トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成24年3月15日木曜日)
ページID:42337更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時00分から 発表事項
発表事項以外の質疑応答 |
記者
震災がれきの受け入れについて、野田首相が各都道府県に要請すると表明したわけですが、県内でも取材の中では、自治体の中でも受け入れを検討するというような声が出ているのですが、まず政府から山梨県に対して正式に要請が届いているかどうかというところと、届いている場合には、山梨県として市町村に呼びかけるなりの対応を取ると思うのですが、これまで知事は「基本的には市町村の判断」というスタンスだったと思うのですが、首相の要請を受けてより積極的に何かするお考えがあるのかその辺をお聞かせください。
知事
まだ、政府の方から要請文は来ておりません。しかしながら、あの被災地の復興に非常に苦労している状況を見れば、我々としてもできることは協力しなければならないという思いは強く思っております。ただこの震災がれきの問題というのは、本県の特殊な事情と言いましょうか、あの震災がれき、そしてそれを焼却した時の焼却灰を埋め立てる処分場がないということです。そのことにはご理解いただきたいと思うわけであります。震災がれきで焼却処分すべきものについては、これは基本的にはその焼却施設を持っている市町村が判断することであります。
したがって、いくつかの市町村がこれについて前向きに受け入れたいという意向を表明しておられるようでありますけれども、県としてはそうした市町村がこの問題に的確に対応できるように、県として情報提供するとか助言するとか、その他諸々のできる限りの協力はして行きたいと思っております。ただ先ほど言いましたように、焼却処分して出てきた焼却灰、これを埋め立てる場所がないものですから、結局もう一回県外の処分場に持ち出さざるを得ない。そうするとその県外の処分場のある地域の同意を取らなければならないという、他の県にはないハードルがあるということはご理解いただきたいと思います。
記者
先日、関東知事会が東京電力株式会社の電力料金の値上げに対して、もっと抜本的な経営改善策を示して欲しい、あと理由をもう一度きちんと説明してくださいという要請文を出して返答が帰ってきたのですが、それに対して知事も遺憾の意を表明していたところですけれども、改めて対応という話で先日コメントが出ていたのですけれども、もう4月には料金の値上げが迫っているので、3月中にどの様な対応を考えておられるのかお聞きしたいと思います。
知事
ご指摘のように、東京電力株式会社に対して関東知事会として値上げについて再考するようにと要請したところでありますが、それに対して東京電力株式会社から3月7日に要請に対する東京電力株式会社からの回答が出されたわけであります。その内容を見ると随分いろいろな事が書いてありますけれども、言っていることは過去にと言いますか、既に決定されている事について縷々説明しているということでありまして、関東知事会の要請を踏まえて新たにこういうことをやりますと言うものは1つもないということでありますので、我々としては非常に不満であり、遺憾に思っているところです。
これに対して、どのように対応して行くかということについては現在、各県と相談している最中であります。何と言っても9都県あるものですから、いろいろなご意見もありまして、今の段階でどのようにするという方向が固まっているわけではありませんけれども、いずれにしても4月1日が迫ってきているものですから、できるだけ早く方針を決めて対応したいと思っております。
記者
まず、国の放射線検査について、基準が厳しく改正されたわけですけれども、国の方の動きを受けて県として何か対応についてのお考えがあるようでしたら教えていただきたい。
知事
おっしゃるように、4月1日から従来の暫定規制値に変えて新しい基準値になるということであります。例えば、飲料水については10ベクレルパーキログラム、一般の食品については100ベクレルパーキログラムというような新しい基準値が適用されることになりました。
これに対して、県として何か新しい対応をするのかということですが、従来から既に検査等は万全の措置を行っているところでありまして、これも新しい基準が出たからと言って、県が具体的に付け加えて何か行うということは考えておりません。既に県産の農産物はもちろん、県内で流通している食品(放射性物質に汚染された牛肉など)、また、水、その他、大気はもちろん、環境等についても常時検査態勢をとっておりまして検査機器も充実しているところです。最も精度の高い検査機器はゲルマニウムを使用した機器、これは2,000万円ぐらいするわけでありますけれども、これもこの3月に1台入ってきますから合計4台になります。ゲルマニウム半導体検出器と言いますが、これだと食品中の放射性の測定が非常に精密にできるものです。
それからもう1つは、より簡易なシンチレーションスペクトロメータと言いますが、これを5台入れるということにして給食等の検査にも対応できるようにしようとしているわけでありますが、これは在庫が無くて7月にならないと入ってこないということであります。7月までの間もゲルマニウム半導体検出器を使用して、できるかぎり給食の検査もして行くということにしております。
そのような事で機器も徐々に整備もされ、それに応じて検体の数も増やしてきておりますので、今の状況を引き続き続けて行きたいと思っております。
記者
続きまして明野処分場についてなのですが、住民との話し合い、予算などもある中で検討して今後対応していくことについて、改めて教えていただきたいのですが。
知事
明野の処分場につきましては、皆さんご存知のように昨年の12月に再開するということで始めたわけですが、反対派の皆さんの妨害によって廃棄物の搬入ができないという状態になりました。そこで県としては、裁判所に対して妨害排除の仮処分の申請をしていたわけですが、これについて、2月29日にだいたい事業団の申立てどおりに仮処分の決定があったところであります。
そこで事業団としては、3月2日に搬入を開始するということにしたわけですけれども、仮処分があったにもかかわらず、再び同じ方々が妨害したということであります。
そこで、これは法律に則りまして、民事保全法という法律ですが、それに則って裁判所執行官にこの妨害排除の執行をしていただくしかないというわけでありまして、その事の申し立ては既に行ったところであります。現在、執行官がどのようにやっていくか検討中であります。今後は執行官にお任せするしかないわけであります。いずれにしても違法な妨害活動によってこうしたことを行うということは大変に残念なことであり、反対派の皆さんには司法の決定には従う、それが法治国家の基本理念でありますから、司法の決定には従っていただきたいとお願いしたいと思います。
それから、損害賠償請求の問題がかねてからございました。
2つありまして、1つは施工した業者に対する損害賠償請求、もう1つは今回、いま申し上げた妨害によって搬入を止めた反対派の住民の皆さんに対する損害賠償請求という、2つあるわけであります。
施工した業者に対する損害賠償の問題については、2グループの業者がありまして、1つは処分場そのものを施工した共同企業体の代表会社、もう1つはその施工が終わった後、「保護土」という土を入れた業者がいるわけです。その2種類の業者に対して、裁判を起こす前にそれぞれに対して責任をどう考えるかという質問状を出しておりましたところ、過日回答がありまして、いずれも責任はなく、したがって損害賠償はしないという回答でございました。そこで現在、弁護士と相談をしているところですけれども、損害賠償請求の準備を行って、準備が整い次第、裁判所に損害賠償請求を提起したいと思っております。
それから、妨害によって搬入を止めた反対派の住民の皆さんに対する損害賠償請求の問題でありますが、昨年の12月から今日までその妨害によって結果的に搬入が止まっており、数十日間、数千万円の損害が生じているというわけであります。これについては、仮処分の決定においても、裁判所が文書の中に事業団において収入が減少していることは明らかであると損害を認定しているところでありますから、事業団としては、損害賠償をしていくという前提で、現在、損害賠償請求に向けての検討を行っているところでありますけれども、これについては今後の状況を見ながら判断していきたいと思っているところです。
記者
直接、我が県とは関係がないかもしれませんが、今国会で地方自治法の改正案、リコール要件の緩和を含むものが提出されたと思うのですが、主には有権者80万以上ということで、我が県とは直接関係ないのですが、ただ、名古屋の市議会リコールが影響したものだと思いますが、民意をより反映できることに関しての是非と、(改正案の)中には副知事・副市長の専決処分が対象から外すということで、これは(本県にも)関係してくると思うのですが、ご所見を伺えればと思います。
知事
リコール請求については、かねてから、政令指定都市のような大都市については、なかなか成立しにくいと。有権者数が多いところは非常に難しいと。もう少し要件を緩めた方がいいのではないかと議論があって、これは、地方制度調査会で議論して、有権者数80万人以上については、6分の1を8分の1にするという改正が行われたということであります。そのこと自体は、それでいいのではないかと思っております。あと、副知事・副市長の専決処分については、私も詳細は承知しておりませんのですね、また良く調べてお答えをメモでお渡ししたいと思います。
記者
明野処分場の問題に戻ってしまうのですが1点だけ、住民の方がかねてから漏水検知システムの回路図を見たいと要請されていたかと思うのです。住民の方が情報公開請求をされて、住民の方から(事業団から)15日間の期間を延長して開示するかの決定を行うとの通知が来たと聞いているのですが、知事は昨年末に回路図は示しても良いのではないかと私は聞いているのですけれども、理事長としてどのような経緯で(延長の)決定がなされたのかを伺いたいのです。
知事
回路図については、(事業団の)情報公開規程に則って判断することですけれども、(環境整備課長に対して)回路図は既に(決定通知を)出したと聞いているのですが、どうでしたか。
環境整備課長
(3月)13日付けで開示決定の通知を事業団が出したと聞いております。相手方には、通知が届いていますので、手続きを進めているのか、今後進めていくのかまでは聞いておりませんが、決定の通知は13日付けで出しております。
記者
3月の13日ですか。
環境整備課長
3月の13日付けです。
知事
なにしろ膨大な資料ですから、ここの情報開示が難しいのは、例えば道路なら道路の設計図面の一切を出せとあったときには、膨大な資料をコピーして出していかなければいけないわけです。例えば一部屋全部入るぐらいの資料を請求された時に出すべきなのかどうなのか、どれほど分量が多くても請求があれば全部出すべきだという議論があるのだろうと思います。それから内容について、よく中身をチェックしたうえで出すということもありまして、時間がかかったと思いますけれど出すということだろうと思います。
記者
明野処分場に関連してなのですけれども、損害賠償を請求するということですが、これは提訴することを検討しているということでよろしいのでしょうか。
知事
損害賠償請求することを現在検討しているということであります。具体的に今後の対応については、状況を見ながら判断していくということです。
記者
そうしますと金額の規模ですとか、その辺りの見通しはいかがでしょうか。
知事
その辺のところは、今、弁護士と具体的な相談をしている段階でして、まだ金額とかその辺のことは決まっておりません。
記者
いつぐらいまでには決めるのかというお考えがあるのでしょうか。
知事
私は、まだ具体的にいつ頃までに弁護士との相談が終わるのかまでは聞いておりません。いずれにしても今後の状況を見ながら判断していきたいと思っております。
記者
一番最初の震災がれきの話に戻るのですが、1つは、基本的には焼却するものについては、各市町村の判断ということなのですが、各市町村、放射線量の安全性についていろいろと考えていらっしゃるところも多くて、県内に受け入れる際に、県として例えば放射線量の安全統一基準というものを考えていらっしゃるかということと、もう1つは、県内で焼却した場合に、他県の処分場に焼却灰を持っていかなければならないということなのですが、他県との交渉は多分、県同士で行わないとならないという部分もでてくる可能性もあり、それは市町村の域を超えて、例えば長野県に持っていく場合は、市町村が長野県と交渉するのか、山梨県として長野県と交渉してくれる場合も出てくると思うのですが、その辺について、県としての助言とか協力の範囲に入っているのか、その2点を教えてください
知事
県に持ち込む際の安全基準はどうかというお話しですが、焼却灰についての8,000ベクレルという基準があるわけです。したがって、焼却した後に8,000ベクレルにならないように、このがれき等についてはチェックしていかなければならない。そのことは、基本的には東北の被災地の方できちんとチェックをするということになっておりますし、県としてどのくらいという基準を作るかどうかですが、むしろ、それこそ正に国の方で基準を作ってもらいたいと思います。この8,000ベクレルというのは、焼却した後の焼却灰ですから、その前の、このがれきそのものについて、どのくらいまでのものなら安全なんだという、焼却した後に、8,000ベクレルになってしまったら困るわけでして、それこそ、国の方できちんとしたものを作ってもらいたい。それから、きちんと出るところでそれが大丈夫だという確認をしたうえで、出してきてもらいたいということだろうと思います。
そういうことは各知事共通の意見だと思いますから、知事会等を通じて、そういう要請はしていかなければならないと思っています。
それから、今度は焼却灰を外で埋めたてて、外に持っていくという時に、その県との交渉ということに、県としてどうするのかという件でありますが、基本的には焼却灰を外へ出していく、従来はそれぞれみんな埋め立てる場所が決まっているわけですが、そのルートを通じてやるわけでありますけれど、その際の相手方の地域の同意等について、県としてなにかやることがあれば、それはやることにやぶさかではありません。
記者
国の方で国家公務員の給与の引き下げが特例法で公布されたということで、総務省から通知が出ていると思うのですが、今度、地方としての判断は各自治体に求められるようですが、県としてどう判断するかということについてお願いします。
知事
国家公務員の給与を2年間7.8パーセント特例減額するという法律が成立したわけです。ご案内のようにその法律の附則の中に地方公務員の給与については、それぞれの地方公共団体が自主的に適切に判断するということになっているわけです。それは当然のことで、地域主権、地方分権の理念に則れば、国がああだこうだと指示することではないのであって、それぞれの自治体が自主的な判断で給与は決めていくべきものだと思います。
さて、今度は各自治体としてどうするかということになるわけでありますが、これはなかなか簡単に決まるものではないものでありまして、1つにはやはり、これはあってはならないことなのですが、国の中でのいろいろな議論があり、まず地方交付税等に絡む議論が出てくるだろうと思うのです。例えば財務省的な発想に立てば、国家公務員の給与が下がった以上、当然のことながら地方公務員の給与も下がるべきであると。下がるということになると、国が地方に出している地方交付税あるいは義務教育費国庫負担金がその分だけいらなくなる。したがって地方交付税及び義務教育費国庫負担金を減らしてもいいという議論が出てくるわけです。それに対して当然、地方は反発・反対するし、政府の中でも総務省は当然反対するわけであります。その辺の決着がどうなるかということが1つあるわけです。仮に万が一、それはあってはならないことですが、地方交付税減額ということになると、これはその分については少なくとも(給与の減額を)やらざるを得ないわけです、と言うのは、歳入がそれだけ欠陥状態になるわけですから、そこのところの議論の状況を見なければならないということがある。それから同時に本県ももちろんですが、各県がいろいろな検討をすると思います。そういう検討の状況をある程度お互いに情報交換をし合いながら、自ずからだいたいこの辺りでというところに収斂していくのではないかと思うのです。各県のそういった検討状況というものもお互いに情報を取りながらやっていかなければならないということもあります。そういうこともあるので、直ちに決まるというものではないのですが、そういうことを勘案しながら本県も決めていきたいと思っております。
記者
先ほどの国家公務員の給与カットについて確認までですが、例えば先ほど地方交付税の削減の部分で、山田全国知事会長が地方交付税などで地方公務員給与の削減を強制するのであれば、(国は)地方自治などについて発言するのは止めた方がいいのではないかと国をけん制しているのですけれども、知事としても当然同意見であるという考えでよろしいでしょうか。
知事
そのとおりだと思います。やはり自主的な判断で決めるべきものであって、一方的に国に100パーセント従うべきだとか、7割従うべきだとかは、国として指示する、指示をしないまでもその分の交付税を減らすというようなことはすべきではない。国がカットするということは地方交付税をカットしてそれを東日本大震災(の復興資金)の方に持っていこうということになるわけです。しかしそうではなくて、仮に自治体がカットしたとすれば、その分はその自治体の防災対策とか住民の福祉に使われるべきものであって、もちろん東日本大震災の復興は大事なことですけれども、その分国が召し上げて向こうに持っていって使うことはおかしいと、やはり仮にカットするとすれば、その分はその地方公共団体の住民の福祉のために使っていくべきだと思います。
記者
消防協会の使途不明金問題で、まだあまり全容が解明されているとはいえない状況だと思うのですけども、その後の調査はどうなっていますでしょうか。
知事
この問題については、ご承知のように、つい先頃、当面の措置として、消防団員個人、お亡くなりになった方とか、けがをした方には給付金が出るわけでありますが、これは個人に支給されるものでありますから、未払いのものはできるだけ早く支給しなければならないということで、日本消防協会から2千万円を借り入れて、今週中には原則として全部未払いのものは支払うということになっております。
あと残りの市町村に対する支払、日本消防協会に対する支払、そういったことについては、これは、法的責任のある会計担当者をはじめ法的責任のある者に対して損害賠償請求をして、その賠償を受けた金額で支払っていくということになるわけであります。
一方で、原因究明については、消防協会、それから県としても可能な最大のことはやっておりまして、その調査結果等については警察の方にすでにお渡しをし、警察当局とも告訴に向けて緊密に協議している最中であります。やはり捜査権がある捜査当局が、最終的にはきちんと事件の全貌を解明していただくことが必要でありますので、今協議中でありますけれども、告訴を受けて捜査機関においてできるだけ早く原因究明のための捜査をお願いしたいと思っております。
それから山梨県消防協会の内部の改善策としては、第三者委員会で議論していただいておりますけれども、内容についてはすでに公表されているとおりでありまして、人事の刷新をする、あるいは会計経理についてきちんとした会計準則に則って行う。それは当然として、第三者機関による外部のチェックというものをしっかりやっていく、そういったいくつかの改善策をとっていくことによって、この消防協会が市町村や消防関係者の信頼を喪失してしまったわけでありますが、できるだけ早く信頼を回復できるように努力していきたいと思っております。
(以上)