ページID:34542更新日:2017年3月24日
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開催日時:平成22年11月22日(月曜日)午後2時30分~
開催場所:山梨県酪農会館(昭和町)
テーマ:酪農業の展望
今回の「県政ひざづめ談議」は、山梨県酪農業協同組合の組合員など11名の方々と、「酪農業の展望」をテーマに、清里ミルクプラントの飲むヨーグルトの味を楽しみながら、意見交換を行いました。
対話に先立ち知事は、「酪農を取り巻く状況が厳しい中で、皆さん本当にご苦労しておられると思うが、そういう中にあっても、清里ミルクプラントやふじがね高原牛乳などの新しい銘柄を出すなどして努力なさっていることに対して、大変うれしく思っており、ぜひバックアップをしていきたい」などと述べ、参加者から、口蹄疫問題、猛暑の中での乳房炎、さらにTPP問題など酪農業が抱える課題や現状を熱心に聴いていました。
対話が始まると参加者は、「高齢化により酪農業をやめていく方が増え、3代目の後継者、跡継ぎが減ってきている。富士ヶ嶺は首都圏から近いこと、富士山や富士五湖の観光地に近いこともあり、新たに酪農を始めたいという若い世代の方々が多いが、土地や牛、資機材などの設備の問題で断念してしまう人がいっぱいいる」とか「酪農業は土地を購入するにも信頼関係が必要となり、新規参入が難しい業種である」とか「行政には地域の人たちと新規参入者のパイプ役になってもらいたい」などの要望や課題を知事に伝えていました。
これに対し知事は、「新規に酪農業をやりたいという方々がいながら、それが実現しないのはもったいない。新規参入が多い他県の状況などを参考にしながら、検討する必要がある」と答えていました。
別の参加者からは、「酪農試験場で、どんどん受精卵を生産して農家に供給してもらいたい」とか「酪農家の労働の軽減や頭数を増やすためにも和牛と同じように乳牛でも初妊牛を売却するシステムを作ってほしい」との要望が出されました。
また、参加者から、「酪農が産業としてブランド化していくほうがよいと考えるか」という問いかけに対して、知事は、「乳として出すよりは、知恵を絞って、いろいろな加工をし、付加価値を高めていくことが大事だと思う。清里の良いイメージを売りにして東京などに出すと評判がいいのではないか」と応答していました。さらに、県内で唯一『搾乳ロボット』を導入している経営者が参加者の中にいることを知ると、ロボットのシステム的なこと、経費や導入に伴う効果などを興味深く聴いていました。
このほか、参加者から、「農業用機械に係る軽油引取税の免税申請手続きの簡素化」「八ヶ岳牧場での子牛育成のための人員確保」「県産の黒毛和種の生産拡大」「シカによる牧草地の被害などへの支援」「牛乳消費拡大に向け、子育て中の母親に牛乳の価値を伝える運動“MILKJAPAN(ミルクジャパン)”への協力」などについての要望等が出されました。
最後に知事は、「若い皆さんがいろいろな悩みを抱えながら、一生懸命、山梨の酪農を振興するために頑張っておられるということを知り、心強く思った。同時に、いろいろな問題、課題があって、大変苦労しておられるなというようにも感じた。財政的な制約もあり、それらの課題等にすぐに対応するというわけにもいかないが、皆さん方の悩みは、よくわかったので、少しでも応えられるように、努力していきたい」などと感想を述べ終了しました。