ページID:20985更新日:2017年3月24日
ここから本文です。
開催場所:富士山レーダードーム館
テーマ:持続可能な富士山観光を目指して
今回の「県政ひざづめ談議」は、富士山の山小屋経営者らでつくる富士山吉田口環境保全推進協議会の方々と「持続可能な富士山観光を目指して」をテーマに意見交換を行いました。
知事は対話に先立ち、富士山における環境トイレの整備や清掃活動など、富士山の環境保全に取り組んでいる参加者に敬意を表したうえで、「世界文化遺産登録への動き、富士登山客数が過去最高を記録したことなど、富士山に対する注目度は非常に高くなってきていると思う。だからこそ我々は、日本国民共通の財産として富士山をしっかりと保全していかなければならない」などと話していました。
対話が始まると参加者からは、「落石防止等のために設置してある防護壁の後ろに土砂が堆積し、防護壁としての役割を果たしていない。登山者の安全を確保するためにも改修をお願いしたい」との要望が出され、知事は、「防護壁の設置や改修は毎年行っている。防護壁を高くしたり、堆積物を取り除いたり、安全確保のため出来るだけ急いで対応していきたい」などと答えていました。
また、別の参加者からは、「平成20年度は史上最高の登山者数となったが、富士山本来のキャパシティは既にオーバーな状態。このため、富士スバルラインも数キロに及ぶ交通渋滞が発生しており、8月のマイカー規制だけでは登山者等を抑制する効果はない。また、昨年の9月は、富士スバルラインの営業が24時間であったが、9月は山小屋の営業体制も万全ではなく、6合目の安全指導センターや7合目・8合目の各救護所は既に終了しているため、登山者の安全が確保されていない状況にある。登山者数を制限するため、通年でのマイカー規制を実施してほしい」などとする要望を、富士スバルラインの渋滞状況の映像を知事に見せながら話していました。
これに対し知事は、「交通渋滞が続いてしまうことは良くない。今年のシーズンは間に合わないが、来年のシーズンまでには駐車場を確保して、マイカー規制の期間を延長していこうと思っている」などと、マイカー規制の強化に向けた検討を行っていく考えを示しました。
さらに参加者は、山頂付近の混雑状況の映像を見せながら、「頂上直下はいつも大行列になるため、将棋倒しや落石による事故の危険性がある。そういう事故が起きると、富士登山に大きな影響を及ぼすことになる」とか、「夜間登山者や仮眠すらとらない登山者が多くなっている。ゆったりとした登山を増やすことで、登下山道の渋滞緩和に結びつく」などと意見を述べていました。
また、別の参加者たちは、「ここ数年残雪が多く、7月1日の山開きは厳しい状況になっている。実際の山開き(登山道の開通)を5日からに変更できないか」といった意見や、「AEDを山小屋に設置するなど、万が一に備えた体制づくりを順次行っている。また、安全指導センターにもクローラ(小型ブルドーザー)設置を行っていく」などと、登山者への安全確保に取り組んでいる状況を話していました。
さらに、「先ずは世界文化遺産登録への対応だと思う」との意見に対し知事は、「富士山の世界文化遺産登録に向けては、現在、静岡県と一緒になって頑張っている。数年後には何としても実現させたい」などと答えていました。
最後に知事は、「子や孫の代にまで持続可能な、そして安心・安全な富士登山を実現していきたいという皆さんの姿勢は大変大事なこと。富士山にかかわっている皆さんから直接話を聞き、その状況が良く分かった。検討すべき点は一緒になって考えていきたい」などと感想を述べて対話を終了しました。
詳細はこちら県政ひざづめ談議結果概要(富士吉田市H21年1月21日)(PDF:59KB)