ページID:26015更新日:2017年3月24日
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開催日時:平成21年7月22日(水曜日)午後2時~
開催場所:甲斐市「敷島保健福祉センター」
テーマ:充実した障害者支援について
今回の「県政ひざづめ談議」は、甲斐市において、障害者等に対するボランティア活動を行っている13名の方々と、「充実した障害者支援について」をテーマに意見交換を行いました。
対話に先立ち知事は、「甲斐市では、市民の福祉ボランティアと一緒になって、福祉活動を熱心に進めていると聞いている。皆さんには、日頃から障害者の生活向上のためにご尽力いただいており感謝する」と参加者に敬意を表すとともに、「障害者の福祉行政は市町村が中心となるが、県としても、できるだけ障害者の困ったところに手が届くようなきめ細かい行政を行っていく」と参加者に伝えました。
対話が始まると参加者からは、点字・手話・録音・朗読などそれぞれが参加しているボランティアグループの活動内容の紹介とともに、活動を通して日頃から感じている点などについて意見などが出されました。
まず、点訳活動を行っているグループからは、「活動のきっかけは市が実施した点字講習会」「障害児のために絵本を点訳している」「自動販売機の商品説明やポストの集荷時刻を点訳して貼ったり、市の観光パンフレットも点訳した」「普及啓発のため、学校で点字の体験学習を実施したり、点訳カレンダーを配布している」などの活動紹介があり、各グループとも、視覚障害者の会との交流を積極的に進めていきたいとの話がありました。
これに対して知事は、講習会を続けている甲斐市の熱心さに感心しながら、点訳にはどのくらい時間がかかるかなどと参加者に質問をしていました。
また、手話活動を行っているグループからは、「聴覚障害者は電話をすることができないので、二次障害としてコミュニケーション障害があるといわれる。甲斐市には災害時のために高齢者の要援護者台帳が整備されているが、聴覚障害者も登録して、いざという時に支援できるネットワークを整えてほしい」との意見が出されました。
さらに、「手話奉仕員はイベントやレクのお手伝い等なら可能だが、会議となると専門の手話通訳者でなければできない」「手話奉仕員となっても活動の場は多くはなく、活動しないと覚えたことも忘れてしまう。手話奉仕員は障害者と地域を結ぶ役目を果たしているので、ステップアップのための講座が必要」とか、「障害者への理解を深めるために、交流会などの触れ合う機会が必要」との意見も出されました。
一方、市の広報などをテープに録音するサービスを行っているグループからは、録音作業にかかわる苦労話が出されるとともに、本当に必要な情報は何かなどについて直接お話を伺うために、やはり「視覚障害者との交流の場が必要」との意見がありました。
これに対して知事は、「聴覚障害者を対象に朗読会などを実施することも交流をもつための一つの方法ではないか」との考えを伝えていました。
このほか、図書貸出サービスを実施しているグループからは、「本を届けるだけでなく、心のふれあいを大切にしているが、後継者がいないのが問題」であること、車イスダンスを進めるグループからは、「障害者も健常者と同じようにバリアフリーでダンスを楽しめる環境づくりを目指しており、車イスダンスはリハビリにもつながるので大切」であること、さらに、学校等での福祉講話を推進しているグループからは、「福祉講話は、障害という個性を持っている人の生活に共感し、共生社会を理解するよい機会。是非福祉講話を拡大してほしい」との意見等も出されました。
最後に知事は、「ボランティア体験を聞かせていただきありがたい。それぞれが障害者のために頑張っていることは大変貴重なこと」と述べたうえで、「障害者支援は行政だけではカバーできないことが多く、地域の善意の活動が不可欠。多くの方をこのような活動に取り込んでいくにはどうしたらよいかを考えていきたい」と伝えて対話を終了しました。