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結核とは、結核菌によって主に肺に炎症が起きる病気です。
日本でもかつては「国民病」「亡国病」と恐れられ、死亡原因の第1位でした。薬の開発などが進み、治療すれば治る病気となりましたが、現在も毎年およそ1万6千人が新たに結核を発病しており、命を落とすこともある日本の重大な感染症です。
山梨県においても、毎年80人ほどの新規患者が発生しています。
高齢者は、上記の症状が出ないことがありますので、年に1回程度胸部レントゲン検査を受けることが大切です。
菌を出している結核患者が咳やくしゃみなどをしたときに結核菌を含むしぶき(飛沫)が空中に飛び散り、そのしぶき(飛沫)から水分がとれた状態で空気中を浮遊している結核菌を同じ空間にいる人が吸い込むことで感染します。(空気感染)
結核菌を吸い込み、肺などの器官に定着することで感染が成立します。健康な人であれば、感染しても免疫の働きによって結核菌を抑え込んでしまうので、すべての人が発病(病気を引き起こした状態)するわけではありません。しかし、病気などで体の抵抗力が弱まってくると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病する可能性があります。一般的に、発病するのは、感染した人の1割から2割といわれています。
糖尿病やがん、胃潰瘍などの病気を患っている人、HIV感染者、人工透析を受けている人、ステロイド治療を受けている人、喫煙習慣がある人、結核高蔓延国から来た外国人などは発病の危険性が高い人になります。
結核の治療は化学療法が基本です。標準的な治療として、6か月から9か月間毎日複数の薬を飲み続けます。結核菌は、しぶとい菌なので、治療の途中で薬をやめてしまうと完全に治りきらないだけでなく、耐性菌(薬が効かない菌)を作り出してしまう危険性があります。
また、感染しても発病していない人は、発病を予防するため、潜在性結核感染症(LTBI:Latent Tuberculosis Infection)として、6か月間薬を服用します。
このように結核の治療は長期間になることから、確実に治療が行われるよう、治療期間中に医療従事者等が服薬を見守る仕組みをDOTS(Directly Observed Treatment Short-course)といい、医療機関と保健所等が連携して患者の治療の支援を行います。
適度な運動や十分な睡眠、バランスの良い食事など、健康的な生活が結核の予防につながります。
乳幼児期におけるBCGワクチンの接種により結核の発症や重症化を予防することができると考えられています。お住いの市町村からの案内に従い、生後5か月から8か月の間に接種しましょう。
周りの人に感染させないためには、咳エチケットが有効です。咳やくしゃみが出るときは、マスクをつけましょう。
県内で発生する各種の感染症の状況を調査しており、結核について年報報告を実施しています。詳しくは、「調査事業報告(年報)」のページをご覧ください。
県内で発生した結核の集団感染事例が発生した場合、こちらへ掲載いたします。
全数把握対象(2類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。
届出基準はこちら
第2種の感染症に定められており、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められるまで出席停止とされている。
上記のほか詳細な情報は、次のページをご覧ください。
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