ページID:109359更新日:2023年6月12日
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防災新館401,402会議室 10時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
先ほど、山梨県人口減少対策戦略本部の第1回本部会議を開催し、あらゆる手段をもって人口減少という課題に立ち向かう「人口減少危機突破宣言」を行うとともに、本部会議の名称を「人口減少危機対策本部」に改めましたので、ご報告申し上げます。
本県におきましては、人口減少に歯止めをかけ、将来世代が安心して暮らし続けられるようにするため、これまでも施策を総動員し、県民の皆様のご協力をいただきながら、人口減少対策の取り組みを進めてきたところであります。
その結果、令和元年から2年にかけまして、合計特殊出生率を1.44から1.48に上昇させることができました。
しかしながら、令和3年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う対面機会の喪失や、産み控えなどの影響によりまして、合計特殊出生率は、2年連続で下降し、中長期的な目標としております「県民の希望出生率1.87」から大きく乖離する1.40にまで落ち込み、これはまさに危機的な状況になっていると考えております。
ようやくコロナ禍を脱して日常を取り戻しつつある今、私たちは、この下降トレンドを上昇へと転換させられるか否かの瀬戸際に立っていると認識をしております。
そこで本年、令和5年を「人口減少危機突破元年」といたしまして、出生率回復に向けた抜本的・集中的な取り組みのスタートの年とするため、本日、皆様のお手元にあります「人口減少危機突破宣言」を行ったところです。
もちろん、行政はその先頭に立って参りますが、行政だけで実現することはなかなか難しいわけであります。県民の皆様とこの危機的な状況を克服する決意をぜひとも共有をして、ともに力を合わせていきたいと思います。
出生率の下降トレンドを上昇に転じさせられるかどうか、回復局面に移行することができるかどうか、今まさにその正念場であろうかと思ってます。
山梨県の叡智を総動員をして、今直ちに取り組むことによりまして、私どもは、将来を必ず変えていけるだろうと確信をしております。
「ふるさと山梨」の、山梨全体としての持続可能性というのでしょうか、我々のこの山梨が、将来にわたって末永く愛すべきふるさとであり続けられるように、今こそ力を合わせて、この危機を突破すべく、取り組みをともに進めて参りたいと思いますので、何卒よろしくお力添えをお願いを申し上げます。
記者
先ほどの会議でも今後の取り組みとして、トップセミナーの開催ということも出ていましたけれども、トップセミナー以外に、今後こんな取り組みを進めていくという、現状で決まっているようなことがあれば教えてください。
知事
まずは、早急に政策パッケージを取りまとめていきたいと思います。そこで必要なものがあれば、もう6月議会には間に合わないので、予算措置も含めて、9月議会に諮っていきたいと思います。
記者
県庁内に、政策パッケージを検討するプロジェクトチームを立ち上げられるということですが、どういった体制で、どういう方々を集められるのか教えてください。
局長
本日午後、知事政策局の次長をトップとして関係する各部局の次長クラスを集めてプロジェクトチームを立ち上げまして、今後の政策について取りまとめて参ります。
知事
これまでもこの人口減少は前から続いてる話で、我々もコロナ禍以前からの最重要課題の一つとして位置付けてきて、そのために様々な対応をとってきたわけですが、もう一回、それを総ざらいをして、穴があったらしっかり埋めていく、またアップデートするべきものがあればアップデートしていく。
さらに、施策の深さというか、威力というか、そのボリュームを上げていくべきものについては、思い切ってアクセルを踏んでいくと。
そういうものをまとめて、近々に県民の皆様に問いかけていきたいと思います。
記者
県は4年前から子育て支援局を立ち上げて、結婚、出産、育児を一元化して取り組まれてきましたけども、やはりこれまでの取り組みではそういった数としては現れない焦りみたいなものや、やっぱりここをもう一度一歩踏み出してやらなきゃいけないという思いは強くありますか。
知事
あります。ただ、さっき、元年から2年にかけては、成果がある程度出てきたのかなと思ってはいたんですけれども、ここに来て連続下降と。これが来年も下降すると、かなり厳しい状況に追い込まれると思っておりますので、ここでもう1回再点検をして、また最新の様々な知見も収集をして、そこをもとに山梨県に移植をしながら我々としての人口減少対策をさらに強化をしていこうと思います。
これまでご案内のとおり、子育て施策に関しては支援局を創設して、かなり真剣に環境の整備を整えてきたところですし、また、全般的には若い世代の皆さんの将来展望ができるようにということで、メディカル・デバイス・コリドーですとか水素も含めて、将来に向けて成長性のある産業を山梨県にしっかりと根づかせようと、このような取り組みを進めてきたわけですが、やはりもう一度、必要なものをやっていきたい。
県民の皆さんの希望出生率1.87との差額、これは政策的に埋め得るものだと私は思いますので、そこに対して介入の度合いを一段二段強めていきたいと思います。
記者
先ほどの質問とも重なるのですが、組織体制の中で、庁内で、ということでしたが、例えば民間や、働き方などもこの出生率には影響すると思います。
民間を巻き込んだりなど、産学連携のようなお考えについて、現時点で知事のお考えをお伺いしてよろしいでしょうか。
知事
このプロジェクトチームは、まずは行政としての考え、我々の施策をまとめることですが、おっしゃるとおり、これは県だけでやっても駄目ですし、この突破宣言にもありますように、オール山梨県でやらなければならないことだと思っています。
そういう意味で、様々な職場における働き方の改革ですとか、様々な点に渡りますので、これはトップセミナーを開き、そこにご参加いただいた方々、或いは、さらにその周りの方々を含めて意思の共有を図って、一緒にこの施策の取り組みを進めていくための契機にしていきたいと思います。
記者
今回、「人口減少危機突破宣言」ということで、全国でもこのような人口減少に特化した宣言はないと聞いているのですが、あえてこの宣言を出した理由を教えてください。
知事
まずは、この状況をそのままスルーしてはいけない。申し上げましたようにまさに瀬戸際に立っているわけですので、この状況が極めて深刻な問題であるということを、改めて山梨県の全ての県民の皆さんと共有をするべく、こういう形で出させていただいたものであります。
記者
元年から2年にかけて、山梨の出生率が上がっています。全国平均が下がっている中で、かなり上がっているのが、どうしてできたのか。その分析があれば、今後の活動にもつなげられると思うのですが、知事としてはどういうふうに、その上昇のポイントがあったと思ってらっしゃるのか教えてください。
知事
まさにそれはおっしゃるとおりでありますが、そこの分析はまだできていないわけですので、その分析も含めて、これから取り組みをして施策のパッケージに反映させていきたいと思います。
記者
今年、抜本的に取り組む元年としたということですが、もし具体的に目標値などがありましたら。
知事
我々の目標は県民の希望出生率1.87、これに速やかに近づけていきたいと思っています。これは中間目標です。そこから先はまた様々な要素もあるのでしょうけれども、この産みたい、子供を持ちたいと思っても、何がしかの状況で社会的な状況で持てない。この状況は、施策によって解消しうる問題であろうと思いますので、まずは1.87を目指していきたいと思います。
記者
先日静岡県で専門部会が開かれまして、その際、委員の方からは調査に特に問題はないという意見があった一方で、静岡県側の意見としては調査の中止要請は撤回しないという意見が再度示されました。
改めてにはなるのですが、それに対しての知事の受け止めをお聞かせいただけますか。
知事
まだこの会議での状況を詳細に当事者からヒアリングをしているわけではないので定かなことは申し上げられないのですが、報道等で見ていますと、ちょっと何の議論をされて、どうしてこういう議論なのかよく理解できないという点がございます。
要は静岡県の水、山梨県の水という、この議論が相変わらずされて、さらにそれを精緻化されているようですけれども、そもそも静岡県の水は一体何かと、ここを私たちとしては明らかにしていただかないと、全くしっかり向き合うべき議論にはならないのではないかと思っています。
その源泉がどこにあるかによってどこどこの水だと、そもそも静岡県なら静岡県の水となるその根拠は何ですか、そして、これが仮に静岡県の水だとしたらその法的な効果自体は一体なんですか、ここを私たちは科学的な議論の前にしっかりとした法律上の議論に基づいて話をしていただかないと、あんまり意味のある議論にならないかと思っています。
源泉がもともとの出所によってどこどこの水だという話になるのであれば、例えば、富士川の水は長野県と山梨県内に源泉が走っているわけですけども、それが川になって流れて静岡県にも行くわけですが、そうするとそれが山梨県と長野県の水になるのでしょうか、こういう話だと思いますし、それによって民間の経済活動を抑制してくださいという話こそ、そういう効果を用いるものであるとすれば、我々もこの富士川の利用に関して何がしか言うことができるのでしょうか、というすごくおかしな議論になってくるのではないかと思っていて、まず、「どこどこの水」なる概念をぜひ法律的に明確に定義をしていただきたいと思います。
その上で、それが「どこどこの水」になったということで、どういう法的な効果があるのか、ここは法治国家ですから、しっかり既存の法律に基づいて、明らかにしていただきたい、それが議論の前提で、それがないのに成分がどうだとか、そういうことは私はどういう意味があるのかと理解に苦しんでいるところです。
ここはJRなり関係者を呼んで、しっかりご説明をいただいていかない限り、何か山梨県もまぜて議論しましょうなんて話もありますけども、全くナンセンスであるし、時間の無駄だとあえて申し上げたいと思っています。
しっかりとした根拠のある議論、これを我々は求めていきたいと思いますし、先行ボーリング調査に関しては、作業員の安全に直接関わる問題でもありますので、「なんとかかもしれない」ということでボーリング調査をやめるというのはナンセンス以外の何物でもないと思っています。
これを私はJRに対して強く進めるべきだと思いますし、それをやっていただきたいと思っています。