トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事臨時記者会見(令和元年12月3日火曜日)
ページID:92574更新日:2019年12月5日
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本館2階特別会議室 15時00分から
発表事項
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知事
静岡県と、医療健康産業政策の連携に関する協定を、来る17日に締結する運びとなりました。静岡県の川勝知事をはじめ、静岡がんセンターの山口総長、ファルマバレーセンター及び静岡県庁など、締結に向けてご尽力を賜りました関係各位に、心から感謝を申し上げます。協定におきましては、両県に集積している企業の特徴を生かして、企業間、産学官の連携及び協力を強化することで、世界展開を視野に入れた優れた医療機器等の開発を目標としております。これに向けまして、医療機器などの開発、産学官の交流、人材などの育成、情報発信などについて、両県で協力をして参ります。今後の展開ですが、医療機器関連産業の進展を図る本県にとりまして、この分野の生産金額が全国1位である静岡県との連携は、大変有益なものであると考えております。このため、本年度策定いたします県の計画の重要な柱に位置付けるとともに、今回の協定締結を契機として静岡県との連携を深め、様々な事業を展開して参りたいと考えております。今回の協定締結は、私どもが掲げておりますメディカル・デバイス・コリドー構想の実現のために、協議などを進めてきた成果であります。今後も、私自ら先頭に立ちまして、医療機器関連産業を本県の主力産業とするべく、静岡県と緊密に連携しながら、取り組みを強化して参りたいと思います。
記者
資料に静岡との比較の一覧がありますが、静岡は全国1位ということで、ファルマバレープロジェクト自体もかなり先行しているように伺っているのですが、この先行しているところと、まだまだこれからの山梨県が一緒になることで、逆に静岡の方がより際立って見える場合があるかと思うのですが、後を追う山梨にとって何が必要不可欠で、静岡から何を学び取ることが必要だとお考えですか。
知事
まずこのような産業において、本来は県境なんて全く意味のない話であり、例えば山梨の企業が静岡に行って、静岡の関連企業から仕事を受注することは十分良いことなわけで、向こうが主導するプロジェクトに参加するということも良いのではないかと思っています。ファルマバレーはできてからのノウハウの蓄積、知見の蓄積、あるいはネットワークの蓄積がありますので、そういうものを参考としながら、一刻も早く追いついていく、こういうことが重要だと思っています。もうひとつ、静岡に無くて山梨にあるものも多くあります。裾野の広い機械電子関連産業の蓄積があって、部材の提供から始まって、その情報を伝達することで、山梨にとってもプラス、静岡県にとっても大きなプラスになるだろうと思っています。更には、もうひとつの山梨の強みとして、山梨大学医学部があり、極めて積極的に医療機器開発のチームに入っていただいていますので、そういうリソースを共有することで、静岡にとってもメリットはあって、山梨はそういう分野でのリーダーシップを取ることができると思います。お互い敬意を持ってお付き合いをしていけるようにするためには、様々な医療に関するデータの蓄積をし、活用するというような方向性も探りながら、我々も貢献する、向こうからもメリットもいただく、そういう形をつくっていきたいと思います。
記者
今回の協定の締結はどちらから、いつぐらいに話をして、協定に至ったのでしょうか。
知事
衆議院議員時代から、静岡県のファルマバレーセンターには大変な関心を持っていて、医療立県、医療でその地域経済を盛んにしましょうという旗を振っていました。それに対して静岡のがんセンターの山口総長などが大変注目していいただいて長い交流もありました。今回、山梨県がメディカル・デバイス・コリドー構想を掲げたということで、ある意味相思相愛です。阿吽の呼吸で、こういう話になったと思います。
記者
具体的にいつからでしょうか。
知事
具体的なミーティングの日程とか、これまでの積み重ねは、後で産業労働部にお聞きいただければと思いますが、きっかけとしては先程お話ししたとおりで、それを今回、山梨県の産業労働部と先方で詳細に議論を詰めて、いい形に熟成をしていただけた成果だと思っています。
記者
知事は公約で、機械電子産業の医療機器産業への参入を支援していきたいという話をされていましたけれども、今後のビジョンとして、どんなことをお考えになっていますか。
知事
まず今その支援をする理由は、医療機器産業のマーケットは間違いなく大きくなり、しかも安定的に成長すると見込まれますので、そういうマーケットを県内の主力産業である機械電子工業に取り込むことができれば、これは県内企業の経営の安定性にも繋がりますし、企業経営が将来において安定して伸びるという見通しがあれば、そこに働く人たちの人生設計も見通しが利くようになって、家を建てるとか、家族を増やすというようなことを可能にさせるという効果があると思っています。そういう意味で、これから静岡とどういう協議を具体的にするかにもよりますけれども、いきなりハイエンドの最終製品を作るということができればそれに越したことはありませんが、例えばこれまでの高度に磨きをかけてこられた技術を使って、部品を提供するような形で参入するとか、そういう何らかの形で、商売に取り込んでいただける会社が増えるようにするのが、まず、具体的な現実的な第一歩ではないかと、私はそういうイメージを持っています。
記者
構想を実現していくためには、民間企業の協力が重要になってくると思うが、理解を広めるために県が力を入れていくことは。
知事
本日、医療機器分野参入に対する企業の関心について報道がありましたが、私は予想以上の関心の高さだと思っています。全ての企業が関心を持つわけではなく、ビジネス戦略があったり、現状利益が上がっているので参入する必要がなかったりするところもあると思います。そのような中で、約14%の企業が関心を持っているというのは、驚くべき事だと思います。既に参入して今後も事業展開をしようというところと合わせると、3分の1以上は関心があるというのは大したものだと思います。事業を進展させようと思う企業に参加していただければいいので、まずはそういう方々を成功させることが第一だと思います。リスクを冒して参入する企業に対して、我々はそのリスクを低減させ成功する確率を高めていきたいと思います。その成功をご覧になって、参入してみたいと思う企業に対してもお手伝いをしっかりしていこうと思います。誰かが上手くいけば、それを見習って参入するところが出てくると思いますので、我々がまずやることは、意欲をもっている方に参入していただいて、成功させることに尽きると思います。
記者
参入に対するハードルが高いと考えている企業もあると思うが、どうやって参入を促していくお考えですか。
知事
何が障壁であるのかはコミュニケーションをとってみなければ分からないので、関心を持っているところには、きめ細かく相談に応じる体制をつくる必要があると思います。また、人材という点については、山梨大学で講座を開いています。参入に対して分かりづらい点があれば、分かりやすく情報提供するような形を考えていくということだと思います。
記者
県外の医療機器関連産業を呼び込むというイメージもありますか。
知事
まずは県内の機械電子工業の仕事の幅を広げたい、既存の企業に取り組んでいただきたいということです。ただ、県外の企業に来ていただけるのは大歓迎であり、関心を持たれているのであればサポートをしていきます。
以上