トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 埋蔵文化財センター_遺跡トピックスNo.0205榎田遺跡
ページID:26590更新日:2017年6月6日
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甲府市の遺跡(甲府城関連・曽根丘陵公園を除く)
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古墳時代のスプーン状土製品(写真1) 古墳時代(約1400年前)の住居跡から、写真1のようなスプーン状土製品が出土しました。 大きいほうは、長さ13.9cm、最大幅6.4cmで、表面に指の圧痕(あっこん)がのこり、粗雑なつくりといえるものです。また小さいほうは、長さ8.7cm、最大幅3.4cmで、こちらはきれいにつくられています。小さいほうは、何となく“れんげ”に似た形をしていますね。 これらは榎田遺跡で出土したものです。この遺跡は、古墳時代を主体とした遺跡で、方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)や住居跡が発見され、祭祀(さいし)用と考えられる遺物もたくさん出土しています。 このようなスプーン状土製品は、すでに縄文時代にもつくられていました。当時の人々は液体や粥状(かゆじょう)のものを食べる際使用していたのでしょう。 だた、このスプーン状土製品、液状のものを器にいれる時に使うのには問題ないでしょうが、素焼きですので、直接口に運ぶ際には、口当たりは悪そうですね。 おそらく、このような形をした木製のスプーンもあったのだと考えられます。また、実用性のない(祭祀のための)スプーン状土製品もあったかもしれません。 古墳時代の食器、調理器具(写真2) (写真3) 写真2は、榎田遺跡7号住居跡から出土した遺物の一部です。そして写真3は、7号住居跡での遺物の出土状況です。 写真2の出土品は、一番大きなものが調理用具の甕(かめ)、その右どなりは、椀(わん)で、前に並んだ3つは、左から甑(こしき)、坏(つき)、そして坏と小さいほうのスプーン状土製品の組み合わせです。 当時の生活の様子が思い浮かんできませんか? 甑(こしき):食べ物を蒸すための調理用具 坏(つき):食器皿
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