ページID:102569更新日:2022年1月11日
ここから本文です。
防災新館401,402会議室 17時00分から
発表事項 発表事項以外の質問事項
|
知事
新型コロナウイルス感染症につきましては、年末以来、全国の新規感染者数が急増の傾向にあります。特に、従来株と比べて感染力が著しく強いオミクロン株の市中感染が全国各地で確認され、一部地域では加速度的に感染が拡大し、医療提供体制のひっ迫に繋がる危機的な段階に突入しつつある状況でございます。
本県におきましても、年末年始のお休みの時期こそは比較的穏やかな状態のうちに過ごすことができましたが、直近では、新規感染者が急増している状況にあります。
先月の感染者数は8名でしたけれども、今月は昨日までの6日間ですでに41人に上っており、また本日は23名となっております。また、一昨日、県内初となりますオミクロン株の陽性者が1名確認されましたが、本日、新たに8名のオミクロン株陽性者が確認された次第であります。うち2名につきましては、これまでの調査では感染経路が不明で、また発症前の2週間以内に海外渡航歴、県外への移動歴がありませんので、いわゆる市中感染の可能性が高いと考えております。保健所の積極的な疫学調査によりまして、濃厚接触者等は特定できておりますので、現時点におきましては、不特定多数に感染が広がる恐れは低いと考えておりますが、市中感染の事例が確認されたことから、最大限の警戒感を持って対応すべき状況であると考えます。
私たちはすでに感染拡大第6波の入口に立っていると認識すべきであります。このことにつきまして、改めて県民の皆さまとこの認識を共有したいと思います。
その上で何よりも大切なことは、この波の高さをなるべく低く、そして、その幅をなるべく狭く抑えることであります。すなわち、感染者の総数という裾野を小さくし、特にお亡くなりになる方、あるいは重症化する方の数を極小化すること。そして流行期間を最短に抑えて、早期の経済回復につなげていくことが肝要であります。
そのためには、まさに今という、この瞬間が大変重要であります。県民の皆さまのご理解ご協力をいただきながら、オミクロン株の感染拡大のスピードに打ち勝ち、波の押さえ込みを成功させるために、「一刻を争う」という緊張感を持ちながら、これまで同様、先手対応、そして事前主義の下に取り組みを進めて参ります。
その一方で、危機管理の要諦は「最悪を想定して準備をする」ことでありますので、明日から始まる3連休明けには、県内でも市中感染が拡大、まん延していることも視野に入れまして、現在、準備を進めているところであります。
以下、当面の具体的な対策につきましてご説明申し上げます。
まず、病床の確保についてです。専門家の意見を伺った上で、現在の感染状況とともに、オミクロン株の重症化の可能性が低いと言われていること、そして、できる限り一般医療への影響を少なくする必要があることなども考慮いたしまして、病床の確保につきましては、本日付けで、当面、現行のフェーズ1からフェーズ2に引き上げることといたしました。各重点医療機関に対しまして、合わせて161床を確保するよう依頼を行ったところであります。
併せまして、重点医療機関に対しましては、状況に応じて、速やかに更なるフェーズの引き上げに対応できるよう依頼をいたしました。
また、宿泊療養施設については、すでに確保している6施設、966室について、速やかに稼働できるよう指示いたしました。併せまして、さらなる増強についても、すでに交渉の準備に入っているところであります。
また、宿泊療養施設のうち、県内2か所にある医療強化型宿泊療養施設につきましても、山梨大学の全面的なご協力の下に、中央市にある「ホテルルートイン山梨中央」につきましては明後日から、富士河口湖町にある「東横イン富士河口湖大橋」につきましては、近日中に再稼働することといたしました。
次に、新型インフルエンザ等対策特別措置法24条9項に基づく協力要請を改定いたしました。
まず、県民の皆さまへの要請についてです。
今月31日までの間は、感染リスクが高まる会食、具体的には「同一グループの同一テーブルでの5人以上」の会食は、原則として自粛をお願いいたします。
また、まん延防止等重点措置の対象区域である都道府県への移動は、通勤、通学、通院などやむを得ない事情がある場合を除き、自粛をお願いいたします。
さらに今月31日までのイベント等につきましては、事業者が実施する検査により、参加者全員の陰性確認を行った上で、開催していただくようお願いいたします。
次に、高齢者施設などの管理者の皆さまへの要請です。
高齢者施設、障害者施設及び児童福祉施設の管理者におかれましては、感染防止の集中自己点検を実施していただき、その結果を県にご報告いただきますようお願いいたします。
また、施設の職員などの従事者に関しましては、今月31日までの間は、少なくとも週1回、そして、ワクチンを未だ2回打たれていない方の場合は、週2回のPCR検査を実施していただきますようお願いをいたします。
その他、協力要請の改定の詳細につきましては、この後、担当者からご説明申し上げます。
次に、この改定に合わせまして、県で実施をしております事業のいくつかを停止することといたしましたので、ご報告いたします。
まず、「グリーンパス事業」、すなわち、ワクチンの接種証明などによりまして、個室や貸し切りでの宴会において、「グリーン・ゾーン認証基準」の一部を緩和する制度につきましては、本日をもちまして、その運用を停止いたします。運用の再開につきましては、今後の感染状況等を踏まえ慎重に検討を進めて参ります。
また、県内外からの人流を活発化させる「やまなしグリーン・ゾーン宿泊割り事業」及び「やまなし冬のプレミアムツアー」につきましては、本日から新規の受け付けの中止を、また戦国武将を活用いたしました、「4県連携戦国同盟スタンプラリー」につきましては休止いたします。
昨年9月12日をもちましてまん延防止等重点措置の適用が解除されて以来、経済回復に向けて段階的に歩みを進めるべく、リカバリー・メニューなど様々な施策を展開し、アクセルを踏み込んできたところであります。
このたび、感染状況に鑑みまして、事業の一部を停止せざるを得ないことは、誠に残念でありますが、早期収束こそが最大の経済回復策でありますので、ここは一旦アクセルを緩めるべき局面であると判断をした次第であります。
しかしながら、感染の波の最中にありましても、可能な限り、経済を回すことに挑み続ける姿勢はしっかりと堅持し、県民の生活を守ることを旨として、今後も取り組みを進めて参ります。
次に、県民の皆さまにお願いを申し上げます。
オミクロン株でありましても、基本的な感染防止対策はこれまでと変わりがありません。県民の皆さまにおかれましては、マスクの着用や手洗い、3密の回避、換気の徹底を是非ともお願いをいたします。
また、発熱や咳など少しでも体調が悪い場合には、外出あるいは移動を控えいただき、できる限り早く、かかりつけ医や医療機関で受診をしていただきますようお願いをいたします。
加えまして、会食をされる場合には、グリーン・ゾーン認証施設のご利用をお願いいたします。
なお、オミクロン株はデルタ株を上回る非常に強力な感染力を有しているため、すでに県内の飲食店におきましては、感染連鎖が発生しているところがあります。この感染連鎖事例におきましては、パーティションの設置がない中でマスク会食が行われず、また、利用時間の制限を超過した会食が行われていたことが確認されています。認証事業者の皆さまにおかれましては、これまでも感染防止対策にご尽力をいただいてきたところではありますが、改めまして、この機会に、認証基準に基づく感染防止対策の徹底をお願いいたします。
また、利用者の皆さまにおかれましても、施設が定める感染防止ルールを遵守していただきますよう、重ねてお願いをいたします。
次に、ワクチン接種についてです。
高齢者施設、障害者施設及び児童福祉施設等の従業員について、ワクチンの接種状況を確認したところ、2回接種を終えられていない方が約5%程度いらっしゃいます。もちろん中には医療的な事由などによりまして、接種できない方もいらっしゃるとは思いますが、このような医学的な理由によって接種できない方を除いて、未接種の方につきましては、自らが担う社会的責任、周囲への影響に鑑み、改めて接種をしていただくよう強く求めます。
昨日申し上げましたとおり、県も県立博物館やイオンモール甲府昭和は十分な受け皿を準備しておりますので、是非とも早急に対応していただきますよう、改めて強く求めます。またこの旨は、県から各施設に対しましても、強く接種の勧奨をしていただきますよう求める次第であります。
明日から3連休になりますが、観光、買い物、あるいは成人式など、外出の機会も増えようかと思います。是非とも県からの協力要請を守っていただいて、ご自身、ご家族あるいは親しい方々の健康を守る行動をとっていただきますようにお願い申し上げます。
最後に、昨年夏の第5波の際には、県民の皆さま、そして事業者、更には医療従事者の皆さまのご協力のもとに、一丸となって、難局を乗り越えることに山梨県は成功したところであります。今や本県の有する感染制御能力というものは、国内最高水準にあると言っても過言ではないだろうと思います。
第6波の襲来に対しましても、私たち山梨県は、必ずやこの波を乗り切り、皆さまの命を守りぬいて参ります。
県民各位におかれましては、私どもと力を合わせていただき、そして心を一つにしていただきますようお願いをする次第であります。
記者
協力要請の改訂で、県民に対する要請の7番目に、外出について「慎重に判断して行動してください」とあります。自粛ではなく、このような文言にした理由は何でしょうか。
局長
例示としまして、通勤、通学、通院、生活必需品の買い出し、ワクチン接種など必要なものを除き、移動に対して慎重に判断をしていただきたいということです。
外出や他の市町村等への移動自体を制限しようというものではなく、ただ、慎重判断というところがポイントになります。
知事
以前から、移動の自由につきましては、基本的人権として最大限の尊重を要するということであります。従って、現時点においては、密になっているところなどについては慎重に対応を求めるものにとどめるべき段階だろうと、こう考える次第です。
記者
会食の5人以上の制限ということですけれども、人数を示すのは初めてなのかなと思います。5人に設定した理由を教えてください。
局長
同一グループの同一テーブルでの5人以上というのは、政府の基本的対処方針に基づいて、引用させていただいております。
今回が初めてでございます。
記者
成人式の場合は、式典後の会食・飲食は慎むようにというお達しもされていると思います。5人以上の会食自粛について、結婚披露宴等は個別協議とあると思うのですが、「等」にはどういうものが例示されますか。
局長
この「等」については、例えば法事であるとか、そういった類いをカバーできるように想定してございます。
知事
要は、飲食を提供する施設との間で、例えば、その施設が参加者の皆さん全員の抗原検査を行い陰性の人だけに限るとか、あるいは各テーブルにおいて、例えば飛沫感染ですとか接触感染が起こるようなお客さんの行動に注意を促していただくとか、個別の事情でしょうけれども、そういう個別のしっかりとした管理ができるということが、確認、確保できるような場合については、この「5人以上は自粛をお願いします」というところから外していこうと、こういう考え方になっております。
記者
成人式の関連でお願いします。今日検査キットを配布していて、午後1時の段階でかなりの自治体の方が来られて、成人式を是非ともやらせてあげたいと市町村の方々が取り組んでいることについては、すごい敬意を払います。
その中で、明日開催する南部町などでは、今日のうちに300人分の検査キットを渡してしまって前日のうちに検査を終えてもらい、24時間前の対応で明日の成人式開催直前の混乱を防ごうと、知事が示した取り組みよりも先進的に取り組んでいるケースがあります。
いくつかの市町村でそういった対応をしていると伺っていますが、そうではなく、知事が昨日出したものと同じ、当日の朝にやってくださいという市町村もまだあります。
もし前の日に陽性だとわかれば、当日に着付けに行く必要もなくなったりして、濃厚接触の可能性もどんどんリスクが減ると思います。
改めて知事から、市町村がやっている取り組みを他の市町村に伝えるような、呼びかけみたいなことはできないのでしょうか。
知事
そもそも成人式を行うのは各市町村ですので、あまり箸の上げ下げみたいなことを言うのはどうなのだろうかと。各市町村の皆さんは、当然情報の交換をもうどんどんやってらっしゃるわけですので、そこは各自治体のご判断にお任せしたいと思っています。
知事
質問が出るかと思ってお待ちしていたのですが、出なかったのであえて申し上げますが、今やっております実質20%の飲食の割引事業につきましては、引き続き実行したいと思っております。
私たち山梨県は、この新型コロナにでくわした時点から、グリーン・ゾーン構想の中で、医療提供体制、そして検査体制の範囲内で可能な限り経済を回していこうという考え方に基づいてこれまで向き合ってきたわけです。
今回の会食につきましては、多人数は感染リスクが高くなるという政府の考え方も踏まえまして、多人数の会食というものは原則として控えていただくようにお願いをしているわけですが、そこを除けばこの割引事業はそもそもがグリーン・ゾーン施設の中で行われるものでありますし、感染防止措置が講じられた上での飲食ということであれば、私としてはこれまでどおり行っていただきたいと考えています。
可能な限り経済を回していくことは重要なことでもありますので、感染防止対策はきっちりやってくださいと、それは時々の感染状況に応じて、厳しくなったりグリーンパス事業のように緩和したりすることもあり、今はその基準を厳しくする状況にきていると認識しております。
ただその範囲内であれば、経済はある程度回していただくことが必要でありますので、そういうことで20%の割引事業というものは、引き続き継続をしていきたいと考えています。
もちろん、今後更に感染の状況が厳しさを増してきた場合は、昨年夏に行いました県民の皆さまに対する外出の自粛要請、そしてそれを補完するために飲食に対する営業規制というものも、手段の一つとしては決して排除されないものであります。
それは感染状況がそこまで行った時の話であって、現在においては、皆さん気をつけていただいて、かつて持っていた警戒感をもう一度持っていただくことで、まずはこの状況を乗り越えていきたいと思います。
県民の皆さまそして事業者の皆さま、県、この三位一体となって、ぜひ今回のこのオミクロンの脅威から私たちのふるさとを守っていこうではありませんか、こういうことを改めてお伝えいたしまして、今日の会見を切り上げたいと思います。
以上