トップ > 組織案内 > 観光文化・スポーツ部 > 山梨県埋蔵文化財センター > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックス一覧 > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.497東山南(B)遺跡(甲府市)?樽型ハソウ
ページID:90654更新日:2019年7月8日
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曽根丘陵公園の遺跡0028国指定史跡銚子塚古墳-保存修理事業1-0040国指定史跡銚子塚古墳-保存修理事業2-0045国指定史跡銚子塚古墳-保存修理事業3-0096国指定史跡銚子塚古墳-立柱-0103国指定史跡銚子塚古墳-木製品-0110国指定史跡銚子塚古墳-火きりんぼう-0159国指定史跡銚子塚古墳-木-0318国指定史跡銚子塚古墳-鼉龍鏡-0335国指定史跡銚子塚古墳-立柱2-0374国指定史跡銚子塚古墳-壺形埴輪-0407国指定史跡銚子塚古墳-突出部と周濠区画帯-0391国指定史跡大丸山古墳-雪におおわれた前方後円墳-0126稲荷塚古墳-銀象眼大刀-03334月の中道古墳群-0388かんかん塚古墳-県内最古の馬具-0067立石遺跡-山梨最古の旧石器-0211上の平遺跡-方形周溝墓群-0299上の平遺跡-地震の痕跡-0097東山北遺跡-火打ち金-0192東山北遺跡-方形周構墓-0290東山北遺跡-ウマの歯と骨-0353東山北遺跡-鉄製品-0247東山南遺跡-把手付椀-0414鍋弦塚と『東山の碑』-
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遺跡の概要東山南遺跡は、甲府市下曽根町の甲斐風土記の丘・曽根丘陵公園内にあります。公園内にある風土記の丘研修センターの北東側に広がる弥生時代から古墳時代の遺跡です。1981年(昭和56)に東山南(A)遺跡、1989・1990年(平成元・2)に東山南(B)遺跡の調査が行われ、お墓が13基・住居跡が1件などの遺構が発見されました。お墓はその周りに溝が巡らされ、溝の中には、縄文時代から馴染みのある褐色の土器とは違い、青みがかった灰色の堅い器がありました。
所在地:山梨県甲府市下向山字東山(風土記の丘研修センター付近) 時代:弥生時代から古墳時代 報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第64・76集 調査機関:山梨県埋蔵文化財センター 関連トピックス:No.247 東山南(B)遺跡出土の須恵器 東山南遺跡出土の須恵器今回、紹介する須恵器は、「樽型ハソウ」といわれるもので、ワインやウイスキーを醸造する時に使う樽の形に似ています。壺の形をした須恵器のなかで、胴部に穴があいたものを「ハソウ」と呼んでいますが、「樽型ハソウ」の胴部にも穴が開いています。丸い胴部に沈線と櫛描波状文(くしがきはじょうもん)と呼ばれる波の模様も描かれています。胴部にある穴には、竹のような筒をはめて注ぎ口にして、液体を注いだと考えられています。 割れた破片を組み立てていくと、ほぼ完全な形になることから、誰かの手によってお墓で砕かれ、溝の中にまかれたようすが窺えます。 「樽型ハソウ」は、東山南(B)遺跡の他に、中央市(旧豊富村)宮の下遺跡、甲府市(旧中道町)朝日無名墳など県内では3点確認されていますが、坏のように日常的に使うものではなく、祭祀などに使う、貴重なものでした。 東山南(B)遺跡出土樽型ハソウ
樽型ハソウ実測図
須恵器は、今から約1600年前に朝鮮半島から導入された技術で作られますが、この時期の窯跡は県内では確認されていません。山梨県内で出土する古い時期の須恵器は、県外の大きな生産地から東山南遺跡のある曽根丘陵地域へ、人や技術とともに運ばれてきたと考えられています。その後、人や技術が伝わり、山梨県内でも窯が造られ須恵器の生産が広がっていきました。 |