ページID:109422更新日:2023年6月14日
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防災新館401,402会議室 13時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
令和5年6月定例県議会提出予定案件につきましてご説明いたします。
6月定例県議会ですが、今月20日に招集することとし、本日招集告示を行いました。
提出案件は、条例案6件、予算案5件、その他の議決案件1件などの予定となっています。
条例案につきましては、自動車税の減免の対象に、精神障害者又は知的障害者を加えるなどの改正を行う「山梨県県税条例中改正の件」などを提出することといたしました。
その他の条例案につきましては、国の制度改正に伴うものや、形式的な改正を行うものとなっております。
次に、6月補正予算ですが、喫緊の課題であります、物価高騰対策を盛り込むとともに、公約の2つの柱となっております、ふるさと強靱化と「開の国」づくりに向けました「豊かさ共創加速化予算」として編成をいたしました。
一般会計補正予算の規模ですが、507億2983万円余となっておりまして、肉付け予算としては、過去で最も大きい規模となっております。
内訳ですが、公共事業・県単独公共事業を合わせまして277.4億円、物価高騰対策77.4億円、感染拡大防止や反転攻勢などのコロナ対策といたしまして、64.6億円、その他87.9億円という内訳となっております。
主な事業につきましては、まず物価高騰対策については、医療機関や福祉施設に対する光熱費などの高騰分への支援といたしまして、24.9億円を、そして福祉施設の職員さんの賃上げに対する支援といたしまして、25.8億円を計上しております。
このほか、省エネ再エネ設備の導入に対します補助につきまして、この制度をより使い勝手を良くする見直しを行うとともに、更なる活用に向けまして21.3億円などを計上しております。
次に、ふるさと強靱化に関する費目につきましては、防災・減災対策としての公共事業費で70.4億円となっております。
「開の国」づくりにつきましては、スタートアップの推進に向けまして1.3億円を計上し、当初予算と合わせまして3億円となりまして、これは前年度と比較して1億円以上の増額となっています。
このほか、「地域を担う人財づくり」の一環といたしまして、「県民総DX」に向けまして、あらゆる県民の皆様を対象に、DXに慣れ親しんでいただくための講座、研修に要する経費などといたしまして、総額1.9億円を計上し、事業を推進することとしています。
詳細につきましては、後ほど財政課長からご説明申し上げます。
記者
今のお話に富士山登山鉄道は出てきてはいないのですが、公約実現に向けて予算にも盛られているかと思うのですけれども、先週の富士吉田市長の会見ではっきりと反対だというお話もございました。
その発言に対する受け止めと、また、富士山登山鉄道構想の実現に向けてどう進めていくかというところを教えていただければと思います。
知事
まず、登山鉄道構想に関しましては、富士山の価値というものを将来世代にわたって引き継いでいこうと。そのための工夫の一環ですけども、富士吉田市長さんの発言の詳細は把握しておりませんけれども、まず一つにはこういう形で議論になることは大変いいことだと思っています。私ども常に議論は大歓迎ですし、まさにそれこそ一つの今回の予算の目指すところでもあるので、早速、ご対応いただいたことに対してはありがたいと思っております。
併せまして、電気バスの話もされておられましたが、これも大変積極的なお考えとして大変ありがたく思います。願わくは、電気バスを使ったもう少し具体的なご提案まで、今後は出していただけることを期待していきたいと思います。
こういう形で議論が様々されることで、より多くの皆さんに関心を持っていただき、富士山の価値というものをしっかり将来につなげていく、そういう県民意識というんでしょうか、地域全体の意識が高まっていくことは、まさに富士山登山鉄道構想の一つの大きな到達目標でもありますので、今後、更なる活発な議論をしていきたいと思います。
それから、今後の進め方ですけれども、まず私どもの方で登山鉄道のもう少し具体的なスキームというんでしょうか、こういうのはしっかりと議論をして、どういう形で成り立っていくのかというものを見つけていきたいと思います。
また、もうすでにいろんなところで、地元との意見交換なんかも活発に行っております。先日、山小屋関係の皆さんと意見を交わしまして、大変有意義な観点、いろんな視点をいただいて、それについては早速対応するように、今県庁内で議論をしています。
こういう形でこの話題を取って、富士山に関するより良い環境づくりに向けた議論作業を進めていきたいと思います。
記者
先ほど静岡県の副知事が県庁に訪れたと思うのですが、リニアの関係でどのような議論があったのか教えてください。
知事
先ほど静岡県の森副知事はじめ、お三方がお越しになりまして、今懸案となっておりますリニア中央新幹線の広い意味でいうと、南アルプスのトンネル問題、あと、当然、先行ボーリング調査の話も含まれておりますが、意見交換をいたしました。
まず初めに申し上げておきたいことは、山梨県と静岡県はこの点で真摯な議論は積み重ねておりますが、決して感情的な喧嘩は全くしておりません。
ここはあらかじめお伝えをしたいところだと思います。
その上で、今回はまず静岡県さんからお考えをお伺いいたしました。
先行ボーリング調査に関する水の流出の問題についてのお考え、或いはJR東海に対するリクエストの問題、こういう話についてお伺いをいたしました。
その次に、私どもから今回の先行ボーリング調査に関する水問題について、静岡県で今行われてる議論に対する懸念点をいくつかお伝えし、そこに対してしっかりご理解をいただけたかと思っています。
概要なのですけど、まず今回の静岡県からJR東海に出された要請文についてはあくまでもリクエスト、お願いベースの話だということで、前回、川勝知事と直接お目にかかった時も全く同じ話をされておられましたし、今回改めてその位置付けも確認をしていただきましたので、それはそれで良しとしますと。
撤回するしないとか、そういうところまでは私どもは静岡県さんの思いとして、JRさんに伝えていかれることに対して、山梨県として何かどうこうしてくださいと言うつもりはありませんということはお伝えをいたしました。
他方で、静岡県さんからは、先行ボーリング調査を含む工事によって、水が出ることで、南アルプス全体の生態系に大きな影響を与えることを恐れていますというお話をいただきました。
それに対して、私どももその懸念はよく理解できますというお話を差し上げた上で、他方で、私から申し上げたのは、「静岡の水だ」「山梨の水だ」と、この議論は我々としては受け入れがたいと、このことははっきり申し上げました。
つまり、この問題も山梨県内の経済活動に対して大変大きな将来における懸念を巻き起こす恐れもあろうかと思っています。
つまり、上流域にとって、この議論が極端な形で話が進んでいってしまいますと、要は上流域は一切、地下水を使えないと。例えば南アルプス市のどこにしろ井戸を掘って地下水を使う、もうこれはすでに行われているわけですけれども、これは下流域の地下水に、当然そのなにがしかの影響もゼロではない、及ぼし得る可能性がある。
その及ぼし得る可能性の段階で物事がストップされるような話になってしまいますと、これは我が県の経済活動に対して極めて大きな影響が及びうる、私達として川勝知事や静岡県の皆さんに対して、そういうことはしっかり信頼はしておりますが、時代が変わって、いつどうこうなるかは、なった後に、先々のことまで、あのときこういうふうに言ったと記録に残っていますとか、そんなような形で援用されるようなことがあると、ちょっとそれは困るということですので、その点は私どもとしては原則は受け入れられませんというお話は差し上げました。
その上で、これも繰り返しになってしまっているのですけど、先行ボーリング調査も含め、この経済活動が下流域に対して影響を及す場合、その影響の度合いが受忍限度を超える耐え難い大きなものになっていて、かつ、この経済活動との間で因果関係が科学的に立証できた場合、或いは影響を及ぼすことが明らか、まだ実際発生していなくても、こうなれば必ず相当程度の確度でこういう悪影響が及びうると、これが科学的に立証できた場合、私たちは山梨県の責務としてそういう外部不経済を及ぼすような経済活動に対しては是正を求める、これは私どもの責務だと思っていますということもまた改めてお伝えをいたしました。
ですので、私どもからは静岡県さんにぜひ山梨県を信頼してくださいと、我々はそういう形でやりますと、それでもどうにもならないような場合は、再度司法的な救済対応ということもあり得ると思いますということは、余談かもしれませんが、お伝えをしたところです。
静岡県のご担当、副知事も含めまして、私どものこの議論、懸念はよくご理解をいただけたかなと、そんなような印象を持ちました。
お戻りになって、川勝知事に報告しますということですのでよろしくお願いしますということでお別れをしたと、これが今回の会談内容になっています。
記者
知事は先週の会見でも調査を担うJR東海に対しても対応を検討するようにということで、JR東海に対してはどのように知事として働きかけをされるか教えてください。
知事
まず、JR東海に対しても私どもは同じ議論をさせていただきました。
これは「山梨県の水」「静岡県の水」という議論は迷惑千万なのでやめてくださいと、こういう話をいたしました。
他方で、先行ボーリング調査によって、下流域である静岡県に悪影響が及ぶような場合は、私どもとしては、そのやり方の見直しを求めざるを得ませんという、このスタンスも改めてお伝えをし、現状においてはそういう具体的な差し迫った恐れはないという見方で、これはJR東海と私どもでは一致をしております。
他方で、いろいろご発言がありますけども、静岡空港駅構想、これにつきましても、それはやはり頭ごなしに駄目だということは、ちょっとそれは私どもとしては、ある意味、抗議というか、それは真摯な議論としてどうなんでしょうかと。そこは、もちろんJR東海さんに関係する話なので、しっかり議論を積み重ねて、真摯に向き合っていただきたいと思いますという旨を改めて、同時に、お願いをしたところです。
記者
この問題を話すと言っていた期成同盟会での議論の場というのは、現状どうなっているのか教えてください。
局長
事務局である愛知県の方で、今、幹事会ということで課長クラスの会を早急に設定するように調整しているところでございます。
記者
昨日、富士山登山道の件で、地元の観光団体の方などから、登山者数の抑制の要望書があったと思うのですけれども、その要望を受けて改めて知事の方から、どのような対策をしているのかや今の考えなどを教えてください。
知事
まず、この弾丸登山は大変リスクが高い、事故に結びつきうるものだと思っていまして、私どもとしても極力抑制をしていきたいと思っています。
そういう意味で、既存の法体系の中で制約はあるんですけれども、その範囲の中でできる限りのことをやっていきたいと思っています。
まず、その考え方は大きく分けて二つあろうかと思っていて、まず一つが弾丸登山の結果、万が一、傷病者が出たような場合にいかなる場合もしっかりやらないといけない話ですので、その救護体制の整備をしていかなければならないと。これは県と地元の富士吉田市でも共通の思いで向き合っているということだろうと思います。
それからもう一つは、できる限り弾丸登山を抑制するための手立てを講じなければならないということで、まず私どもができるのは、スバルラインの営業時間の短縮を用いまして、弾丸登山を抑制していきたい。併せまして、現地でいろいろ呼びかけをするための体制を整えていこうと。
今、こんなことを考えてますが、これからさらに何をどういうふうにすればいいのかということは、関係者の皆さんとしっかり相談をしながら、できる限り安全な登山をしていただけるように取り計らっていきたいと思っています。
記者
これまでの記者会見でも何度か出ているのですが、生成AIの活用に向けての検討状況はどうなっていますか。
知事
今は若手のプロジェクトチームをつくりまして、検討を進めようということで始めているところです。
皆で勉強して、どういう使い方がありうるのか、或いはどのように使えるのかということをしっかり踏まえた上で、できる限り事務作業の効率化に結びつくような活用を考えていきたいと思っています。
他方で、いろいろ問題も起こり得ると思いますので、走りながら考えていきたいと思います。