ページID:22467更新日:2017年3月24日
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開催日時:平成21年1月28日(水曜日)午後2時~
開催場所:山梨市フルーツセンター
テーマ:女性が支える地域農業の推進について
今回の「県政ひざづめ談議」は、JAフルーツ山梨に所属する女性農業者の方々と「女性が支える地域農業の推進について」をテーマに、女性の参画を促進して、元気な地域農業を創っていくための方策などについて意見交換を行いました。
対話の冒頭、知事からは、「農政は県政の中でも重要な分野。今日は、低迷・凋落傾向にある農業について、専業農家に限らず、日ごろから色々な問題意識をもって農業に取り組んでいる皆さんから、是非お知恵を拝借したい」との話がありました。
これに続き、参加者からは、まず「農業だけでは、生計が苦しい。農作物の価格は20年前と変わらないのに、物価だけは上がっている。専業でやっていくためには、価格の安定が必要」「特に新興住宅地などでは、農薬使用について住民の理解を得るのが難しい」との現状や、「専業でやっていた父や母が亡くなったため、現在は夫とともに兼業で農業をしている。農協の指導もとてもありがたいが、近所の農家の方から色々と教えていただいて感謝している」などの感想が紹介されました。
一方、別の参加者からは、「後継者難はあるが、農業経営を法人化し、果物産業を守り、後世に残していくとの気概を持って取り組んでいる。生の果物の消費が年々落ち込んでいる中で、加工に向く果物をつくるような発想の転換をし、農業で食べていけるような方策を考えてはどうか」との意見も出されました。
これらの意見等に対して知事は、現状に理解を示しながら「価格低迷と労賃高・資材価格の高騰などによる赤字では、人のために農業をやっているようなもの。山梨市は、二地域居住でも人気のある地域なので、労働力確保や遊休農地対策には、二地域居住者を活用していくことも考えられる」と伝えるとともに、「従来の農業政策だと、人口減の中で消費は落ち込む一方であり、加工など新しい取り組みを始めないとジリ貧になる。輸出も一つの方策」や「法人化して従業員を雇うということも、これからの農業の望ましいあり方の一つ」などとの考えを示していました。
さらに別の参加者からは、「農業後継者が減っているが、今は、身体を張り真っ黒になってやる農業ではないので、そのイメージを変えてほしい」や、「体験農業やグリーンツーリズムなどによって遊休地を有効に使いたい」との意見や「せめて軽トラがすれ違うことが出来るように農道を拡幅して欲しい」との要望も出されました。
また、「後継者不足で、5年経つと地域の風景が変わってしまうのではないか」と先行きを不安視する声が上がる一方、「農業は作ることも大事だが、今は、企画とプロデュースを考えていくことが大切。出荷できないような農産物でも高く売れる時代。自分たちが、どういうところに出し、どういうふうにそれを売っていくのかということを考えていくことが必要」とか、「野菜を作りたいという需要も結構あるので、遊休地を貸せば果物でなくても農地は残る」や「企業と連携して新たな加工品など開発していけば、苦労して作った果物を廃棄してしまうこともない」など将来を見据えた意見も出されました。
これに対して知事は、「最近、若い人が農業に関心を持ち始めている。環境、食の安全を大事にする今の時代に農業は合っている。都会向けにPRすれば、来る人も多い。今後も、農産物や就農へのPRに力を入れていく」と答えていました。
最後に知事は、「県が考え心配していることを、皆さんも同じように心配していることがわかった。何とか問題を解決し、素晴らしい果樹地帯が遊休農地だらけになることのないように残したい。そして、儲かる農業が展開され、若い人が後に続くようでなければならない。そのためには、これまでと同じやり方ではダメなので、行政としても皆さんの期待に応えるように支援をしていきたい」と述べて対話を終了しました。