トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県埋蔵文化財センター > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックス一覧 > No498岡・銚子塚古墳
ページID:90838更新日:2019年7月23日
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岡・銚子塚古墳は笛吹市八代町岡地内に所在する、県内屈指の規模を有する前方後円墳です。甲斐の古代史を解明する上で欠くことのできない貴重な存在と位置付けられ、1988(昭和63)年に「岡・銚子塚古墳」として、山梨県指定の史跡となりました。甲府市下曽根町の甲斐銚子塚古墳と区別するため、「岡」が付けられます。 後円部から見た古墳
所在地:笛吹市八代町岡 時代:古墳時代 報告書:八代町埋蔵文化財調査報告書第9集 『山梨県指定史跡岡・銚子塚古墳-保存整備報告書-』1995.3 調査機関:八代町教育委員会 丘陵側から見た古墳 盆地側から見た古墳 古墳の概要本県の前方後円墳は、全部で12基といわれています。12基のうち11基が甲府盆地の南東側にあり、南北ほぼ10kmの範囲内に存在しています(11基の内1基は工事により失われました)。かつては甲府盆地の沖積地にも少数の前方後円墳があったともいわれていますが、本県の前方後円墳は現状では極めて狭い地域に集中しています。 岡・銚子塚古墳は標高およそ422mにあり、甲府盆地をおおむね180°の視野で一望できる絶好の場所に立地しています。古墳の規模は、全長92m、後円部径48m、前方部幅41mです。本古墳については宝暦年間に発掘された記録があり、鼉龍鏡(だりゅうきょう)・仿製二神二獣鏡(ぼうせいにしんにじゅうきょう)の2面が拓本として伝わるなど、古くから知られていました。 古墳の実態については長く不明な点が多かったのですが、平成3年(1991)から同5年(1993)に調査が行われました。発掘調査では、古墳の墳端の位置、周溝の範囲や形態、主体部の位置や構造、葺石に覆われた墳丘面などが確認されました。 主体部と墳頂から見た盆地 岡・銚子塚古墳と甲斐銚子塚古墳の比較岡・銚子塚古墳は今から約1600年以上前の4世紀後葉に築造されました。甲府盆地において、4世紀後葉の前後に築造された古墳には、甲府市の大丸山古墳、甲斐銚子塚古墳、丸山塚古墳、南アルプス市の物見塚古墳があります。これらの古墳の中で、岡・銚子塚古墳と甲斐銚子塚古墳は、密接な関わりをもちながら、ほぼ同時期に築造されたと考えられています。 両者を比較すると以下のようになります。 主体部と副葬品甲斐銚子塚古墳の主体部は竪穴式石室で、副葬品には仿製三角縁神獣鏡(ぼうせいさんかくぶちしんじゅうきょう)・環状乳神獣鏡(かんじょうにゅうしんじゅうきょう)などがあります。岡・銚子塚古墳の主体部は粘土槨(ねんどかく)で、鏡3面の出土は知られていますが、鏡式が明確なものは鼉龍鏡と仿製二神二獣鏡の2面だけです。両者の主体部の違いは権力の差によるものと考えられます。また鏡については、甲斐地域の首長たちにとって三角縁神獣鏡ないし環状乳神獣鏡によって同族関係を承認し合うことが重要であったと考えられています。つまり、岡・銚子塚古墳は甲斐地域の首長たちの古墳とは一線を画しており、岡・銚子塚古墳の被葬者は八代地域の首長と捉えられています。 埴輪甲斐銚子塚古墳、岡・銚子塚古墳ともに、同時期の同じような埴輪が出土しています。二つの古墳がほぼ同じ時期に築造されたことがうかがえます。現在(令和元年7月13日~)、考古博物館夏季企画展「山梨にでっかい古墳ができたわけ。」において、埴輪の展示がされています。 古墳の立地甲斐銚子塚古墳は丘陵下の標高約260mの平野部に立地しています。それに対して、岡銚子塚古墳は丘陵上の先端部、標高約422mの非常に見晴らしのよい地点に立地しています。立地の選び方が違う両者の間には、やはり一線を画する理由があったのかもしれません。 岡・銚子塚古墳から見た盃塚古墳 盃塚古墳から見た岡・銚子塚古墳 おわりに岡・銚子塚古墳の周囲は、「八代ふるさと公園・古墳の広場」として盃塚古墳とともに整備され、一般に開放されています。多くの人々が古墳と直接ふれあい、憩い、集うことができます。ぜひ訪れて、古代のロマンを感じてください。 参考文献:山梨県立考古博物館山梨県埋蔵文化財センター『研究紀要14』1998 山梨県『山梨県史資料編1原始・古代1』1998 次の遺跡トピックスへ|遺跡トピックス一覧へ|一つ前の遺跡トピックスへ
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