ページID:99114更新日:2021年4月2日
ここから本文です。
防災新館401,402会議室 15時30分から
発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
令和3年度の始まりに当たり、所感を一言述べさせていただきたいと思います。
今年の基本方針をお話したいと思いますが、まずその前に、状況の認識についてであります。
おかげさまをもちまして、これまでのところ、新型コロナウイルス禍に対する医療体制の構築は完了していると言っても過言ではないかと思います。近日中に新たな宿泊療養施設も北麓地域にオープンしますし、これまで山梨県においては自宅療養者を1人も出していません。引き続き、十分な検査能力の維持確保を含めた、検査、早期発見、早期治療、早期回復のためのシステムを整え、維持充実させていきたいと考えております。
また、グリーン・ゾーン認証を初めとした感染制御ですが、これもある程度成功しているだろうと考えております。
また本日、山梨県CDCが立ち上がりまして、藤井総長のもと、すでに稼動を始めているところは、皆様ご承知のとおりであります。
今後は、ワクチンの普及、接種促進というところに重点を置きながら、一刻も早く山梨県内で集団免疫の獲得ができるように最大限の努力を尽くして参りたいと思います。
そういう状況での現下の取り組みですが、このコロナ禍からの県民経済、そして県民の皆さんの生活の防衛と回復が本年度極めて大きなテーマであると位置付けております。ここを一刻も早く成し遂げることが、次の局面、すなわちポストコロナにおける本県の成否の鍵になってくると考えております。
この点に関して、残念ながら東京あるいは大阪というのは若干足踏みをしているのかなと思います。大都市であるがゆえの難しさというのがあろうかと思いますが、我が県におきましては、繰り返しになりますが、グリーン・ゾーン構想のもとで、全県総力を挙げて、この取り組みというものが現状功を奏していると言っても差し支えないのではないかと思います。
今も政府関係部局とお話をしておりますが、この我々の取り組みというものが、他の地域に対しても大きなヒントになって、お役に立てるのではないかなと思っています。
そういう意味で山梨県は、この感染制御と生活経済の両立という観点においては、国内のトップランナーの一角を占めつつあると言っても過言ではないかと私は思います。
多くの県民の皆様、そして事業者の皆様、また行政各部門をはじめとする山梨県全体の総力を合わせた成果でもありまして、関係する皆様に心から感謝を申し上げます。
今後の方向性についてですが、生活経済の防衛と回復に最大限の重点を置きつつ、コロナ克服後の局面に向けまして、足腰強化をしていく必要があると思います。
それに関しましては、大きく二つの分野、二つの柱があろうかと思います。
一つは、社会の基礎条件の充実であり、もう一つは、高付加価値化だろうと考えております。
社会の基礎条件の充実に関しては、教育と介護という旗を掲げておりますが、いよいよ本日から始まる新しい年度において、25人の少人数学級が現実のものとしてスタートすることになります。
山梨県の教育の大きな特色は、全国最高水準に自己肯定感の高いお子さんを育てていることでありますが、私はこの資質こそが、子供の将来にとって極めて重要なものであって、それは遠からず多くの親御さんたちに認識されるだろうと思います。
この少人数教育によりまして、本県教育の良さというもののレベルをさらに高めていって、「教育の山梨」という名前をいずれの日かいただきたいと思います。
また併せて、本年度から6ヵ年の計画を立てておりますが、介護待機ゼロを目指した取り組みを進めて参りたいと考えております。
さらには、災害から県民の皆様をお守りする県土の強靱化、そして、もう一つの新しい課題として、このコロナ禍によって、例えばソーシャルディスタンスあるいはステイホームの中で、個人がそれぞれ分断されてしまっている。その分断の中で孤立化して、救いが必要にもかかわらずその救いの声を上げられないような方々も多く出てきているという認識の下に、コミュニティの再強化ですとか、この孤立化対策分断対策というものも真剣に取り組んで参りたいと考えます。
また、新たな勉強もスタートしたいと思っており、今年はオリンピック・パラリンピックがありますが、社会の多様性、新しい時代の多様性に向けた対応というのも真剣に取り組んでいく必要があろうということで、これは今頭を整理し始めたところであり、近日中に方向性あるいは問題意識だけでも皆様にお伝えしたいと思います。
次の柱の高付加価値化ですが、産業分野全般に対して高付加価値化をキーワードに諸施策を進めて参りたいと考えております。
併せて、県民資産の活用の面においても、この高付加価値化が大きな目標になって参ります。
ご承知のように、先般2月議会では県有林問題で大変な大激論が交わされたところでありますが、私どもの目指すところは、この県有資産に関わる関係者のWinWinの関係構築であります。県と、県民と、それから県有資産を利用される事業者の皆さんとの、WinWinの関係を構築し、地域全体を高付加価値化していきたいと考えております。
今問題となっている山中湖畔の県有地の賃料の算定においては、開発前の素地をベースにする賃料算定方式になっているわけです。
残念ながら現在の山中湖の状況は、箱根や軽井沢と比べれば見劣りして後塵を拝しているというのは、かなり多くの皆様に御同意いただけるのではないかと思います。
これはなぜかと言ったら、やはり開発投資が不足しているというところに根本の原因があると思います。なぜ開発投資が少ないのかという話になれば、諸般の事情はあるでしょうけれども、例えば県がここに対して投資することが今現状できないことになっています。なぜかといえば、地主である県が、自らの商品価値を高めるために投資しようということになり、それによって成果が仮に上がったとしても、賃料は開発前の素地価格をベースになされるとすれば、必ずしもしっかりとした県民に対する還元というものが確保できない状況になります。
そういう場合、やはり我々としては投資できないわけでありますが、ここが今私どもが主張しておりますように、現況、すなわちマーケットプライスをベースに地価を算定し、それを基に賃料算定されるという形になれば、例えばここは事業者の方々と共同で投資をして、それによって土地の収益力が上がります。収益力が上がれば、その収益を事業者の皆さんは株主さんに還元してください。我々はその収益力が上がることによって地価が上がります。地価が上がることによって、賃料が上がることになれば、その上がった賃料で、県民の皆様に還元できますというモデルを、そろそろ作っていく必要があるのではないか、作らなければならないのではないかと考えておりまして、引き続き、しっかりと断固たる態度で取り組んで参りたいと考えております。
私が、この高付加価値化というものを訴えますのは、山梨県の持つ可能性に対する確信に基づくものであります。この可能性というものは、先人が積み上げてきた資産の上に成り立っているものであろうと思います。先人の皆様の資産の上に生み出されるこの可能性を、しっかりと開花させず朽ち果てさせてしまうようなことがあったとしたら、これは100年先まで禍根を残し、ご先祖様に申し訳ないばかりではなく、我々の次の世代の子供たちにも申し訳ない、申し訳ないでは済まない事態になってしまいます。こういうことにならないように、しっかりとこの可能性というものを100%開花させたいと考えます。
さらに言えば、この可能性というのは世界水準、グローバルレベルにある素晴らしいものだということも、私はあわせて確信をするものであります。
山梨県が遠慮がちに周囲を伺うような時代というのは、もう終わりにしたい、終わらせなければならないと思います。
本県は、持てる力を100%しっかり発揮することで、ポストコロナの日本を牽引する存在になりうる、あるいはならなければならないと考えます。それは国内だけではなくてグローバルにおきましても、山梨県としての価値をしっかり発揮し、提供し、国際社会に貢献することこそが、私たち山梨県に課せられた使命ではないかと考えまして、この1年間邁進して参りたいと考えます。
長くなりましたが、年頭に当たりまして一言所感を申し上げさせていただきました。
知事
本日午前中に開所式を行いまして、山梨県感染症対策センター、いわゆる山梨県CDCがいよいよスタートいたしました。今回、令和3年度の幕開けとともに、昨年度来検討を進めて参りました、感染症対策の司令塔組織を立ち上げることができ、御協力、御助言をいただきました関係各位に対しまして、この場をお借りいたしまして改めて感謝を申し上げます。
感染症対策は、その時々の状況に応じた迅速性、あるいは機動性が求められることから、山梨県CDCは、知事直轄の組織としつつ、専門的な知見や最新の情報に基づいた判断を行えるように、県内事情に通じた専門家を起用するとともに、新たに国内外の最前線で活躍する専門家にも参画をいただくこととしております。
具体的には、山梨県CDCのトップになる総長には、昨年度も知事政策補佐官、参与として対策に携わっていただいた藤井充さんを起用いたしました。県内専門家には、新型コロナウイルス感染症の県内発生前の段階から、専門家会議メンバーとして、指導、御助言を賜りました山梨大学医学部附属病院の井上修先生、県立中央病院の三河貴裕先生のご両名に、県職員としての立場を持っていただきながら、参画していただきます。
さらに、国内外の専門家で構成いたしますグローバル・アドバイザリー・ボードへは、1人目は、日本医師会で感染症危機管理対策などを担当する常任理事の釜萢敏先生、2人目は、米国コロンビア大学の医学部教授であられます辻守哉先生、3人目は、昭和大学医学部客員教授の二木芳人先生、以上3名の先生方に御参画いただき、国内外の最新動向、あるいは大局的な見地に立った御助言を賜ることとしております。
最後に、この組織の設立はゴールではありません。あくまで県の感染症対策をさらに高いレベルへ引き上げていくための出発点であります。山梨県CDCが中核となりまして、現在の対策をさらにブラッシュアップし、実効性を高めながら、いかなる感染症に見舞われても、地域全体で適切な制御が図れる超感染症社会への移行に向けまして、さらにスピードアップし、歩みを進めて参ります。
記者
CDCの「グローバル・アドバイザリー・ボード」について、この3人を人選した理由をそれぞれ教えてください。
推進監
先ほど知事から説明がありましたが、いずれも感染症に関して深い造詣を持ち、知見をお持ちの方になっております。
釜萢先生は日本医師会の常任理事でもありますが、政府の新型コロナ感染症対策本部専門会議構成員ですとか、分科会の構成員を歴任されております。
コロンビア大学の辻先生は感染症免疫学の専門家でございまして、長年にわたってワクチンの研究などを進めていらっしゃる先生になります。
二木先生も、マスメディア等によく登場されていますけれども、まさに感染症の専門家ということで、大学での指導もされております。
いずれの方も、本県の感染症対策に対して、大所高所から御助言をいただけるということで、御就任をいただいたところでございます。
知事
今回、まずは3人でスタートいたしますが、いずれは、例えばフランスのパスツール研究所、あるいは中国の感染症の研究所、さらには、WHOといったところと、これから人間関係をつくりながら専門家をお迎えできればと考えております。
そういう中で、一次情報、あるいはそれに対する見方を、独自でしっかりと手に入れて、もちろんそれを他地域や国とも共有しますが、様々な情報をバラエティ豊かに持つことによって、より的確な判断ができるのではないかと考えている次第であります。
記者
会議の場を定期的に設けてやるのか、随時求めていくのか、どういった形で行うのでしょうか。
知事
随時です。必要性に応じて、例えばウェブ会議を行ったり、あとは随時アドバイスを求めていくといったこともしていきたいと思います。
記者
CDCと「グローバル・アドバイザリー・ボード」について、新年度から新しく稼動していくということで、改めて県民の方々に対して、どんなメリットがあるかということをお話いただければと思います。
知事
感染症対策というものは、都道府県知事の権限と責任というのは極めて大きなものがあります。実際に対策を実行していくプロセスの中で、まず、この「グローバル・アドバイザリー・ボード」ですが、しっかりとした情報を、単に国からいただくものを待っているだけではなく、自ら幅広く情報を手にすることで、より的確な判断ができるようになってくるはずだと考えております。
実は、2009年の新型インフルエンザの流行のもとに特措法ができたわけでありますが、そこから10何年経った後、その時の知見が全く雲散霧消していました。残念ながら、その時々での様々な重要課題が山のように押し寄せてくる中で、いつしか忘れ去られてしまったわけでありますが、今後はそういうことがないように、感染症は極めて大きな影響を地域社会、経済、生活に与えるわけでありますので、有事はもちろんのこと、平時からしっかりとした準備、対策を講じておくことが、次のパンデミックの被害を軽減するのに重要だと考えております。そういった意味で、今回も手探りでいろいろやってきましたけれども、今回のこの感染症対策は、うまくいったことも失敗したこともあろうかと思いますが、これをもう1回検証をして、その検証を次の対策に向けて蓄積し役立たせていくことが、まず一つ重要なこととしてあります。
そして、平時からの準備として一番重要になってくるのは、人間関係づくりも含めた人材だと思います。県内は今、藤井先生を含めて、感染症の先生はお三方しかいらっしゃらない状況で、感染症のドクターの育成というのは時間がかかるわけです。また、ドクターだけではなく、感染管理認定看護師さん、こちらが実は最前線の部隊長になられるわけですが、こういう方々を各病院に置けるような準備も、我々はしていくべきだろうと思います。
有事のときに、このダメージを極小化できるような平時からの備え、これをぜひ県CDCに期待して、また役割を果たしていただきたいと考える次第であります。
記者
CDCについて、いろいろな要素が出てきましたが、平時からの準備と人材の育成、あと検証です。知事直轄組織ということで、まずこれから具体的にどういうことに取り組んでいくのか、一番重要なポイントは何と考えているのか教えてください。
知事
まずは目先の感染防止です。これが最重要であります。
そのための最高司令部が、この県CDCでありますので、今のところ第四波の足音が聞こえてきているかもしれないぐらいに止めていると思いますが、それに向けての医療体制の確保、さらには拡大防止のための取り組み、これがまず私が県CDCに期待する大きな役割であります。
その上で、ぜひやっていただきたいことは、今回の感染症の経験に関する資料、データは全部保存してくださいというお願いをしておりますが、これを客観的な目で整理分析をする作業がやはり必要だと思っています。
これは、県庁内でやっていることを、例えば外部の学者の先生といった方々に情報を提供し、分析していただいて、どういうところが良くてどういうところが間違いで、どうすればもっといい改善ができたか、次に対する教訓は一体何かということを明らかにしていただきたいと考えています。
記憶というものは、時間がたてばどんどん薄らいでいってしまいますので、この作業はなるべく早くしておくことが重要だと思います。その後は、備蓄計画などがありますが、とりあえず着手すべきはそこかなと今考えています。
記者
その中で、先ほど知事が国からの情報を待つだけではなく自分たちからということをおっしゃっていましたが、どういうことが課題で、もう少しできたと思うところを教えてください。
知事
例えば、当初、ベッド数がどれぐらい必要かという議論がありました。
もちろん、国もデータがなかったわけですけれども、我々は(国の基準で)最大1400という病床数を出して、半分パニック状態だったわけですが、実際は245が最大の見込みで、現状その範囲内で十分収まっています。情報がない中では、厚労省の基準を参考に動かざるを得ないわけですが、そういう意味では、実際この新しいウイルスはどういうものなのか、各国でどう考えられているのか、こういう情報があればパニックにならずに、別のところにリソースを回せたのかなとも考えています。
もう一つは、スタート段階で、この新型コロナはどれぐらい怖いのか、どういうものなのかさっぱり分からなかった中で、様々なトラブルが思い出せないぐらいいっぱいありましたが、もう少し色々な見方、情報が欲しかったなというのが痛感してきたところです。
記者
近々センターで会議を開く予定があれば教えてください。
知事
あります。グローバル・アドバイザリー・ボードの会議を開催します。
推進監
4月7日前後で今調整しております。
知事
こちらはオープンでやります。
記者
今後の方向性などを議論するのでしょうか。
知事
顔合わせなのかもしれませんが、そこはぜひご覧になっていただければと思います。
記者
グローバル・アドバイザリー・ボードの関係で、実績ある方々を起用することができたと思うのですが、この3人を起用できたということの所感と、どのようなことを具体的に期待したいかを改めてお願いします。
知事
大所高所に立った、大きな太い流れに関する情報などを、御指導いただければありがたいと思います。まさに、目先のことで手一杯になることもこれまであったわけですし、県内の専門の先生方にも大変な御労苦をおかけしていたわけでありますが、第三者的な目で、新たな感染症の問題や、それに対する県の取り組み方といったことに対してアドバイスをいただいて、大筋で間違わないような感染症対策を構築していければと考えます。
記者
今後、人材の育成に力を入れるとおっしゃっていましたけれども、医師や看護師の育成など、具体的にどのように県としてサポートしていくのか、プランがあれば教えてください。
知事
これから具体的に考えたいと思っておりますが、例えば、医学部生に対しまして奨学金を出しているのですけども、それを活用して、1人は感染症の専門家になっていただくなど、これは当然山梨大学ですとか県立大学との連携が必要ですけども、そういった中で感染症の専門のお医者さんが育ってきたら、さらに育てる一環で、例えばこのグローバル・アドバイザリー・ボードのコロンビア大学の辻先生のもとにお願いをして修行をさせていただいたり、またその中でグローバルなネットワークを作っていただくような形で人材育成ができないかと思います。
あるいは、感染症の管理認定看護師さんは、今度県立大学でコースができますが、遠くまで行かないと研修ができず、遠隔地で長い時間自分の職場を空けないといけないので、なかなか皆さん手をあげられないという現状がありましたが、今度近くの大学でやるので、県内の看護師さんたちが受講したいということであれば、それを積極的に奨励していきたいと思います。それは、これから県CDCでベストなやり方を考えていただけるのではないかと思います。
記者
以前、知事は全国知事会で、地方版CDCの開設を提案されていましたけれども、今後、この県CDCを母体に、他県と協議する中で地方版CDCを改めて訴えていくお考えはございますか。
知事
まず、東京都と連携したいと考えております。その上で、全国でこういった組織があるべきだろうとは思いますが、他の自治体に呼びかける前に、山梨県CDCがしっかりと成果を上げて、こんないいものだったら自分たちも欲しいと思っていただけるようなものに育っていくことを期待します。
記者
現在やっているコロナ対策もたくさんありますが、井上先生、三河先生、藤井総長は入院調整会議のメンバーで、現在進めている仕事との切り分けはどうなりますか。
知事
基本的に県CDCに移ります。
記者
全部CDCに移るとなると、感染者が何人県内で確認されましたとか、1週間のまとめといったことも、全部このCDCの中で取り扱うというのが、今後の体制ということでよろしいですか。
推進監
はい。おっしゃる通りでございます。今まで福祉保健部健康増進課でやっていた業務をこちらへ移管しまして、おっしゃったような業務も引き継いでおります。
記者
そうなると、福祉保健部が昨日までやっていたことは、全部CDCに移るということになりますか。
知事
感染症に関しては、基本的にそういうことになります。
記者
井上先生と三河先生が県の職員ということでよろしいでしょうか。
知事
はい。
記者
藤井さんはどうなるのですか。
知事
総長です。
記者
総長で、県の職員になると。
知事
もちろんです。
記者
この3人が県の職員で、グローバル・アドバイザリー・ボードの3人は、そうではないということでしょうか。
知事
もちろん県の職員ではありません。
知事
先ほど言い忘れましたが、ワクチンも、言わずもがなですが重要なオペレーションでありますので、ちょっと付言をしておきます。
記者
昨年度は、知事の判断が非常に問われる1年だったと思いますが、その中で、国と地方のあり方や、知事の権限のあり方について、感染症対策をする中で改めて思うことはありますでしょうか。
知事
残念だったのは、一時、知事の功名争いみたいな形になったと思いますし、何となくメディアの報道ぶりもそのような形になっていたと思います。それが高じて、国との対決姿勢を生み出すような形になっていました。
ある意味、感染症対策は、本来はオールジャパンで一致団結してやらないといけないと思いますが、それがなかなかそうなりませんでした。そうならないが故に長引いてしまっているのではないかと考えております。
この1年間やってきて、国と各地方自治体がしっかりと役割分担をすることが、私は重要だろうと思います。もちろん、国の感染症対策は100%正しいものでもないわけですし、どうなのかなと思うものも多々ありますけれども、緊急事態宣言下のような場合は、やはり自治権を一部返上してでも、国が司令部になって、そこから的確な指示をし、その指示の枠内に基づいて県がその実行部隊を担うというのが理想的だと思います。
ただ、ご承知のように、国は何でこんなこと言うのかというような細かい指示も多くあって、これがむしろ国に対する信頼を失わせている原因ではないかと思います。本当に箸の上げ下げまで事務連絡で書いてきて、どれだけ暇な組織なのだと悪口言いたくなるぐらいの思いを抱いたことも1回や2回ではありません。つい最近では、お花見、宴会などについて、各地方それぞれの特色というか取り組みの差異について勉強すらしないで、机の上だけで、通り一遍の指示を出して悦に入っている。国の指揮権が重要だと言ってもなかなか信頼すらないわけで、私はもう1回頭を冷やして、国の役割、そして各自治体の役割を整理することが、第2波、第3波といった、繰り返し同じ苦しみを味わう回数を減らすことに役に立つのではないかと素直に考えます。
記者
先ほど東京都のCDCと連携していきたいとおっしゃっていましたが、具体的なものがあればお伺いできますか。
知事
それは、これから話し合いをしてからのことだろうと思います。
推進監
まだ、こちらの組織も立ち上がったばかりですので、東京都さんも知見を蓄積されていると思いますので、まずは情報交換といったところから始めていきたいとは思っております。いずれ、これから協議をさせていただきたいと思っております。
知事
早い段階で、小池知事にはその旨のお願いをしていいですねというお話はいただいています。
知事
太陽光発電施設につきましては、森林伐採に伴う災害の発生や、環境への悪影響を訴える声が、私の元にも数多く寄せられているところであります。
また私自身、現地に赴きまして、環境を守るためのクリーンエネルギーが、環境を破壊している現状を目の当たりにし、規制の必要性というものを痛感したところであります。
また、県議会からは、適正な導入と維持管理を行わせるための条例制定を求める政策提言をいただいたところであります。
こうした県民の皆様の声に応えるべく、有識者会議における議論も踏まえまして、条例化に向けた検討を進めてきたところであり、本日、素案を取りまとめたことから、公表させていただくこととなりました。
素案のポイントといたしましては、まず基本理念におきまして、施設は、地域に根差し、県民の安全と安心な生活と豊かな自然環境などとの調和を図りながら、安定的に運営されなければならないことを明確化いたしました。
次に、その上で、今後は、森林伐採を伴うものや、災害リスクの高いエリアへの新規設置は禁止とし、防災対策や環境・景観への配慮などに万全な対策が講じられた施設に限り、許可できるものといたしました。
また、許可の可否の判断に当たりましては、地域の実情を把握する市町村長の意見を尊重する仕組みを導入いたしました。
さらに、安全で安定的な事業運営を確保するため、稼働中を含むすべての事業者に対しまして、維持管理計画の作成及び公表、その計画に基づく保守点検を義務化いたしました。
加えて、必要に応じまして、立ち入り調査や改善命令等を行い、また、FIT制度では、条例違反で認定取り消しとなるため、国への通報も明記いたしました。特にこの点に関しましては、現在、太陽光発電事業というものが、多く金融商品としての側面も持っています。むしろそちらの方がメインにもなりつつある状態の中で、しっかりとした維持管理、条例を守らないような発電事業に関しましては、このFIT制度の下での通報を通しまして、対象から取り消していただき、その金融商品としての価値をゼロにするというところまで視野に入れた、大変実効性が高い制度になるのではないかと期待しているところであります。
これらに関しまして、一定の周知期間を設け、来年1月の施行を予定しております。
最後に、設置から維持管理、廃棄に至る一連の事業を規制する条例というものは、都道府県レベルでは初めてとなります。特に、すでに稼動している施設を含む全事業者に対しまして適正な維持管理を義務化するのは、他に類を見ないものと自負をしております。
明日から2週間、パブリックコメントを実施いたしますので、県民の皆様には、積極的に御意見をいただきますようお願い申し上げます。
今後は、引き続き、県議会、あるいは市町村から御意見を伺いながら、また、県民の皆様からいただいた御意見をしっかりと踏まえまして、6月議会へ条例案を提出し、御審議をいただくこととしております。
我々もベストを尽くした条例案にしているつもりであり、また、担当は全力投球で作りましたが、見落としがあることも十分あり得ますので、太陽光発電に関係している、あるいは御関心を持っている方々の積極的なパブリックコメントをぜひ改めてお願いいたします。大変重要な参考資料になりますので、よろしくお願いする次第であります。
記者
太陽光発電条例について伺います。設置の許可を知事が行う、それから維持管理を義務づけるといった、幅広い規制を行う条例は国内では多分ないと思います。ただ、許可や義務づけというのは、法令との関係があると思いますが、県が許可、禁止、義務づけ、あるいは罰したりということは可能なのでしょうか。
知事
可能です。
記者
それは何に基づいているのでしょうか。
知事
条例制定権です。
記者
条例制定権の下に、県として許可、義務づけるということでしょうか。
知事
はい。
記者
それでは、全く新しい取り組みということになりますね。ゴルフ場などは、色々な許可行政の中で工夫しながらやってきた歴史もあったと思いますが、そういうのではなく、新しく条例を作るということですね。
知事
そちらの方がわかりやすいというところがあると思います。太陽光発電施設に関する体系をしっかり明文化することによって。今までは行政指導だったわけですけども、条例という立法権に基づいて、議会を通して、県としての立法を行うというのが私は一番わかりやすいし、クリアだろうと思います。
記者
既存の法令に基づいて規制していくのではなく、この条例一本で規制していくという考えに基づいて出来ている素案ということでしょうか。
知事
条例に基づいて規制をしていきます。
課長
既存の法令を遵守することは、当然だと思います。その上で、条例でしっかり太陽光発電施設を規制していくということになろうかと思います。
知事
この条例は県の条例制定権に基づいて条例を制定しています。何がしかの法律によって委任されて作るものではないということです。
記者
今日と明日、長野で一部無観客にしています。それから、大阪市がまん延防止等重点措置の対象になるということで、吉村知事が大阪市ではやめたいということを言っていますけれども、山梨県はどうなりますか。
知事
現状においては、聖火リレーは予定通りやってよろしいのではないかと考えますが、直前まで状況を見極める必要があるのではないかとは考えます。
記者
大阪・兵庫・宮城でまん延等防止措置が初適用ということで、それについて一言だけお願いします。
知事
1日も早くこの感染状況が収まるということを期待、祈念をいたします。
大阪・兵庫は関西ですし、宮城は東北ですけれども、先ほど申し上げましたように、この感染症問題はオールジャパンの問題であり、今日、東北であったとしても、明日は山梨にそれが飛び火しないとは全く言い切れないわけですので、感染防止の取り組みに対して、ぜひ御尽力されることをお祈り申し上げます。
なお、私ども山梨県として、宮城県に対して人的支援を行うこととしております。出発式もやる予定ですが、ぜひ少しでもお役に立てればありがたいと思っております。
以上