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防災新館401,402会議室 17時00分から
発表事項 発表事項以外の質問事項
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知事
まず本日の感染状況についてですが、1日当たりの新規感染者数180人となりまして、今月14日から本日まで1週間の新規感染者数の合計は855人、いずれも過去最多を記録しております。
病床等使用率でありますが、59.4%と医療提供体制への影響が懸念する状況となって参りました。この医療危機メーターにおきましても、レッドゾーンにいよいよ突入をしてきた次第であります。
このシミュレーションによりますと、今後、1日当たり160人の新規感染者が継続して発生した場合には、患者の受け入れに影響が生じ、更に200人となった場合には、来週中にも患者の受け入れができなくなることも想定されます。
医療資源の枯渇を回避し、十分な医療を提供し続けるためには、県民の皆さまの格別のご協力のもと、感染の波の高さを少しでも低く、そして一刻も早くこの波を越えることを、決して諦めることなく総力を挙げて追求し続ける、このことが必要であろうと考えております。
そこで、県民の皆さまお一人お一人に改めてお願いを申し上げます。
これは繰り返してお伝えしておりますとおり、オミクロン株でありましても、基本的な感染防止対策はこれまでと同様であります。マスクの着用、手洗い、換気の徹底、よろしくお願いいたします。
また、人混みあるいはいわゆる三つの密がある場所への外出、基本的な感染防止対策が行われていない施設の利用は、ぜひ自粛をお願いいたします。
更に少しでも体調が悪いとお感じになった場合には、できる限り早く、かかりつけ医や医療機関で受診をしていただきますようお願い申し上げます。
また、まだワクチンを打たれていない方は、早急にワクチンの接種をしていただきますことも併せてお願いを申し上げます。
なお、この状況に伴いまして、病床の確保フェーズを引き上げることといたします。これまでのところ軽症の方が多かったこと、また、できる限り一般医療への影響を少なくするという観点から、フェーズ3で運用してきたところでありますが、軽症・無症状の方が大半であるという状況には変わりがないものの、新規感染者数の増加に伴い、ご高齢の方など入院が必要な方も絶対数として増えております。このため、専門家の先生方からいただいたご意見も考慮し、本日付けで、現行のフェーズ3からフェーズ4に引き上げることとし、各重点医療機関に対しまして、合わせて331床を確保するよう要請を行ったところです。
加えまして、感染状況に応じまして、速やかに更なるフェーズの引き上げ、フェーズ5への引き上げも行いうることをお伝えし、それに対応していただけるよう、改めてお願いをしたところです。
県といたしましては、感染が急拡大する厳しい状況にありましても、必要な医療を必要とされる方に届ける体制を堅持していくため、この後発表させていただきますホームケアの導入をはじめ、引き続き、考えられること、取るべきこと、すべて行うべく全力を尽くして参りたいと考えております。
この難局を乗り越えていくためには、県民の皆さまお一人お一人の第6波を抑え込むという、主役としての当事者意識をぜひお持ちいただき、日常の感染防止対策をぜひともたゆまず徹底をしていただくことが、欠かせないことだろうと考えます。
何卒、皆さまのご理解ご協力を改めてお願い申し上げます。
記者
先ほど病床の見通しなどをお示しいただきましたが、前回の会見でもお聞かせいただいたのですが、まん延防止等重点措置の考え方について、前回よりも感染状況が上がってきているのですが、今のお考えをお聞かせください。
知事
これは各都道府県知事においても、今意見が割れているところでありますけれども、私どもとしては、医療提供体制の確保の下で経済を最大限回していくという方針は、現状、維持をしていきたいと考えています。
加えて言うと、重症化が少ない、本県においてはゼロですけれども、そういう中で重症化が少ないということに対応したあり方というのはあり得るのではないだろうかというのが一点。
その対応の仕方として、かつてこれまでずっと続けてきたような行動制限、特に飲食の制限、あるいは酒類提供の制限、こういうものがこのオミクロン株においてどこまで有効なのか。ここはもう少ししっかり考えるべきことではないだろうか。奈良県の荒井知事は、飲食店の営業制限とこのオミクロン対策はどういうロジックに結びつくのかとおっしゃっています。私もそこのところは現状におきまして疑問に思うところでありますので、まず我々としてやるべきことは、医療提供体制が重症化された方あるいはそのリスクのある方に対して、しっかりとお届けすること、その体制の構築を最優先とし、それが実現できている限りは経済を回し生活を守る、こういうことに力点を置く方策というのがより望ましいのではないかと考える次第です。
記者
先だってから言われている宿泊療養施設の追加ですが、今回急ピッチで感染拡大があったということで、かなり難しいこととは思いますが、予定より早めることは可能なのでしょうか。
知事
それについては従来どおり最速でやっておりますので、1月28日と2月1日の予定ですが、前倒しできればしたいと思っていますが、現状においては、最速の最大限の努力をしています。
記者
そういう意味では、先ほど200人になった場合には足りなくなると知事はおっしゃっていましたが、それに向けた対策として、感染を予防してもらうことを県民に訴えるのは当然ですけども、医療体制の拡充を更にもう一段上げるようなことは考えていらっしゃるのでしょうか。
知事
引き続き、宿泊療養施設、場合によってはいわゆる野戦病院、臨時医療施設の研究というのも、そろそろ実地の問題として考える必要があろうかと思います。
併せまして、現状、無症状の方が相当いらっしゃって、この方々も宿泊療養施設に入所されておられるわけであります。こういう方々のご理解をいただいて、退所後ケアを拡大していくというのは医療資源の最適配分の観点から重要なことだろうと考えます。
更に、これからオープンをしていくのですが、複数人が泊まれる部屋を持つ療養施設の運用も始まって参ります。我々にとって最重要なのは病床ですが、これまで小さいお子さんがかかってご家族がかかってないような場合は、そのお子さんは仮に無症状であったとしても病院に入院していただいたのですが、例えば、その方々が親御さんと泊まれる宿泊療養施設に移るということもあり得ると思います。また、もう一つ、宿泊療養施設は8割稼働を前提としておりますけれども、この稼働率を高める工夫というのは、再度、しっかり行っていかなければならない。こうすることで、できる限りの現有勢力の中でのキャパを広げていくことを、まず、最優先でしっかり取り組んでいきたいと考えます。
記者
先日の記者会見の時に知事が示した目安は、140人であれば受けとめられるという数字を挙げられています。今日は180人で、更に200人を超えるとすぐいっぱいになってしまうという数字を新たに示されました。
一方で、オミクロンの特性を考えれば、経済を回し続けるべきではないかというお考えをお示しになりましたけども、例えば、この後更に増えていく心配はないのか。増えてきてもまん延防止重点措置など適用せずにいけるとお考えでしょうか。
知事
つまり、まん延防止重点措置のやり方が、この感染拡大の防止に役に立つのかということに対する疑問があります。
基本的なものとして、経済活動も含め人々の様々な活動の自由というものは、最大限確保しなければならないと思います。それを制約するにあたっては、必要最小限で、かつ、その合理的な理由がなければ、私はやるべきではないと考えております。それだけ人権に対する配慮というのは、しっかり行う必要があろうと思っております。
そういう意味で、オミクロンの特性の中で、そもそもまん延防止等重点措置を現状のスキームのまま適用し、飲食店を中心として営業活動をストップさせることがどこまで有効なのか。本当に有効だということが改めて分かれば、躊躇なくやることもありうるわけですけれども、ただそこがどうなのですかと。現に、この山梨県の中でも、一時特異な例としてのクラスターはありましたけれども、その特異な例を除けば、一般的に飲食店においてクラスターが連発しているという状況とまでは言えないと思っています。
ですので、ここは悩ましいところで、国にも情報の提供を求めたりしながら、どういう形をするのが一番よろしいのか、昨日の分科会の尾身先生がおっしゃるには経済を止めるのではなくて人数制限がいいのだとか、こういうご意見も今活発に交わされているところでありますので、それらの議論、あるいは私どもCDCの中でのアドバイザリーボードの先生方の意見、あるいは現場の先生方の意見、このような専門的な議論を闘わせてもらいながら、もう少ししっかり見極めたいと思います。
有効なことであれば、もちろん行うのは間違いないのですが、有効なのですかというところに今疑問が呈されている状況というのは、やはり少し考えないといけないと思います。
記者
今の話を私なりに理解したので確認ですけれども、まん延防止等重点措置というと何かぼやっとしているけど、具体的には飲食店の時短要請とか休業要請がある。
知事
それだけですよ。
記者
なので、それ自体に効果があるのか疑問を持っているということでしょうか。
知事
おっしゃるとおりです。
記者
しかしそうは言っても、140人と言っていたのが180人になり、今後も増えるかもしれない。休業要請とか時短要請に代わる対策として、県は何か有効な手段を行う必要があると思いますが、どのようなことをお考えですか。
知事
それは、医療提供体制の確保というところに一番重点を置くべきだと思います。
記者
それは増えても何とかいけるようにということですか。
知事
そのとおりです。その受け入れ余力というものを最適化し、効率を確保すること。その中で、やはり重点をどこに置くかという問題も、しっかり議論しなければいけないと考えています。我々としては、まず重症化された方の受け入れ能力の確保、重症化リスクのある方の受け入れ能力の確保に当然重点を置いていく、ここは絶対防衛ラインだと思います。
それ以上に、無症状の方、それから限りなく無症状に近い軽症の方、例えば、ちょっと鼻が詰まっている方や微熱がある方も軽症者として今対応しているところですけども、こういう方々の対応というものをどうするのかは、もしかしたら議論せざるを得ないところもあろうかと思います。
従来どおりの対応でいいのか、あるいは、先ほど申し上げましたけれども、退所後ケアというものへのシフトをもっとお願いしていくというやり方も一つあろうかと思います。この人たちが3分の2いますから。
記者
医療対策本部とか入院調整班とかで、その辺のやり方とか検討が進んでいますか。
知事
議論しています。
記者
そうすると、人数が増えたからといって、まん延防止等重点措置の適用を申請するというような考え方ではないということでしょうか。
知事
そのとおりです。重症者、あるいは重症リスクの高い人がどこまで増えるかということをまずは考えます。ただその際も、その手段として飲食店にしわ寄せをすれば事足りるのかというとそれはわかりません。
その時は、例えば外出の自粛の要請をどこまできつくやるかというのが有効かどうかということだと思います。こういう問題も視野に入れて議論することになるかと思います。
記者
それと以前もやりましたけれども、まん延防止等重点措置ではなく県独自の要請ということも例えば考えられますか。
知事
ありえます。前回の第5波のときは、まん延防止等重点措置、あるいはその前の特別要請も併せて、外出をお控えくださいという話をいたしました。
その効果を全きものとするために、外出のインセンティブはことごとくストップしていただくようお願いをしました。その一環として、飲食店に対するお願い、営業規制というのも行ったという組み立てでした。
今回は、状況に応じて、そのようなことは当然視野に入れないといけないわけですけれども、先ほど申し上げましたように、更なる工夫の余地というのはあるのではないかと思います。
知事
本日から、新型コロナウイルス感染症の患者さんが、自宅においても療養できる仕組みとして、「やまなしホームケア」の運用を開始いたします。
先般来ご説明をしているところではありますが、このホームケアは、医師の判断におきまして、ご自宅での療養も差し支えない患者さん、あるいはご自宅での療養が望ましいとされる患者さんについて、あくまでもご本人の希望あるいは同意を前提に、住み慣れた我が家で安心して療養をしていただく仕組みとして構築をするところであります。
先ほど申し上げましたとおり、オミクロン株によります感染拡大に伴い、この山梨県のみならず、全国各地で医療資源のひっ迫が懸念されているところであります。
しかしながら、ここ山梨県におきましては、必要な医療を必要とされる方に届けるということは、あらゆる制約条件にも優越する、本県の医療提供体制構築における基本哲学であります。
昨年夏の感染拡大第5波の際に大都市部で見られましたように、医療の提供が必要な患者さんが不安の中で放置されることは、本県においては、絶対に避けなければならないことであると考えております。
オミクロン株につきましては、その感染力の強さに反しまして、重症化のリスクは比較的小さいとの指摘もございます。こうした知見も徐々に蓄積されつつあります。現に本県におきましても、これまでのところ、重症患者は第5波の時と比べても少ないというより、今、ゼロという状態でございます。
こうした状況を踏まえまして、私たちとしては、決して思考停止に陥ることなく、このようなオミクロン株の特性に対応し、患者さんの「クオリティ・オブ・ライフ」と、「適切な療養」を両立する観点から、最適な戦い方をとらねばなりません。
すなわち、無症状または軽症で自宅での療養を望まれる方には、その願いを叶える療養体制を用意し、他方で、医療機関において常時手厚くケアすべき方には、病床における療養をしっかりと提供する。そして、あらゆる患者さんに早期回復を果たしていただき、再び元気に活躍をしていただくようにすること。このような姿の実現に向けましてあらゆる努力を傾注し、まかり間違っても、例えば、重症に陥った方に必要な医療資源を割くことができず、命が失われるに任せてしまうようなことは、断固として避けるべきであります。
本日、運用を開始いたします「やまなしホームケア」は、まさに県民の皆さまに、施設で療養を受ける場合と同等の安心・適切な療養環境を、ご自宅においても享受することができるという選択肢を提供するものであります。
私は、山梨県として、今般のコロナ対応に万全を期すことはもちろんのことではありますが、この目先の対応だけに留まることなく、このコロナ禍をも契機といたしまして、ポストコロナにおいても、自宅での療養においても命を守り続ける基盤を確立すること、更には、県内、いつ、いかなる場所においても、不安なく健康を維持できる山梨県へと前進させること、すなわち、県民医療の強靱化を目指して参りたいと考えております。
この将来像への大戦略をも念頭に置きながら、「やまなしホームケア」を、県民の皆さまの安心信頼の療養基盤として定着させられるよう、本日から鋭意運用に取り組んで参ります。
記者
県独自の自宅療養ということだと思いますが、山梨県独自と言えるところはどういうところでしょうか。本人の同意というところでしょうか。
知事
他県にあるのかどうかは情報を持っていないのですが、私どもとして留意したところは、本人の同意をいただくことというのが一点。
それから、この自宅療養も含めて、ドクターの観察下にあること。最初の段階は書面で振り分けをしますが、それでも実際にホームケアを開始する前に、この方が本当にホームケアが大丈夫かというのを、医師にしっかり診てもらいます。そして、この方が担当医となって、それ以降の健康観察を行っていただきます。その際には、私どもが使っております「見守りシステム」という資源も最大限活用しながら、場合によってはフェイストゥフェイスで診察していただけるように配慮します。ホームケアであっても、常に医療が寄り添っている、こういう状況を確保することを最も留意しているところであります。
記者
今日始まったということですが、今日実際にホームケアに回られた方というのはいらっしゃるのでしょうか。
班長
まだ件数の報告を受けておりませんが、何件か出ていることは確実です。
知事
調べて、後でお知らせするようにいたします。
(後に3件(20日18時現在)と報告)
以上