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ページID:4495更新日:2016年2月1日

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遺跡トピックスNo.0117鰍沢河岸跡

富士川町の遺跡

  • 0005鰍沢河岸跡-泥めんこ-
  • 0025鰍沢河岸跡-礎石建物跡・井戸-
  • 0027鰍沢河岸跡-石垣・粘土枠遺構-
  • 0030鰍沢河岸跡-口留番所跡-
  • 0035鰍沢河岸跡-道・区画-
  • 0047鰍沢河岸跡-胞衣壺-
  • 0048鰍沢河岸跡-磁器・泥めんこ-
  • 0068鰍沢河岸跡-文政の大火-
  • 0092鰍沢河岸跡-目薬瓶-
  • 0113鰍沢河岸跡-元禄一分判金-
  • 0117鰍沢河岸跡-文政の大火と磁器-
  • 0188鰍沢河岸跡-荷物置き場-
  • 0203鰍沢河岸跡-竹製の水道管-
  • 0208鰍沢河岸跡-陶器製湯たんぽ-
  • 0242鰍沢河岸跡-御蔵台-
  • 0270鰍沢河岸跡-うさぎ文様の茶碗-
  • 0351鰍沢河岸跡-お茶碗にみるものがたり-
  • 0359鰍沢河岸跡-統制番号製品-
  • 0015町屋口遺跡-水路・道路-
  • 0291町屋口遺跡-明治時代の磁器-
  • 0360町屋口遺跡-河岸お蔵道-
  • 0114青柳河岸跡-石垣-
  • 0158平野遺跡-焼失住居跡-
  • 0375鰍沢河岸跡-泥めんこ-

文政大火皿5枚

写真(熱を受けた痕跡がある)五枚組の中皿

 

これは鰍沢河岸跡から出土した五枚組の磁器の皿です。写真ではわかりにくいのですが、ふつうの磁器に比べると、表面の光沢がなく、しかもザラついています。さらに、割れ口をみても、落として割れたにしては、妙な形です。

この皿を、調べていったところ、鰍沢河岸が被った災害の痕跡が刻まれていることがわかりました。

鰍沢文政大火_皿1506鰍沢文政大火_皿1507鰍沢文政大火_皿1508

写真五枚組の中皿の実測図

 

これは五枚の磁器の皿の実測図(白黒)です。絵柄の上にある線は、割れ口を描いたものです。この形は、落としたり、ぶつけたりした衝撃で割れたものとは思えません。

そうです、高温にさらされ、ゆがみに耐えきれずに割れたものなのです。表面のザラザラになったのは、熱により表面のガラス質の釉薬が溶けたからなのです。

鰍沢文政大火_皿1509鰍沢文政大火_皿1510

写真五枚組の中皿の実測図

 

五枚の皿の割れ口の位置を観察すると、似ています。どうやら、重なった状態で熱を受けたらしいのです。非常な高温に達するというのは、陶磁器を焼く窯(かま)の可能性がありますが、この磁器は九州産なので、こんな出来そこないがはるばる運ばれてきたとは考えられません。

文政大火とは…

鰍沢河岸では、文政4四年(1821)正月に、年貢米を収めた御米蔵をはじめとして河岸問屋街の中心の70軒の家が焼けるという大事件となった文政大火がありました。五枚の皿は、このときに焼けたものなのです。(遺跡トピックスNo.0068大火事

鰍沢河岸遺跡遺跡トピックス

鰍沢河岸跡は、甲府盆地を代表する二大河川である笛吹川と釜無川の合流点からやや下流に位置する、江戸時代はじめに開かれた富士川水運の船着場を中心とする近世・近代の遺跡です。過去遺跡トピックスもあわせてご覧ください。

 

番号

遺跡名

テーマ

0005

鰍沢河岸跡

泥メンコ

0025

鰍沢河岸跡

横町地区第1区

0027

鰍沢河岸跡

横町地区第1区

0030

鰍沢河岸跡

石垣・建物跡

0035

鰍沢河岸跡

家の区画・道

0047

鰍沢河岸跡

胞衣壷

0048

鰍沢河岸跡

磁器・泥メンコ

0068

鰍沢河岸跡

文政の大火

0092

鰍沢河岸跡

ガラス製目薬瓶

0113

鰍沢河岸跡

元禄一分判金

熱を受けた痕跡がある酒器

 

文政大火銚子

写真熱を受けた痕跡がある酒器

 

この酒器も写真では区別が難しいかもしれませんが、表面に光沢がなく、ザラついています。この時代に流行した「蛸唐草文」で飾られた肥前産の高級品です。これをつかったのは、裕福な商家の旦那(だんな)だったのでしょうか。


火災で熱を受けた痕跡は郵便の消印のようなものです。文政4年の正月に、まさしくここ鰍沢河岸に実際に存在した道具であることが証明されているのです。
火災を受けた陶磁器は約240点あり、ようやく磁器が庶民に普及しはじめたことなど、当時の人々の暮らしぶりや流通の様子を解明する重要な資料です。


甲府盆地への陶磁器の流通は、富士川舟運を経て、ここ鰍沢河岸を通って、甲府城下など各地へ運ばれていました。ここでの出土品は、この当時の甲府盆地の陶磁器の普及の様子を物語るものと言えます。

 

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