トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成24年2月13日月曜日)
ページID:41268更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
知事
平成24年2月定例県議会提出予定案件につきまして発表させていただきます。
2月定例県議会は、2月20日に招集することにいたしまして、本日、招集告示を行ったところでございます。
提出案件は、平成24年度当初分、平成23年度2月補正分を合わせまして、条例案38件、予算案28件、その他の議決案件9件、報告事項13件の予定でございます。
次に平成24年度当初予算につきましてご説明いたします。
一般会計の予算の規模は、4,618億1,030万4千円でございまして、これを前年度の6月現計予算と比較いたしますと、32億円余、0.7パーセントの減であります。なお、商工業振興資金特別会計への繰出金322億円余を除きますと、4,295億5,560万3千円となりまして、これを前年度の6月現計予算と比較いたしますと52億円余、1.2パーセントの減であります。
次に本県の財政状況につきましてご説明いたします。
明年度の本県財政は、歳入の面では、県税収入につきまして、地方法人特別譲与税を加えた実質的な法人二税が2.7パーセントと増加することなどによりまして、実質県税総額は2.7パーセント増の969億円余となる見込みであります。また、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税は、1,663億円余と、本年度とほぼ同額の見込みであります。このため、一般財源の総額といたしましては、若干の改善が見込まれるわけでございますが、他方、歳出面では、介護保険とか高齢者医療費などの社会保障関係費、あるいは公債費などの義務的経費の増加が避けられない見込みでございます。さらに、明年度は、県庁舎耐震化等整備のほか、県立学校の改築整備とか、職業能力開発施設の整備など、必要不可欠な大規模事業も実施しなければならないことから、所要の財源を確保する必要があります。こうしたことから、明年度も引き続き厳しい財政運営を強いられ、本年度と同額の65億円の基金の取り崩しを行うことによりまして、当初予算を編成したところであります。
次に予算編成の基本的な考え方についてでございます。
平成24年度当初予算編成に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえまして、徹底した歳出の見直しによる財政健全化を図りまして、将来にわたって安定した財政運営を推進していくことにしております。このため引き続き行財政改革を着実に推進すると同時に、財源の重点的、効率的配分を行うなど創意と工夫を重ねまして、第二期チャレンジ山梨行動計画に基づき、「暮らしやすさ日本一の県づくり」に向けた施策について、積極的な予算計上を図っております。加えて、本県では東海地震などの大規模災害が想定されていることから、山梨県地域防災計画、第二次やまなし防災アクションプランに基づく防災施策につきましても積極的に計上いたしまして、防災体制の一層の充実・強化を図ることとしたところでございます。
次に、平成24年度の主な施策について申しあげます。
まず、安全・安心な県民生活の確保についてであります。
防災体制の強化につきましては、「大規模災害時におけるヘリコプターによる広域航空応援の受け入れ体制の確立を図るための消防防災航空基地の機能強化」、「災害時の広域活動拠点となる小瀬スポーツ公園や富士北麓公園等への防災行政無線の増設」、「福祉施設入所者などの災害時要援護者の避難支援体制の強化」、「私立学校が実施する耐震診断への助成」、「NPOやボランティア団体等と協働して被災者支援や救援活動を行うための研修等の実施」、「木造住宅耐震化の支援策の拡充」など、「第二次やまなし防災アクションプラン」に基づく具体的施策を重点的に実施して参ります。
また、保健医療の充実につきましは、「肝がん予防のための検診機器整備に対する助成や、県立中央病院への通院加療がんセンターと遺伝子分析施設の整備」、「がん患者や家族などへの相談支援等を行うがん患者サポートセンターの設置」、「ドクターヘリの導入による救命救急医療体制の更なる充実」、「産科医の育成・確保に対する支援」など、医療サービス体制の確保に向けた取り組みを推進して参ります。
さらに地域福祉の推進につきましては、「高齢者が住み慣れた地域において安心して生活できるような多様な生活支援サービスが適切に提供される体制の整備」を進めるとともに、「身体障害者等用の駐車場の適正利用を図るパーキングパーミット制度の導入」などの施策を展開して参ります。
次に、環境施策・クリーンエネルギーの推進についてであります。
まず、環境施策につきましては、「荒廃した民有林や身近な里山林の整備」、「県産材の学習机や椅子の小学校などへの導入の助成」、「県内各地で森林整備を行うNPO等の民間団体への支援」など、森林保全等を目的とした新税を活用した取り組みを推進して参ります。
さらに、クリーンエネルギーの推進につきましては、「次世代省エネモデル住宅の普及促進」、「個人住宅における太陽光発電設備の設置への助成」、「米倉山への実証試験用の太陽光発電所の建設」、「小水力発電所の整備」など、「クリーンエネルギー先進県」を目指した取り組みを推進して参ります。
次に、産業経済の活性化についてでございます。
まず、新産業の創出や中小企業の海外展開の支援につきましては、「燃料電池関連産業の集積・育成を促進するための人材育成や研究開発等に対する支援」、「燃料電池の実用化に向けた水素ステーションの適地調査」、「海外展示会への出展に対する支援の拡充」、「本県の企業と台湾企業とのマッチングによる中国市場への販路拡大への支援」、「海外の販路開拓に意欲的な中小企業者に対する中国や東南アジアの専門家による指導助言」など、本県の経済を支える産業施策を積極的に推進して参ります。
また、農業の振興につきましては、「農地調整員や農地利用集積アドバイザーの設置」、「アグリマスターによる就農定着支援や農業協力隊事業の実施」、「就農前後に一定の所得を確保する青年就農給付金の交付」、「醸造用ぶどうの生産に取り組む企業への技術支援」、「新たな認証制度による本県産農産物のPR」、「国内外でのトップセールスや販売促進フェアの開催」、「有機農産物の販路拡大への支援」、「クニマスの保護、増殖」など、新規就農や販路拡大等の施策を積極的に推進して参ります。
さらに、観光の振興につきましては、「観光事業者等へのおもてなし専門アドバイザーの派遣やおもてなし功績者の表彰」、「景観形成モデル地区で市町村や住民が行う修景事業への助成」、「ウェルネス・ツーリズム推進のための協議会の設置やモニターツアーの実施」、「外国人観光客の誘客促進キャンペーンの実施」など、おもてなしのやまなし観光振興条例に基づく施策を積極的に推進して参ります。
次に、教育・文化の振興についてであります。
まず、教育の振興につきましては、「少人数学級編制を拡大し小学校4年生への拡充」を図ること、「県立学校への冷房設備の整備」をすること、「ふじざくら支援学校の増築あるいは、わかば支援学校の改築」など、豊かな個性を伸ばす教育環境づくりの推進を行って参ります。
また、文化の振興につきましては、「本年11月に開館となる新県立図書館の整備」、「富士山世界文化遺産の登録に向けた取り組み」、「明年1月全国初の通年開催となる『富士の国やまなし国文祭』の開催」など、全県挙げての取り組みを推進して参ります。
次に、交通ネットワークについてでございます。
リニア中央新幹線につきましては、「リニアを活用した基盤整備や活性化方策の基本的指針となるリニア活用基本構想の策定」、「リニア見学センターの再整備」など、早期実現に向けた取り組みを推進して参ります。
また、公共交通の活性化につきましては、「郊外店舗の空き駐車場を利用したパークアンドライドの推進」をして参ります。
さらに、道路網の整備につきましては、中部横断自動車道の整備促進など、
県外とのネットワークの確立と交通の円滑化を推進して参ります。
次に、平成23年度2月補正予算についてご説明させていただきます。
まず、公共事業、県単公共事業につきましては、国の4次補正予算に伴いまして公共事業費9億円余を計上するとともに、大震災を教訓として緊急に実施する必要性が高く即効性があり、同時に地域経済の活性化にも資する県単独公共事業費15億円を追加計上することにしております。
次に、基金につきましてご説明いたします。
「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金や妊婦健康診査臨時特例交付金」など、国の補正により追加配分された各種交付金等を基金に積み立てまして、明年度以降の事業に充当することとしております。
また、事業費の確定などを踏まえまして、本年度の財源対策として予定しておりました基金の取り崩しを全額回避するとともに、将来の県債償還のため、県債管理基金に38億円の積み立てを行うこととしております。
さらに、「中部横断自動車道の新直轄区間に係る普通交付税の特例措置額10億円」、「近年の貸付実績の減少に伴い市町村振興資金特別会計に滞留している資金の一部である43億円」につきまして、財政調整基金に積み立てを行うこととしております。
以上が、2月定例県議会への主な提出案件でございます。
以上であります。
記者
新年度予算の重点的な施策に防災対策費用を積極的に計上されておりますが、やはり東日本大震災という想定外の震災があった中で、山梨県も地震とか富士山の噴火への対応・対策が急務ということでしょうか。
知事
これは、おっしゃるとおりです。大震災の教訓を最大限に生かしていかなければならない。とりわけ本県の場合には、東海地震の切迫性が指摘されておりますし、富士山噴火の懸念もあるわけでありますから、防災対策は万全を期していかなければならないわけであります。そのような意味で、今回は防災施策について特別に充実を図ったということであります。
記者
大阪府と大阪市の教育基本条例案についてお伺いしますけれども、この大阪府も大阪市も2月議会に提出する予定である大阪維新の会が考えた教育基本条例案ですが、肝は教育行政と政治への関与に関することであると思うのですけれども、橋下徹大阪市長によると教育委員会は形骸化しているというような発言もあったりして、全国にそれが一連に言えるとは思えないのですけれども、知事は予算編成権が知事側にあるのであれば、教育の件に関する中立性というのはあって、その辺はどのように教育基本条例を見ているのか伺えますでしょうか。
知事
教育基本条例は、いろいろの事が書いてありまして、3年連続で定員割れした高等学校は統合の対象にするであるとか、校長や教頭、副校長の任期を切って成果を求めるであるとか、かなり成果主義的なことが書かれてあったり、首長が教育の目標を定めてその目標実現にふさわしくない教育委員は罷免するであるとか、あるいは一定の方針に反する行為を行った、人事評価で一定の基準に合わない教員は免職措置が場合によってはとれるとか、かなりドラスティックなことも書いてあるわけであります。
個別について良い悪いというのはともかくとして、やはり教育というのは人づくり、地域づくりという行政の基本に関わる問題であるだけに十分に議論して、それぞれの都道府県、市町村が結論を出していくべきことだと思っております。本県が、この大阪府、大阪市の教育基本条例を受けて直ちに何か検討するということは当面考えておりませんけれども、教育のあり方については常に関心を持って行かなければならないと思っております。
1つ基本的な点として、教育行政も地方行政の極めて重要な柱の1つであって、例えば選挙の時など、私の時もそうですけれども、教育の問題は主要な争点の1つになるわけです。それでありながら首長、都道府県知事であるとか市町村長の権限というのは、教育委員を任命する、それから予算の配分をするという権限に留まっているわけでありまして、それで良いのかと。やはり教育の基本的な方向であるとか、そういうことについては、首長の一定の権限と言いましょうか、そういうものを認めるべきではないかということは、私自身も感じているところであります。これは、条例というよりもむしろ法律でしっかり手当てすべき事だと思っておりますけれども、いずれにしても今の教育行政、中立性ということはありますけれども、もう少し首長の教育に関する基本的な考え方が教育の実務に反映していくような仕組みということは検討しても良いのではないかと感じております。
記者
そうしますと結局、教育行政に関する責任の明確、所在というものを明確化したいというのが、教育基本条例にあるのですけれども、そうすると教育目標は当然首長が設定して、何かあれば首長が責任を取るというような形が理想的だという考え方でよろしいのでしょうか。
知事
そういうことだと思います。やはり選挙を経た首長というのは、教育行政も含めて地方行政全体に責任を持っているわけであります。教育の基本的な方向について、首長が一定の発言権を持つということはしかるべきだと思います。しかし、一方で教育の中立性ということもありますから、どこまで具体的にどういう規定を設けるかということは、慎重な検討をしていかなければならないと思いますけれども、私自身はそういう考え方を持っております。
記者
先日の高度化資金の話ですけれども、また振り出しに戻ってしまったという格好になってしまったのですが、今後、知事としてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
知事
残念なことであったのですけれども、おっしゃるように振り出しに戻ったということになるわけでありますが、いずれにしても債権譲渡という方向は、第三者委員会でそれがもっとも適当であるとご意見を頂いたところでありますし、その方向は今後とも議会と相談しながら追求していきたいと思っております。
不良債権が100億円余出ているわけであります。今のまま放置しておきますと、高度化資金というのは、中小企業基盤整備機構と県が共同で約半々ぐらいで貸し出しているわけですが、形として中小企業基盤整備機構のお金というのは県がいったん借りて、そして県が一括して組合等に貸し付けているという形になっているものですから、県はその中小企業基盤整備機構に対しても不良債権の約半分の部分を返済しなければならない義務を法的には負っているわけです。ところが、中小企業基盤整備機構においては、一定の条件のもとにその償還は免除しますと言っているわけであります。その一定の条件というのが、債権譲渡または債権放棄するということと、その事について議会の議決を経るということであります。その他いろいろ細かい条件があるのですけれども。したがって、やはり100億円全部県が県民負担にするということはおかしいわけでありまして、約半分は中小企業基盤整備機構の負担をお願いしなければならない。そのためには、債権譲渡という道を進めていくことが必要だと思っております。
よくよく検討して、できるだけ早くそういう方向で進めていきたいと思っております。
記者
今の件に関連してですが、債権譲渡という方向を追及していきたいということは、「味のふるさと」を3回目の競売にかけるという方向で進めていくということでよろしいでしょうか。
知事
まだ具体的に裁判所とも相談していないので、裁判所がどのように言うか分かりませんが、我々としては基本的にそういう方向で進めていきたいということであります。
記者
東京電力が4月から大口事業者に対して(電気料金を)値上げする方針でいるのですが、反対する事業者の方もいらっしゃるのですが、このことについての知事のお考えと、実際に値上げした場合に県としてどう影響するかも含めてお願いします。
知事
東京電力の(電気料金)値上げの発表というのは、自由化の部門だからそれは企業の判断で勝手ではないか言えばそういうことかもしれませんが、やや唐突であり、またこの一連の経緯というものを無視した、国民感情として納得できないところが多い発表ではないかという感じはいたします。国民にあれだけの、とりわけ企業に対しても非常に大きな迷惑をかけたわけでありますから、やはりそれは結果として原子力がだめで、いわゆる石油とか天然ガスの発電に頼っていかざるを得ない。そうすると燃料コストが非常に高くなるものだから、採算として企業としてどうしても値上げが必要だという企業の事情は分からないではないけれども、しかし、だからと言って直ちに上げるという発表はやや唐突ではないかという感じがします。やはり東京電力としてどういう合理化策を講じたのか、その辺のところを十分きちんとやった上で、そして内容についても十分な説明をした上で進めていくべきものではないかという感じがいたしております。
県としては関東地方知事会として、これはきちんと国、そして東京電力に申し入れるべきだということになりまして、関係の都府県と、私がたまたま会長を務めておりますから、意見調整をやって参りまして、関東地方知事会としての意見書がまとまりましたので、(知事政策局次長に対して)いつでしたか。私は行けないものですから埼玉県知事が行って、本県は副知事に行ってもらうことにしておりますけれども、要請を行うことにしております。
知事政策局次長
それについては、おって終わり次第回答させていただきます。
記者
具体的に値上げをした場合に、現状、県としてはどのくらいになるのでしょうか。
知事
大体13パーセント増と聞いております。庁舎、学校、警察署、公の施設など県有施設が138ヵ所ありますが、東京電力の案によれば電気料金は13パーセント増加すると、これは東京電力自身が説明されたものだということであります。
記者
具体的な金額は。
知事
金額は、現在の単価による電気料金は1,068百万円。新しい単価によるということになると、電気料金は1,207百万円になる。増加率は13パーセントということであります。
記者
県債発行額は抑えられて、県税と地方交付税がその分増加しているのですが、県債発行額が抑えられたとはいえ、やはりストックベースで見ますと臨財債の部分を含めると1兆円を超えている状態が続いているわけなのですが、改めてこの問題をどのように考えていらっしゃるか教えてください。
知事
おっしゃるとおりで、いわゆる通常の県債と言っている臨財債を除いた県債発行額は着実に減少してきているわけであります。しかしながら、臨財債が増加しているものですから、結果的に全体としての県債(一般会計)は24年度においても多少増加するというような状況になります。
臨財債というのは言うまでもないことですけれども、実質上の交付税でありまして、本来であれば現生の交付税で来るべきものが、国にお金がないものだから一時期県の方で立て替えておいてくださいと。その代わり後で全額を国が負担いたしますからということが法律に明記されているもので、だからこれは交付税でありまして、その支払いは県民の負担ではなくて国が負担すべきものであるということであります。したがって、県民が将来負担していく通常の県債とは性格が異なるものであるということであります。したがって、本県としては臨時財政対策債を除いた県債等残高について、債務の削減目標を定めて、計画的に債務の削減を計っているということであります。私の第1期の平成19,20,21,22年のこの4年間では、この通常の県債等残高を380億円削減するという計画でございましたが、結果的に580億円削減ができました。私の2期目の23,24,25,26年のこの4年間では600億円を削減するという計画を進めておりまして、とりあえず23年度は212億円くらい削減できるということでありますから、600億円という削減は十分達成できるものだと思っております。いずれにしても県民の将来の負担となる通常の県債等残高は着実に減少しているということであります。
記者
その臨財債についてですが、財政課の説明でも来年度までは各都道府県の財政力に応じて臨財債を減らして地方交付税をできるだけ配分するという話があったのですが、それ以降はまだ分からないということで、その後も同じように各都道府県の財政力に応じて臨財債と地方交付税の割合ということを国に求めていくつもりはありますか。
財政課長
少し私の説明が悪かったのだと思いますが、方式がもう新しいものに変わってしまって、財政力に応じて配られる方式に変わるということですので、それがまた元に戻るとかそういうことではないです。
(以上)