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のどの痛みや発熱を起こす感染症を咽頭炎と呼びます。咽頭炎はさまざまなウイルスや細菌が原因になりますが、そのうちA群溶血性レンサ球菌という細菌によって引き起こされる咽頭炎を、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎と呼びます。大人も子どもも発症しますが、特に小学生くらいの子どもに多いことがわかっています。流行する季節は冬から初夏にかけてです。
主な感染経路は、飛沫感染(患者の唾液や鼻汁がくしゃみやせきで飛び散ることや、吸い込むことで感染)や、接触感染(患者の手やさわったものを介して、口に入れたり鼻をさわったりすることで感染)です。そのため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多いとされています。
主な症状は発熱やだるさ、のどの痛みなどです。頭痛や吐き気が出ることもあります。一方、鼻水や咳が出ることはほとんどありません。のどが腫れて白い苔のようなものが付いたり、舌に小さな赤いブツブツとしたできものが出たりすることがあります。
原因となる菌に感染してから、実際に症状が出てくるまでの期間(潜伏期)は2〜5日ですが、その時期に他の人に感染させるかどうかはよくわかっていません。
【治療】
抗菌薬が有効です。ペニシリン系抗菌薬が使われることが多いため、ペニシリン系の抗菌薬にアレルギーがある人は事前に医師に伝えるようにしましょう。しっかりと治療して合併症を予防するため、処方された抗菌薬は、症状が途中でよくなっても最後まで飲みきることが大切です。
また非常に珍しいことですが、合併症としてリウマチ熱(関節や心臓の炎症を起こす病気)や急性糸球体腎炎(腎臓の働きが低下する病気)を起こすことがあります。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が治った後、しばらくして再び発熱してなかなか治らない、関節が痛くなる、体がむくむ、などの症状が出たときは、かかりつけの医療機関などに相談するようにしましょう。
【予防】
手洗い、咳エチケットを心がけましょう。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」定点把握対象(5類感染症)であり、指定届出機関は週ごとに患者数を保健所に届け出ることになっています。
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