてそれがひいては子供たちに対する教育でつながるように、現場の皆さんと共に取り組みを進めていきたいと考えています。
記者
明日知事選が告示されますけれども、知事選で、知事ご自身がどういったことを中心に訴えていきたいかお伺いします。
知事
先ほども少し触れましたけれども、山梨県のみならず、日本全体がある意味大きな逆風環境に見舞われているわけであります。本県で言えば、新型コロナウイルス然り、或いはウクライナの戦争に伴う物価高、或いは原材料の高騰。こういう様々な困難はあるのですけれども、その困難としっかり向き合って、このピンチをチャンスに変えるべく、つまり向かい風を揚力に変えて、より高く舞い上がっていくべく、より知恵を絞って参りたいと思っています。
そのために必要なこととしては、まずは多くの県民の皆さんが、安心して様々な活動ができるようにしていくこと。つまり、災害、或いは感染症、更には経済的危機、もっと言えば、それぞれの生活における様々なリスク。こういうものから解放されるような「ふるさとの強靱化」をしっかりやっていこうと考えています。
生活のリスクの中にはもちろん、介護離職によって、それが貧困転落へのきっかけとなりかねない状況が一般的にあるわけですけれども、そういうようなリスクも、我々その公として、山梨県においては、除去をしていきたいと考えています。
そして、それを土台として、私は、山梨県はもっともっと外に打って出て、外というのは県外、或いは国外に、我々の山梨県としての活動の成果を送り出していけば、それは必ず「富」という形に変わって、県内に還元してくれる。この還元の流れは強くしていきたいと思っています。
そこは多分、今度の選挙におきましても、一番大きな違いが出るところかなと思っています。他の皆さんの公約は、あまり詳しく読んでいる時間はないのですけれども、どうしても視界に入る分野に限定されているのかなという印象を抱いています。
私4年間、山梨県の様々な皆さんと向き合う中で、本当に強く痛感するものは、山梨はもっともっと外に出て行って、十分、或いはもっと十二分に戦えるというか、しっかりとした評価を得られる。逆に言うと、今現状は、まだまだ本来得られるべき評価を得ていないと思っています。すごくもったいない話だと思います。
なので、私は、山梨県のこの可能性を大いに信じ、これを更に外に紹介することで、堂々たる立ち位置、県としての立ち位置、或いは県の経済的な立場、ひいては県民の県民生活の豊かさ、これにつなげることは十分可能であろうと、こう思う次第であります。
あとはもう一つ、先ほど教育の話でも申し上げましたが、やはり子どもの教育、まさに子どもこそ、この山梨県が誇るべき最大の可能性でありますので、この子たちの可能性をどうやって伸ばしていくのだと、ここは是非とも現実的な議論を、私はしていきたいと思っています。
先ほど、3年生、4年生に対する25人学級の話をいたしました。これは全て財源の裏打ちのある話でありますが、敢えて言えば、私の時に積み上げた基金残高を全部使い切ってしまいますので、ここから先は、また新たな財源獲得努力をしていかなければならないわけですが、これをどうやってやっていくのか。ここは、観念的な議論とか、単に批判だけでは物事はできない。そのレベルの議論は、議論ではなくて、多分かなり素人の批判でしかないわけで、ここはしっかりと本格的な議論、責任持った議論を、私は是非この重要な知事選挙という機会において、交わしていくべきだろうと考えています。そういう議論を少なくともすべき場が知事選挙であり、知事選挙の本来の姿というものですので、是非とも実行していきたいと考える次第であります。
記者
年末の会見の時に、公約について詳細版を出すという話もされていたかと思いますが、今日でしょうか。
知事
大分遅くなりましたが、今日中にホームページにアップいたします。
記者
中身としては、概要版からグレードアップした部分は何かありますか。
知事
それぞれ中身が具体的に記されているようになっております。
(間を置いて)
知事
繰り返しになりますが、この3年生、4年生の少人数学級の導入によりまして、中部横断道の県費負担削減分の蓄積も含め、全てこの4年間の蓄積を使い切ってしまいます。
5年生以降につきましても、少人数学級を進めていかなければならないと、私は思っております。
それに向けては、やはりしっかりとした財源をいかに確保するか。そういう意味からは、山梨県は県土の3割が県有地にもなっておりますので、それをしっかり高度活用するというのも、やはり重要なことだろうと思います。
国においては、防衛費の財源で大きな議論にもなっていますけれども、私は、少なくとも教育に関して、増税ではなくて、あるべき、既に持っている資産をしっかりと有効活用すれば、まだまだ財源を捻出できるのではないかと考えておりますので、それに向けて、更に知恵を絞っていきたいと考えています。