ページID:117122更新日:2024年12月13日
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2025年、団塊の世代すべての方が75歳以上の後期高齢者になり、介護を必要とする人の割合は今後さらに高まると見込まれています。
一方、家族介護の担い手は少子高齢化に伴い減少しており、地域経済を支えている世代が仕事と両立を図りながら対応していかなければならない状況が生まれています。
また、近年は晩婚化の影響から、子育てと介護の時期が重なるダブルケアのケースもあるなど、状況も複雑になってきています。
経済産業省によると、こうした仕事をしながら家族等の介護を担う、いわゆるビジネスケアラーは、2030年には家族を介護する833万人のうち約4割(約318万人)に上ると推計されています。
仕事と介護の両立が困難になると、身体的にも精神的にも負担が大きくなり、従業員の介護離職につながりかねません。
また、経済産業省によると、こうした従業員の介護発生に伴う負担等は労働生産性の低下を引き起こし、中小企業(製造業:従業員数100名)では1社当たり年間773万円の損失が生じると推計されており、企業活動にも大きな影響をもたらすことが想定されます。
こうした状況の中、育児・介護休業法が改正され、次の内容が新たに事業主の義務になります(令和7年4月1日施行)。
○介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
○介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供
○仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備
また、要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるようにすることが努力義務になります。
なお、詳しい内容は、厚生労働省ホームページ「育児・介護休業法について」をご覧ください。
仕事と介護の両立を図るには、企業内での介護休業制度の整備や業務効率化のための業務改善など、従業員が働きやすい職場環境づくりを進めることが重要です。
県では、県内企業等における働き方改革を推進するため、働き方改革アドバイザーが企業等を訪問し、就業規則の見直しや業務改善に向けたヒアリングを行い、課題を解決するための「働き方改革プラン」を無料でご提案しています。
また、「働き方改革プラン」に取り組む企業等に対して、社会保険労務士や業務改善コンサルタント、ICTアドバイザーを無料で派遣し、働き方改革に向けた取り組みを支援していますので、ぜひご活用ください。
さらに国では、仕事と介護の両立を図るための制度を紹介する特設サイトや企業経営者向けのガイドラインを公開していますので是非ご覧ください。
厚生労働省 介護休業制度特設サイト
経済産業省 仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン
家族等の介護はいつ始まるのか分からないことがほとんどです。
そのため、介護について知識を身につけておくことやお住まいの地域で介護相談ができる「地域包括支援センター」について知っておくことがとても大切です。
また、家族と将来的な介護のことやどんな人生を送りたいか話をしておくとよいでしょう。
そして、もし介護に直面したときには、自分や家族だけで解決しようとせず、介護のプロに助けてもらいながら、仕事を辞めずに働き続けられる体制づくりを日頃から考えておきましょう。
(参考)厚生労働省ホームページ「介護離職ゼロ ポータルサイト」
県では令和6年7月18日に知事を本部長とする「山梨県ケアラー支援推進本部」を立ち上げ、その取り組みの第1弾として、「仕事とケア」の両立をテーマにしたビジネスケアラーセミナーを開催しました。
・ビジネスケアラーセミナー(令和6年8月20日開催)(内部サイトリンク)
<参加者の声> ※原文のまま
令和6年8月20日に開催されたビジネスケアラーセミナー後、御講演いただいた(株)チェンジウェーブグループ取締役である酒井穣様、同社ビジネスケアラー支援事業 法人営業部門 部長である中根愛様による知事へのインタビューを実施し、同社ホームページにてインタビュー記事が掲載されています。
知事のケアラー支援に対する思いが詰まった内容となっていますので、是非ご覧ください。