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風しんとは、風しんウイルスによって起こる急性の発疹性感染症です。風しんに対する免疫を持たない女性が、妊娠中に風しんに感染した場合は、胎児が「先天性風しん症候群」という病気になることがあり、特に注意が必要です。
山梨県での風しんの発生状況は2013年に28例の患者報告がありましたが、その後は年間1例程度の発生に止まっていました。しかしながら、2018年7月頃から東京都や千葉県を中心とした関東地方や愛知県で風しんの感染が広がり、大きな流行が続いています。特にその患者の多くは30代から50代の男性で、これらの世代は、定期ワクチン接種の機会がなかった世代であり、風しんに対する十分な免疫(抗体)を持っていない可能性があります。風しんや先天性風しん症候群の発生を予防するためには、予防接種を受けて風しんに対する免疫をもつことが重要です。
主な症状として、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどがあります。
風しんウイルスは、患者の咳やくしゃみなどの飛まつによって他の人に感染します。
妊婦、とくに妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児が風しんウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障害を「先天性風しん症候群」といいます。
予防接種をうけることによって、成人女性なら妊娠中に風疹にかかることを予防し、または妊婦以外の方が妊婦に風しんをうつすことを予防できます。ただし、妊娠中は風しんの予防接種を受けることができません。また、予防接種後2ヶ月間は避妊が必要です。
風しんの免疫をもたない妊娠中の方は、風しんに感染しないよう注意することが必要であり、家族からの感染や職場における感染にも気をつけることが重要です。
特効薬はなく、症状を抑えるための治療が中心となります。
風しんは、予防接種で予防することができます。
自分自身を風しんから守るためだけでなく、妊婦やその赤ちゃんを風しんから守るためにも、予防接種をうけましょう。
(定期予防接種対象者は無料、それ以外は任意の予防接種で有料となります)
1期:1歳以上2歳未満
2期:5歳から7歳未満で小学校就学前1年間(年長)
接種医療機関など詳しくは、お住まいの市町村窓口へお問い合わせ下さい。市町村窓口一覧(PDF:183KB)
5期:昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性のうち、風しんに係る抗体検査を受けた結果、十分な量の風しんの抗体がないことが判明した者
妊婦を守る観点から、特に次の条件の方のうち、抗体価が充分であると確認できた人以外の人は接種を受けることをご検討下さい。
※医療機関を探す場合は、「やまなし医療ネット」を利用してお近くの医療機関を検索することができます。
「やまなし医療ネット」→「いろいろな条件で医療機関を探す」→「予防接種」→「検索条件(市町村・風しん)」を入力
今現在の実施状況については、必ず事前に電話で医療機関に問い合わせをし確認を行ってください。
弱毒株ウイルスを培養・増殖させ、凍結乾燥したものです。弱毒株ウイルスのため、接種しても通常の風しんと違ってほとんど症状は出ませんが、風しんウイルスに対して免疫を得ることができます。
現在は、麻疹(はしか)ワクチンと混合した麻疹風疹混合ワクチンが定期の予防接種に用いられています。
風しんは小児の場合、通常あまり重くない病気ですが、妊婦、とくに妊娠初期の女性が風疹にかかると「先天性風しん症候群」の赤ちゃんが生まれる可能性があります。また、風しんに感染すると、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症を起こすことがあります。大人が感染した場合は、小児に比べて発症期間が長く、関節痛がひどいことがあります。
必要です。風しんは、上記の問いのようにまれに重い合併症を起こすことがあります。また、妊娠中の女性や、妊娠中の配偶者あるいはパートナー(女性)にうつすことで、生まれてくる赤ちゃんに「先天性風しん症候群」と診断される可能性が生じます。
また、平成23年度の感染症流行予測調査によると、30代から50代前半の男性の5人に1人、20代の男性は10人に1人が風しんに対する免疫をもっていませんでした。
風しんの合併症から身を守り、家族への感染を予防し、将来自分たちの子供を「先天性風しん症候群」から守るためにも、男性も可能な限り、早めに風しんの予防接種をうけてください。
妊娠出産年齢の女性が風しんワクチンを接種する場合には、妊娠していない時期(生理中またはその直後がより確実)にワクチン接種を行い、その後2ヶ月間の避妊が必要です。妊婦が風しんの予防接種をうけることはできません。
すでに風しんにかかったとの記憶のある人たちに血液検査を行ったところ、約半分は記憶違い、または風しんに似た他の病気にかかっていたという調査結果もあります。風しんにかかったということが血液検査等で確かめられていない場合は、必ずしも信頼できません。これまで風しんの予防接種をうけたことがないのなら、なるべく早く予防接種を受けることをお勧めします。
たとえこれまでに風しんにかかっていたとしても、予防接種をうけることによって特別な副反応がおこるなど、問題がおこることはありません。過去に風しんに感染していても、今、予防接種を行うと風しんに対する免疫をさらに強化する効果が期待されることもあるのでより安心です。
妊婦の家族のなかで、風しんに対して免疫がない方がいる場合には、その方から妊婦に風しんをうつしてしまう可能性があります。これを防ぐために、家族の方はできるだけ早く接種を受けることが勧められます。もし、麻疹(はしか)ワクチンを1歳以上で2回受けたことがない妊婦の家族は、風しん予防と麻疹予防の両方の観点から、麻疹風疹混合ワクチンを選択することをお奨めします。
その心配はまずないといってよいでしょう。ワクチンウイルスが周囲の人に感染したとの確かな報告はこれまでにありません。むしろ、予防接種を受けていない家族が自然感染を受け、そこから妊婦が感染を受けるほうがリスクは高いと考えられます
山梨県では、風しんや先天性風しん症候群の発生を防止するために、妊娠を希望する女性等や昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性を対象に各保健所において無料の風しん抗体検査を実施します。検査の結果、風しんに対する免疫(抗体価)の低い者に対しては、ワクチン接種を推奨し、風しんや先天性風しん症候群の発生防止につなげていきます。
詳細は、次のページをご覧ください。
(参考資料)
予防接種が推奨される風しん抗体価について(PDF:272KB)(平成26年2月厚生労働省)
「風しん」は、全数把握対象(5類感染症の一部)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。また、「先天性風疹症候群」を診断した医師は、7日以内に最寄りの保健所に届け出なければならない。
「風しん」は、第2種の感染症に定められており、発しんが消失するまで出席停止とされている。ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りでない。
上記のほか詳細な情報は、次のページをご覧ください。
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