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ページID:32714更新日:2017年6月16日

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遺跡トピックスNo.246菖蒲池遺跡-弥生時代のお墓-

甲府市の遺跡

(甲府城関連・曽根丘陵公園を除く)

  • 0016岩清水遺跡-古式須恵器-
  • 0042円楽寺-六角堂-
  • 0044円楽寺-六角堂石塔群
  • 0197円楽寺-行者堂と富士山-
  • 0061富士見一丁目遺跡-田んぼ-
  • 0361富士見一丁目遺跡-プラ箱-
  • 0086山梨の遺跡展2007特集-
  • 0087山梨の遺跡展2007特集-
  • 0140榎田遺跡-壷型土器-
  • 0205榎田遺跡-スプーン状土製品-
  • 0255榎田遺跡-装飾器台-
  • 0321榎田遺跡-甑-
  • 0152八幡神社遺跡-発掘調査速報-
  • 0162八幡神社遺跡-発掘調査速報2-
  • 0191八幡神社遺跡-整理調査速報-
  • 0207八幡神社遺跡-整理調査速報2-
  • 0223八幡神社遺跡-整理調査速報3-
  • 0185米倉山B遺跡-須恵器-
  • 0222米倉山B遺跡ー「貸泉」-
  • 0309米倉山B遺跡-二重口縁壺-
  • 0187上野原遺跡-古道‘中道往還’-
  • 0393上野原遺跡-水煙土器
  • 0238音羽遺跡-転用硯-
  • 0266音羽遺跡-磨製石鏃-
  • 0246菖蒲池遺跡-弥生時代のお墓-
  • 0021塩部遺跡-人形木製品-
  • 0268塩部遺跡-日本最古級のウマ-
  • 0381塩部遺跡-戦争遺跡-
  • 0383県指定史跡加牟那塚古墳
  • 0402大坪遺跡-調査速報-
  • 0411久保田・道々芽木遺跡-

菖蒲池遺跡(しょうぶいけ・いせき)の概要

上空から見た菖蒲池遺跡の発掘調査の状況の写真

  • 所在地甲府市下向山町字菖蒲池
  • 時代弥生時代中期初頭および古墳時代前期(2,000から1,700年前)
  • 調査機関山梨県埋蔵文化財センター
  • 報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第119集

菖蒲池遺跡第31号土坑とその出土土器

菖蒲池遺跡の第31号土坑

この写真は、菖蒲池遺跡の発掘調査で確認された第31号土坑の写真です。

この土坑は、長軸が1.62m、短軸が1.55mの円形に近い形をしていて、深さは28cmほどでありました。ここからは、土器21点のほかに、礫(れき)9点と黒曜石(こくようせき)片1点、石鏃(せきぞく)1点が発見されました。

発見された土器の中には、下の写真のようなものがありました。口縁部分は欠けていますが、丸い胴部より下は、ほぼ完形な状況で出土しています。こうした土器のあり方は、この土坑がどういう意味を持つものか、重要な手がかりを与えてくれています。結論的には、細かい土器の破片がいっぱい入ったこの土坑は、お墓だと考えられています。

では、なぜそういうことが言えるのでしょうか。

菖蒲池遺跡31号土坑から出土した土器

リン分析の結果

遺跡から発見される土坑はいろいろな種類があります。その多くは、形や出土する遺物のなどからで内容が異なります。菖蒲池遺跡の土坑も、まずは、出土した遺物で、時期や種類を判断しました。しかし、もっと、土坑を調べるため、自然科学分析の中の「リン分析」という方法をとりました。

菖蒲池遺跡では調査された6基の土坑でリン分析を行いました。そして、そのうちの3基から、通常の土に含まれるリン酸の量より、土坑の中のリン酸の量が多いという結果を得ました。このことから、リン酸が多く含まれていた土坑のなかには、人骨があった可能性がでてくるのです。

「リン酸」は、人骨に多く含まれる物質の一つで、土の中に染みこんでいきます。そこで、穴の中の土と、穴の外の土とを比べて数値に差がないか調べることで、人骨がそこにあったかどうかの推定ができるのです。

分析の結果、菖蒲池遺跡の31号土坑では、穴の中心の土と、丸い土器の中の土から、通常のリン濃度より、高い数値が検出されました。これによって、お墓の可能性が高いと判断されたのです。

 

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