ページID:27772更新日:2017年3月24日
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開催日時:平成21年10月20日(火曜日)午後2時~
開催場所:サントリー(株)登美の丘ワイナリー
テーマ:県西部のワイン産地形成について
今回の「県政ひざづめ談議」は、日頃、ワイン振興にご尽力いただいている甲府果実酒組合に所属するワイナリーの17名の方々と「県西部のワイン産地形成について」をテーマに、魅力あるワイン産地を形成していくための取り組みや今後の展望などについて対話を行いました。
対話に先立ち知事は、「ワインは山梨の主力地場産業。県産ワインの質は高く、評価も内外で高まっていることを実感している。これは皆さま方の努力の賜物であり、さらにPRをすればファンが増えることは間違いない。私もトップセールスで県産、とりわけ甲州ワインを積極的にPRしている」と述べ、関係者のご努力に感謝の意を表すとともに、ワインをとおして山梨をPRしていきたいという考えを伝えました。
また、対話が始まるとまず知事は、参加ワイナリーのワインを手に取りながら、それぞれのワイナリーの歴史や現状などを熱心に質問していました。
その後、参加者の代表から、「フランスのボルドー地方は、メドックとサンテミリオンという2大産地があり、うまく観光に活かしている。山梨県でも北西部にかなり圃場が開設されてきているので、産地形成を図り、勝沼と合わせて知名度を上げていったらどうか。このことによって、宿泊客も増え、地域の活性化にもつながると考えている」という意見や、「良いワインには良いぶどうの確保が必要。ぶどうは昼夜の温度差が大きいと品質が良くなるということで、県北西部に畑が増えてきている中、この地域にも果樹の試験地を作ってほしい」とか、「農家の高齢化も進む中で遊休地が増えているが、遊休地を集積して合理的な営農を行っていくことや、鳥獣害対策に県の支援もいただきたい」という要望等が伝えられました。
これに対して知事は、「ワイナリーでも農家でも醸造用ぶどうを作りたいというところがあれば、県として基盤整備にできるだけ協力をしていく。合理化等には、従来の家族型経営ではなく、農業生産法人等による企業型の新しい農業の展開が必要だが、それには畑の集積も図っていかなければならない」などと答えていました。
また、別の参加者からは、「工事中の広域農道が来年辺りに完成する。この農道沿線には、ワイナリーや圃場が多くあり、今も増えている。この農道を、例えば「ワインディングロード」などと名づけて、ワイン業界や観光の振興に活かしていただきたい」という意見も出され、知事も「うまく活用していければよい」との考えを示していました。
さらに、参加者からは、「販売は輸入品に押されている。国産ぶどうを使うなら価格面では勝負にならないので、品質の良いものをつくっていくしかない」とか、「栽培コストを考えると、圃場はかなり大きな規模がないと採算が合わない」との意見も出され、これらに対して別の参加者からは、「自社農園だけではコスト面でも量的にも限界がある。多社で大規模な甲州ぶどうの農園を共有して、ぶどうを分け合うという形ができないか。それが、安価なぶどうの安定供給につながると思う」などの考えも紹介されました。
一方、「山梨には甲州やマスカットベリーAという素晴らしい誇るべき品種があるが、ボルドーに並ぶワイン産地としていくためには、それだけでなく、カベルネソービニヨンなど今評価の高い欧州系ぶどうを使っていかに良いワインをつくっていくかという視点も忘れてはいけない」との意見も出されました。
さらに参加者からは、「新たに圃場を開設するには多額な施設費用も必要なので、有利な支援措置がほしい」、「契約農家が高齢化する中、ポジティブリスト制に対する理解不足が見られるので、農薬散布に関する指導を強化してほしい」、「九州では冠婚葬祭の際に必ず焼酎が出てくる。山梨もそういうことをして少しでも販売につなげていただきたい」、「甲府駅周辺や街中で、甲州ワインに合う料理を提供する店を増やしていったり、歴史も含めてワインをPRできる施設が必要」などの意見も出ていました。
最後に知事は、「ワイナリーで醸造の努力をしておられる皆さんから、地に足の着いた貴重なお話しを伺った。県も皆さんの意見等をしっかりと汲み取りながら行政を進めていきたい。県などに色々な支援措置があるので、ぜひ相談をしてほしい」と伝えて対話を終了しました。
詳細はこちら県政ひざづめ談議結果概要(H21年10月20日甲府果実酒組合)(PDF:79KB)