トップ > 組織案内 > 県教育委員会の組織(課室等) > 遺跡トピックスNo.191八幡神社(はちまんじんじゃ)遺跡(甲府市)整理調査速報?旧石器発見!?
ページID:25257更新日:2017年6月16日
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甲府市の遺跡(甲府城関連・曽根丘陵公園を除く)
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昨年発掘調査が行われ、トピックスNo.152・162で発掘調査速報を紹介しました。 現在、整理作業を続けていますが、約1万点の黒曜石の内、約8,000点の水洗が終了しました。その中から、2点のナイフ形石器が発見されました。 (写真)ナイフ形石器の側面は、細かい調整があって、とっても美しい!だけでなく、ナイフ形石器の特徴でもあります。 後期旧石器時代(今から約3万5千年前~1万4千年前)の中ごろ、今から約2万5千年前に隆盛をむかえた、ナイフ形石器2点が、発見されました。2点とも黒曜石で作られています。 ナイフ形石器は、木の枝などの先端につけて、槍のように使われたと考えられています。また、名前のように手に持って、動物の解体などにも使われた可能性があります。時代が下り、今から約1万8千年前になると、木の葉の形に整えられた槍先形尖頭器が出現します。 (写真)ナイフ形石器1(左は表、右が裏)
八幡神社遺跡は、縄文時代の石器製作跡と推測されていますが、ナイフ形石器の発見によって、二つのことが考えられます。一つはこの場所に旧石器時代の人々が生活していた可能性。もう一つはこの場所で生活していた縄文時代の人々が、石器を製作するため黒曜石の原石を入手した際に、原石の中に混じったナイフ形石器を運んできたという可能性です。というのは、黒曜石の原石が採れるところでは、旧石器時代の遺跡があることも多いので、原石と石器が一緒に運ばれてくることは大いに考えられるからです。 今後の整理調査で、解明できればと思います。 ☆県立考古博物館では、企画展「氷河時代のムラとくらし~2万年前の山梨の遺跡~」が6月28日(日曜日)まで開催されています。今回紹介したナイフ形石器もたくさん展示されております。この企画展の観覧は無料ですので、ぜひご覧ください。 この企画展は終了しました。
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