ページID:109028更新日:2023年5月17日
ここから本文です。
防災新館401,402会議室 11時30分から 発表事項
発表事項以外の質問事項
|
知事
このたび、市町村に対しまして、複数の支援策をパッケージにして御提供することといたしました。
これは、単独の市町村では人員、或いは予算の面から十分な対応が難しい案件につきまして、県が持っているリソースをしっかり共有することで、私ども県として、裏方としてお支えしましょうということであります。
全部で三本柱になっておりますが、まず1点目ですが、首都圏における市町村の要望活動への支援であります。
県が持っております東京事務所に「やまなし市町村東京サポートセンター」を設置いたしまして、市町村職員が上京した際のサテライトオフィスや、会議室として使用していただきたいと思います。
加えまして、東京事務所の県職員が担当する市町村を決めて、相談に応じたり、或いは市町村の要望活動に同行してサポートするなど、顔が見える関係を構築して参ります。
さらには、県が入手いたしました、国会や省庁の最新情報や要望活動のノウハウなどにつきましても、市町村へ御提供いたします。
このように、場所、人、情報の3点セットで市町村に提供することで、首都圏での山梨県のプレゼンスをともに高めていきたいと思います。
2点目が広報に関するノウハウの提供であります。
市町村におきましては、事故や事件などの突発的な事案が発生した際のメディア対応のノウハウが必ずしも十分に蓄積されていないところもございます。いざというときに、事案対応と並行して、住民の皆さんに対して適切な情報発信が行えるか不安だ、こういう声も私ども承っているところでございます。
これらのノウハウ不足によりまして、有事の際に、県民、或いは当該市町村の住民の皆さんに十分かつ適切な情報が届けられないようなことがあってはなりません。
そこで、広報に関する研修を市町村職員に提供し、ノウハウの習得に役立てていただくとともに、必要に応じまして市町村の責任者が、県の広聴広報監に直接連絡をし、対応について相談できるホットラインを構築して参りたいと思います。
これによりまして、市町村の対応力の底上げを図り、何かあったときには、まず役所が発信する情報を聞いてみようと、県内自治体と住民の皆様との信頼関係をさらに高められるように、私どもお支えをしていきたいと思っております。
3点目が、市町村からの相談支援の強化策であります。
4つの圏域ごとに地域振興官などを設置し、市町村長との面談を通じまして、地域課題や要望を把握し、解決案の提示を行っていくことに加えまして、市町村課職員が、市町村相談員として支援サポートチームを編成し、職員レベルでの相談支援体制も強化して参ります。
また、昨年度に引き続きまして、峡南5町と協働・連帯をし、地域課題の解決を目指す「峡南地域ネクスト共創会議」を着実に推進していくとともに、同様の仕組みを県内の他の圏域にも広げて参ります。
さらには、市町村にも、県政に関する情報を今まで以上に知っていただくため、市町村役場に出向いていって、力を入れている施策や、利用可能な助成制度などについて、市町村の職員さんに紹介するプッシュ型の情報提供にも力を入れて参ります。
これらを通じまして、県と市町村がしっかりとパートナーとして、緊密な協力関係を築き、市町村の手が回らない部分を県がしっかりとお支えをすることで、山梨県の行政全体の総合力がこれまで以上に高まり、ひいては県民生活の向上に繋がるものと期待するところでございます。
記者
市町村支援のパッケージなのですが、ここに挙げられているようなことを、これまでも全くおやりになってこなかったわけではないと思うのですが、今回のパッケージ化として提供することになったという直接的な理由というのが何かあるのでしょうか。
あと、もう一つは広報に関する部分なのですけれども、これまでに例えば、炎上を恐れてしまって、必要な情報提供ができなかったというような事例が何かあったのでしょうか。
知事
まず、根拠は元からそういうことをやらんといかんなという話はあったのですけれども、県の元職員の方で、各市町村で今活躍されてらっしゃる方々がいらっしゃいますが、そういう皆さんからも、こういうことがあったらもっといいんですけどという話があって、なるほどそういうことですねと、そういうニーズというものは大変強いことを把握いたしましたので、であれば、早速、これを実行しようということでやっています。
今までなにがしか情報の流通で支障があったかどうかというのは、ちょっとよく分からないのですけれども、我々としては、しっかりお伝えすべきものは伝えているつもりではあるのですけれど、さらなる努力を上積みするのに越したことはないと思いますので、具体的な弊害があったからやりますというよりは、さらにより良くしましょうという取り組みであると理解をしていただければと思います。
知事
先日、学校現場における事務負担の抜本的な見直しによりまして、教員が子どもと向き合う時間を確保し、一人一人の子どもに寄り添った教育を実現するための取り組み「県教育委員会から学校現場への文書半減プロジェクト」の実施を公表したところです。
本日は、この公表後約1ヶ月が経ちましたので、その実施状況について御報告いたします。
後ほど教育長から詳細の説明を差し上げますが、これまでのところ小中学校については、比較的順調に進んでいると認識をしておりますが、県立高校についてはまだまだ、要努力という状況になっています。
今後、さらなる改善を教育委員会には図っていただき、しっかりと初期の目的を達成するようにしたいと思っております。
県としても、全面的にこれを教育委員会とともに実行していきたいと考えております。
詳細は教育長から御説明申し上げます。
教育長
学校現場への文書半減プロジェクトにつきまして、今現在の状況につきまして御説明を申し上げます。
お手元に資料を3枚お配りをさせていただいてると思いますが、まず最初のこの資料でございますけれども、こちらは文書半減プロジェクトの概要につきまして、先月御説明したもののおさらいになります。
まず、上の方の①と書いてあるところでございますけれども、全ての文書を共有の必要性が低いもの、また、教育委員会が承知しておけばいいでしょうというものにつきましては、送付をしないと。
また、内容に応じまして、学校がデータを共有して活用できるようにしておけばいいようなものにつきましては、直接学校の方には送付しないのですけれども、グループウェアなどでデータを共有して保管し、送付しないというやり方をとっております。
最後に、学校までこれは共有していただいた方がいいだろうと、学校の運営上(必要なもの)でありましたり、児童生徒の生命安全など大事なものにつきましては、学校まで送付をすると、こういう形で、全ての文章を精査してスクリーニングを実施しながら取り組んで参りました。
また、②番の方につきまして、例えば参加や作品を募集するようなチラシなどは、一律的にチラシを配布することは原則しない形にしまして、必要に応じて対応するというような措置をとっております。
また、アンケート等の依頼のものにつきましては、原則としては受け付けない形にしまして、それは相談をさせていただいた上、仮に実施をする場合におきましても、その実施方法や頻度の内容を見直しを図っていくというようなことでやって参りました。
この1ヶ月の成果という形で、次の資料を見ていただきたいと思います。
まず、小中学校についてでございますけれども、まず、今回の実施につきましては、4月11日に発表をして実施を開始いたしました。
今回は4月中までということで半月になるのですけれども、まず14日間の取り組み状況という形でまとめております。
小中学校につきましては、下のところにグラフがございますけれども、この半月でお送りした文章が全部で78件、そのうち送付をしなかったものが48.7%、38件を送付しておりません。
さらにその内訳といたしましては、一切送付しなかったものが8件、また、市町村教育委員会のところまで送付をして留め置いてもらったもの、こちらが8件と言う事で送っていないということにしております。
また、内容に応じて共有・活用できるような形で、データを共有して送付をしないとしたものにつきましては22件ということで、約48.7%を送付しなかった、文書削減をしたということになっております。
残りの51.3%、40件につきましては、ここの四角にあるような理由で送付したということでございますが、昨年度の同時期よりもおよそ半分を削減したという成果を得たという状況でございます。
続きまして、県立学校の方でございます。
先ほど知事からのお話の中でもございましたけれども、この半月の中での削減状況といたしましては、これまでの学校現場に送付した文書の1割を削減したということで、まだまだ今後の改善の余地があるという結果になっております。
この下のグラフのところを見ていただければと思うのですが、実は、今回の県立学校のところにつきましては、小中学校の方では共有する仕組みを校務支援システムを活用して共有したのですが、県立学校の方では、この県立学校の校務支援システムの中で、掲示板のような共有するシステムがなかったものですので、この共有や活用する仕組みを構築をしておりました。そのために時間がかかってしまいまして、内容に応じた共有、活用の対応ができなかったというところが、今回送付が多くなったという要因になっております。
ただ、何も考えずにただ送付したという訳ではなくて、複数の文書を1枚にまとめて送付をするなどの送付方法の工夫をした上で、周知を図るといった工夫を掲げているのですが、この共有、仕組みというものがあるとより削減が見込めるかと思っているところでございます。
ちなみに、このグラフの右側に小さくグラフがございますけれども、こちらは仮にということで恐縮でございますが、この共有の仕組みを県立学校の方でも導入した場合、送付しないという取り扱いができるものが少しこの割合を多くすることができ、約34%が送付しないで済むというような形で扱うことができたかと思っております。
いずれにいたしましても、4月につきましては、こういう結果でございましたが、特に県立学校の方につきましては、今週から新しく共有する仕組みを稼働させまして、県立学校でも、共有すればいいというものについては、送付しないで済む仕組みを働かせていますので、引き続きまして、この文書削減のさらなる改善を図って参りたいと思います。
また、あわせまして、適宜、学校現場の方からも、この取り組みについての御意見をいただいて、この文章はもう少し削減できるのではないかというようなお声も適宜いただきながら、見直しを図っていければと考えております。
本日の報告は以上になりますが、今後もこの実施状況につきまして、適宜、御報告をさせていただきたいと考えております。
記者
「文書半減プロジェクト」なのですが、これは教員の働き方改革という一面もあるかと思うのですが、まだ始めて1ヶ月というところですが、何か効果といいますか、現場の声のようなものは上がっていますでしょうか。
教育長
すでにこの取り組みを発表して実施し始めているのですが、いくつかの教育委員会の教育長さん、また教育委員会からも、「この取り組みは非常にいいです」、「ぜひ期待しています」というお声と、実際にやり始めてまだリアルな実感というものが湧いているところまではいっていないのかもしれませんが、まずこの文書を半減して「県が率先してこういった取り組みをやっていただくというのは大変ありがたい」と、そういうお声を頂戴してるところです。
記者
知事と教育長にそれぞれ文書半減プロジェクトについてお伺いしたいのですが、小中学校では目標とされている半減を達成した一方で、県立学校ではまだ達成していないということで、改めて、達成度に対する受け止めをお伺いします。
知事
まだ始めたばかりですが、小中学校については良い状況だと思います。県立学校はいろいろ課題もありますが、今後、小中学校或いは県立学校を含め、文書を送る側の意識改革について、何らかのフィードバックを行いながら工夫できないか、ということも議論に値するのではないかと考えています。
教育長
1ヶ月間手探りで実施していまして、小中学校では成果が上がってきておりますが、まだ半月という状況ですので、気を緩めることなく、もっと削減できるものについては削減していかないといけないと思っております。
県立学校につきましては、システム構築中という状況ではあったにせよ、まだまだできるところはあると私自身思っております。
そういった意味では、私の意識も含めてもっと取り組んでいかないといけないと思っており、まだ手探りですが、職員の意識を変えるところも含めて、引き続きしっかりやっていきたいという気持ちを持っているところです。
記者
半減プロジェクトで送付しなかったもの、例えば、市町村教委まで送付したけれども留め置いたものや、内容に応じて共有・活用できるようにしたもの、それから送付した51.3%は、それぞれ、例えば代表例みたいなものがあれば、教えていただきたいと思います。
もう一つは、県立学校では、校務支援システムの掲示板システムのようなものが構築されたとしても、仮にということですけども、まだ65.3%はやはり送付する(必要がある)、小中学校に比べると削減度合いが低いように思われますけれどもその原因、要因はどういうところにあるのか、その2点についてお伺いしたいと思います。
教育長
まず、学校現場に送付しなかったもの、共有したものの、事例ですけれども、例えば、県が主催しているイベントで、具体的には、山梨少年海洋道中という、毎年県内の中学生に八丈島に行ってもらうという体験をやっているんですが、例えば、こういった毎年行っているようなものにつきまして、文書でこれまでは送付をしていたんですけれども、送付をしないでデータで、各学校が見られるようにして、興味がある学校については、そこから具体的に情報を引っ張ってもらうというような扱いをしたものと、図書館サービスの研修公募の御案内とか、あとは、例えばGIGAスクールなどの講座の動画についてのお知らせとか、そういった類いのものにつきましては、(文書の)送付をしないで、共有システムなどを通して行うような扱いをしております。
それから、県立学校の方につきましては、仮に共有する仕組みを使っても、まだ65%を送付している要因ということでございますけれども、学校の設置者として、例えば、年度始めなどで、どうしても人事関係のものなどで連絡を要するものがございます。そういったものの関係で、送付をせざるをえないと判断したものについては、送付をしたというのがこの半月での実績でございます。
あとは生徒の方の健康安全上に関するものと、お配りしている表の青い部分に示しているのが、この65%の主な内訳という形になっているのですが、こういったところも、もう少し見直すことができるのかなというのは、少し時間を置くことになると思うのですが、後々、検証などしていかなければいけないと思っているところです。
記者
先週知事の記者会見でおっしゃっていたリニア中央新幹線のボーリング調査について、昨日川勝知事が静岡県で記者会見し、礼節を欠いた対応だったとした上で、山梨県の方にも、専門部会の方にオブザーバーとしてでも同席してほしいということを発言しました。
これに対する知事の御見解、御所見を伺えたらと思います。
知事
まずこの問題の事の本質は、行政権の所在の問題が一番大きな問題だと思っています。
科学的事実をまずしっかり示していただかないといけないのですけれども、そもそも、山梨県内における民間活動に対して、行使される行政権その主体は誰かと、ここが一番大きな本質的な問題であると思っています。
それは当然司法も含めた国か、これは山梨県である訳で、少なくとも静岡県を含め、他県がなにがしか、直接的にその権限の行使をされるということは、極めて異例な扱いになるんだろうと思っています。その場合は、特別の行使できうるという法的根拠を我々に示していただかない限り、違和感というのは最後まで拭いきれないものが残ります。
例えば、なにがしかの科学的な根拠に基づいて下流域に大きな被害が及ぶことが明白であるような場合、これは司法を通じて、差し止めをしていただくとかそういう判断というのはあり得るんでしょうし、そうではなくて、その当該県と、JRとの約束のみを根拠としているんであれば、それは私人間の約束事と全く同じで、これは私ども山梨県は関知しないと。
我々の利益というのはリニア推進だとすれば、我々としては、逆にJRに対して2027年の開業に対する約束を守ってくださいと言うべき立場なので、我々としては、そういうことを言っていくことになろうかと思ってます。
直接ではなくて、他県が本県に対して、ボーリング調査の中止、そういう活動の中止に対して協力を求めてきた場合、これをどうしますかということなんですが、これは特に静岡県は私どもにとりましても、大切な隣人ですし、その意向というのは、我々は常に敬意を持って接したいと思っているわけですが、さはさりながら、そもそも我々になにがしか行使できる権限があるのかということは精査しないといけないと思っています。
仮に権限があったとしても権限の濫用になってはいけないわけなので、この事案についてなにがしか行使できる権限はあるんだろうかということをしっかりと調べないといけないと思っています。
仮に行使し得るとなった場合であったとしても、これは私ども山梨県は、他の県とは異なる政策目的を持っている場合がありますので、我々の持っている政策目的と、静岡県さんがこうむる被害とのバランスを基に判断しなければいけない問題になってくる。山梨県は山梨県の利益がありますので、もちろんその他県の利益も尊重するんですが、それはバランスを持って判断しなければいけないと思っています。
いずれに関しましても、まず、その科学的事実ということも大きな大前提になってくるかと思います。
すなわち、果たして本来、静岡に流れるべき水が山梨県側に流れてきているんだろうかと。このボーリング調査によって、県境まで300メートルも離れているところのボーリング調査が、或いは県境までのボーリング調査が本来静岡県に流れるべき水が、山梨県に流れてきているんだろうかと。かつ、仮にそうだったとしても、それはどれぐらいの量なのかというのも科学的な根拠が必要だと私たちは思っています。
すなわち、なにがしか行政権の発動を根拠づけるに足るだけの、ある程度の大きな量が流れ出るのかということは、私たちは科学的事実に基づいて事実をお示ししていただかないと、ここから先に前に進むことはできない。むしろ、ボーリング調査というものは、その科学的根拠を得るために行うものだという理解をしておりますので、私たちとしては、リニア推進をする立場からすると、しっかりと科学的な調査をまず進めてくださいというのが我々の立場です。
この立場を大前提といたしまして、山梨県内のエリアにおける行政権の活動は、我々が判断するべき話ですから、なにがしかリクエストがある場合は、我々に今申し上げた科学的ファクトに基づく根拠と併せ、そのしかるべき要請をしていただければ真面目に向き合います。
それは我々が専門部会に参加するということとはちょっと筋が違っていて、なにがしかこの権限の発動を求める静岡県さんが、しっかりとしたファクトとともに、私どもにお示しをしていただくのが出発点だろうと思う次第です。
それを踏まえて、我々は我々の視点をもって判断するというのが順序だろうと思っております。