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重症熱性血小板減少症候群(SevereFeverwithThrombocytopeniaSyndrome:SFTS)とは、中国において2009年頃より発生が報告され、2011年に初めて原因ウイルスが特定された新しいダニ媒介性疾患で、西日本を中心に感染発生が確認されております。
感染の原因となるマダニは、主に森林や草地などの屋外に生息しており、市街地周辺でもみられ、全国的に分布しています。
マダニが活動的になる春から秋にかけて注意が必要です。
(一般向けパンフレット)「マダニ対策、今からできること」(国立感染症研究所)(PDF:3,095KB)
潜伏期間は6~14日。発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、時に、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。
主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染する。
血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少(400/mm3未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。
10~30%程度
現時点で、有効性が確立した抗ウイルス薬はありません。対症療法が行われます。
草むらや藪など、マダニが生息する場所に入るときには肌の露出を控えるなど、マダニに咬まれないことが重要です。
なお、現在のところ、SFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。
2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。
主な症状は、発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。
多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。このため、患者はマダニの活動期である春から秋にかけて発生しています。
マダニと、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとでは全く種類が異なります。また、植物の害虫であるハダニ類とも異なります。
マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。
中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からウイルスが見つかっています。
日本には、命名されているものだけで47種のマダニが生息するとされていますが、これまでに実施された調査の結果、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。ただし、これらのマダニ種全てが、実際にヒトへの感染に関与しているかについては、まだ分かっていません。
SFTSウイルスの保有率など、より詳細な実態について、現在、調査を進めているところです。
参考)フタトゲチマダニ
マダニに咬まれないようにすることが重要です。
これは、重症熱性血小板減少症候群だけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。
草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴
の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEETディートとい
う成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。
また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。
SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれてから、6日から2週間程度です。
その他の詳細については、重症熱性血小板減少症候群に関するQ&A(PDF:803KB)をご参照ください。
全数把握対象(4類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。
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上記のほか詳細な情報は、次のページをご覧ください。
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